MTV ビデオ・ミュージック・アワード2022レッドカーペット、ベスト&ワーストドレッサー20
BLACKPINKやテイラー・スウィフトも参戦!辛口評価を受けたのは誰!?
MTV ビデオ・ミュージック・アワードは、その年の最もワイルドなレッドカーペットといえるかもしれない。ときにゲストそれぞれが、前年のクレイジーさを超える演出をしようとしているとさえ思える。何の制約も設けられていないという点がこのレッドカーペットの最大の特徴なので、ワーストルックを選ぶことには、あまり意味がないのかもしれない。ここでは、米版COSMOPOLITAN編集部がピックアップした今年のMTVビデオ・ミュージック・アワードに登場したベスト、ワイルド、異色、そしていくつかのワーストルックを見ていこう。
Translation: Masayo Fukaya From COSMOPOLITAN US
テイラー・スウィフト/オスカー デ ラ レンタ
テイラー・スウィフトは、ロングドレスの代わりにカクテルドレスを着ていたのが好印象で、彼女がハードでエッジの効いた衣装を選ぶとは思っていなかったので、その直球なドレスアップは全面的に支持したい。
しかし、ドレスのデザインにはあまり魅力を感じない。施されているのはビーズとわかっていながらも、クリスマスのティンセル(飾り)がついたディスプレイを裸で駆け抜けてきたように見えてしまう。
BLACKPINK:リサ/セリーヌ、ジス/ディオール、ジェニー/シャネル、ロゼ/サンローラン
新曲『Pink Venom』を公開したばかりのBLACKPINK。シックでエレガントな衣装を選び、この日のレッドカーペットにふさわしい(つまり、退屈しない)スタイルを完成させた。
このなかから一番のお気に入りを選びたいところだけれど、正直なところどのスタイルもそれぞれの個性が光っていて素敵。ブランドもスタイルも違うのに、グループとして非常に良くまとまっていたのが印象的だった。
サブリナ・カーペンター/モスキーノ
こちらは愛らしいレトロさでがあるし、ヘッドバンドと前髪のスタイリングもパーフェクト。けれど、残念なことにカットアウトがドレスの良さを台無しにしてしまっている。他の部分がキュートなだけに、もったいないルックに。
リル・ナズ・X/ハリス・リード
リル・ナズ・Xは、ゴスのクリスマスツリーのような衣装を見事に着こなした。さらに、フープスカートを復活させただけでなく、エッジの効いたホットなスタイルへと昇華させている。彼はまさに、ファッションの魔術師のよう。
ダヴ・キャメロン/パコ ラバンヌ
フローラル・ゴスというジャンルは存在するのだろうか? もしないのだとしたら、ダヴ・キャメロンが新たなルックを生み出したかもしれない。
最高と言いたいところだが、フローラルのプリントを見逃すわけにはいかない。デザインとスタイリング(特に三つ編みと奇抜なネイル)は素晴らしいのに、テキスタイルが安っぽく見えてしまう。
コナン・グレイ/ハリス・リード
MTV ビデオ・ミュージック・アワードのレッドカーペットデビューを果たしたコナン・グレイには、かなり感動したと言わざるを得ない。
このルックにはソフトでフェミニンなエレガンスがありながら、全体のシェイプと特に超厚底プラットフォームシューズが本物のグラムロックなアティチュードを醸し出している。
皮肉なお世辞のように聞こえるかもしれないが、そうではなく本当の意味で、この日一番興味を掻き立てられる人物の1人だ。
アシュリー・グラハム/ホートン
アシュリー・グラハムが身に纏ったのは、シンプルなようにも、デザイン過多のようにも思えるドレス。彼女はとても素敵に見えるが、このドレスはあまりにも多くのことをしようとしているように感じられる。カットアウト、しっくりこないネックライン(そしてそれ以上に微妙な裾丈)、安全ピン、ルーシングなど、すべてが少し“やり過ぎ”に感じられる。
ディラン・オブライエン/ボーディ
映画『ノット・オッケー!』への出演で知られ、最近ではネット上でも人気を博している俳優のディラン・オブライエンは、NY拠点のボーホーブランド「ボーディ」のスーツに身を包み、キュートで楽しげなスタイルを披露した。
ボーディは今、男性セレブの間で最もホットなブランドの1つとして注目を集めている。“おばあちゃんのアフガン編み”のようにも見えるが、そこがこのルックを面白くしているところ。スーツの色味とゴールドチェーンとの組み合わせがフレッシュで、少しセクシーな印象も受ける。
リゾ/ジャンポール・ゴルチエ(クチュール)
リゾは凛とした姿勢で登場し、縮こまったり、威勢をなくしたりすることを拒むような、人目を引くドレスを着用した。彼女自身の嬉々とした大胆さを、古き良き時代のエレガンスと融合させたこのルックに、つい見とれてしまう。ミッドナイトブルーの輝きも美しい。
ビービー・レクサ/ヴィヴィアン・ウエストウッド
ビービー・レクサのドレスは確かに素敵で、彼女に良く似合っているけれど、驚くほど迫力に欠けるし、がっかりするほどありきたりに見えてしまう。彼女はエレガンスを追求したと思われ、確かにその通りになっているけれど、“記憶に残るドレス”と呼ぶには物足りない。
カリード/ヴェルサーチェ
自分を表現しようとエッジの効いたスタイルであふれるなか、カリードは大胆で、明るく、楽しげなルックで登場し、リラックスした雰囲気がどこか新鮮な印象を与えた。
このパーティーにぴったりのカラーとゆったりとしたルックはすごく素敵で、さりげないハイファッションの雰囲気が彼にとてもよく似合っている。唯一、靴だけが残念だった。
ジャック・ハーロウ/エルメス
「クール」という表現が時代遅れであることは認識しているし、真夏のニュージャージーで頭からつま先までレザーでまとめたスタイルは、普通の人であれば“クール”とは決していえないけれど、このルックはクールとしか言いようがない。
他のどんな男性がこの衣装を着ても、そのカッコよさは半減するのではないだろうか。ときにはこんな自信たっぷりな態度がものをいう。
クロイ・ベイリー/Zigman
このアールデコ調のロボットガールドレスを他の人が着用したら、ほぼ間違いなくドレスに負けてしまうだろう。けれど、クロイはそれを見事に着こなしただけでなく、エフォートレスに見せている。フィット感も完璧。
マネスキン/グッチ
イタリア出身のグラムロッカーたちは、文字通り華やかでかっこいい、上質なイタリアンファッションで登場した。たしかにラインストーンを施したケープや、シアーなビスチェ、スパンコールのチェッカーボードスーツはやりすぎという意見もあるかもしれないが、ここは何でもありのレッドカーペット。シックなファッションヴァンパイアのように見える彼らのルックこそ、私たちが見たかったものだ。
テイト・マクレー/Niné
今年のMTV ビデオ・ミュージック・アワードのレッドカーペットでどんなルックが見られるかを予想していたとしても、シックにアップグレードした原始時代のようなファッションは思い浮かばなかっただろう。
テイト・マクレーはこのルックを素晴らしく着こなしているけれど、10年後に振り返ったとき、「一体何を考えていたんだろう?」と言われてしまうかも……。
J・バルヴィン/ルイ・ヴィトン
首から下はクールなミニマリズム、首から上は魅力的なヘアカラーでまとめたのは、楽曲『In Da Ghetto』で知られるJ・バルヴィン。かなりスタイリッシュなルックではあるものの、スーツが彼にとって3サイズほど大きく見える。公平のために言うと、髪型が全てだ。
ディキシー・ダミリオ/アレクサンドル・ボーティエ
TikTokの女王(の1人)、ディキシー・ダミリオは、予想に反してオーソドックスかつ控えめなルックで登場した。特に刺激的でもないし、黒のパンプスは妙なチョイスだと思うが、このルックが彼女に似合ってないとは言えない。デザインは量産型。つまり、MTV ビデオ・ミュージック・アワードのレッドカーペットに限っては、それは“イマイチ”と同義になってしまう。
ソフィア・カーソン/キャロリーナ ヘレラ
セクシーな修道女風ルックは、ファッション(またはハロウィンのコスチューム)において新しいアイデアではないものの、ソフィア・カーソンはそれをユニークに取り入れている。アイキャッチーでドラマティックなデザインだが、彼女が何か急な動きをしたら滑り落ちてしまいそうな印象も。
ラト/ラド・ボクチャヴァ
控えめな衣装は選ばず、セクシーで楽しげなルックを披露したラッパーのラト。サイズ感的にはバストが少しきつそうだし、正直にいうとフロントのリボンが多すぎるけれど、ネオンカラーがとても美しく、アニメのファッションのような雰囲気があって、彼女にとてもよく似合っている。
アニッタ/スキャパレッリ
ドレスのカラーは、アニッタによく似合っている。そして、ここ最近よく見られるスキャパレッリのルックと同様に、独特で予想外のデザイン。しかし、失敗したストリングアートのようにさえ見える左胸のデザインは理解に苦しむ。目がくぎ付けになってしまうという点は評価に値するかもしれないが、それはそもそも何を見ているのかわかっていないというのが大きい……。