10代で大スターとなる前は貧しい家庭で育ったことを明かしている、『ワン・ダイレクション』の元メンバーであるゼイン・マリク。

そんな自身の経験を踏まえ、イギリスで暮らす子供たちが食事に困らなくなるような制度を求め、リシ・スナク首相へ嘆願書を送ったことが注目を集めている。

「私も、その恥を知っている」

11月17日に発表される予算案にゼインが盛り込んでほしいと懇願したのが、子供たちへの給食費に対する法案。

BBC>によると、7歳(小学2年生)までは全ての子供が無償給食の対象である一方で、3年生以上では家庭の年収が7400ポンド(約125万円)未満である場合のみ無償給食の対象に。ところが、生活保護を受けている家庭の40%はこの所得制限を超えており、無償給食が受けられない状況にあるという。

ゼインはそんな現状を変えるべく、英スナク首相に向けて嘆願書を発表。

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「生活費危機に直面している現在、貧困家庭の子供が、温かく栄養のある食事を学校で必ずとれるようになってほしいのです。彼らにとってはその一食が、その日の唯一の食事になる可能性もあります」
「2022年9月の時点で、食事に困っている家庭のもとで400万人の子供が暮らしていることが分かっています。さらに、その子供たちのうち80万人が無償で学校の昼食を得られていません。集中力を発揮できないだけでなく、お金がなく空腹に耐えられないために、学校のカフェテリアで昼食を盗む子もいます。また、彼らが感じている“羞恥心”は、心身の健康にも影響を及ぼすものです」
「私も、その恥というものを知っている一人です。私自身、かつて無償給食が頼りだったからです。食料を確保できないことへの差別も経験してきました。この手紙を送ることによって、飢えと差別をなくせることを願っています。このような経験は決して珍しいものではなく、イギリスで暮らす多くの子供たちが経験していることなのです」
「親たちはすでにできる限りのことをしていて、政府による支援を必要としています。食べ物を買うか、暖房をつけるか、借金をするか、そんな辛い選択を迫られなくてもよいはずです。子供たちが学校で食事ができていると分かっているだけでも、親は安心できるのです」

続けてゼインは、生活保護を受けている家庭に無償で給食を提供することを提案。「温かく栄養価の高い食事を無償提供することで、子供たちは次の食事の心配をするのではなく、目標に向かっていける」とも綴っている。

「空腹に苦しむ子供というのは、避けて通れる道なのです。これは政治問題でも政治思想でもないはずです」

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