ランジェリーブランド、「Victoria's Secret(ヴィクトリアズ・シークレット)」の広告塔、通称“エンジェル”を2010年からおよそ3年間にわたって務めたモデルのエリン・ヘザートンが、痩せていることを要求する業界のプレッシャーにより、薬物に頼っていた時期があったことを明らかにした。

エリンは先ごろ、世界で最もアイコニックなランジェリーブランドのひとつであるヴィクトリアズ・シークレットが、創業から約40年でアメリカの文化にどのような影響を与えたかについて考えるポッドキャスト番組『フォールン・エンジェル(Fallen Angel)』(意味:堕天使)に出演。

体重の増加によって仕事を失うことへの恐怖が、自身をいかに「薬物や注射の使用」に追いこんでいったかについて語った。

victoria's secret celebrates body by victoria
Jamie McCarthy//Getty Images

「状況が悪化し始めたのは、25歳になった頃だと思います」「ある時点から、(ダイエットのために)何をしても、同じような成果が得られなくなりました。少し体も大きくなってしまって」「今になって思えば、生物学的な体の仕組みにすぎなかったんです。18歳と25歳のときのサイズが、同じということはないですから」

エリンは、ヴィクトリアズ・シークレットから一定のイメージを維持するようにとの圧力をかけられていると感じていたそう。そしてある栄養士に助けを求めたところ、アンフェタミン(脳を興奮させる薬の中枢神経興奮剤)のような食欲抑制剤(フェンテルミン)と、ホルモン(HCG、妊娠初期に分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピン)注射を処方されたという(アメリカでは、登録栄養士には薬の処方が可能)。

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エリンはまた、後にセラピストにフェンテルミンの話をしたところ、「それは覚醒剤だ」と言われたと説明。当時の自身がどれほど必死だったかについて、10年がたった今になって振り返り、「感情的な自傷行為に走っていたと思います」と話している。

そして、業界やヴィクトリアズ・シークレットの関係者のなかに、彼女のウェルビーイング(心身ともに健康で幸福であること)に関心を持つ人がいたかという質問に対しては、「疑わしいです」と回答。「あの人たちが、本当に私自身のことを気にかけてくれていたとは思いません。すべてビジネスですから」と語った。

こうした苦しい体験から自身の体との関わり方を変えたエリンは現在、自らのプラットフォームを通じて、同じような経験をしているかもしれない人たちを助けようとしている。

彼女のインスタグラムには、「ボディ・コンフィデンス(どのような体形でも、そのままの自分に自信を持つこと)」に関する多くの情報と、93万人を超えるフォロワーたちにインスピレーションを与えるメッセージが投稿されている。

「病気や摂食障害にならずに、こうなりたいと思う体になれるはず。摂食障害は、自由を奪うんです。人生を奪うんです」。こう強調するエリンは、こうして自身の経験を明かすのは、それがどのようなものか、自分には「わかるから」だと述べている。

彼女の話を聞いて納得してくれるかもしれない人たち、自分自身に対する態度を変えてくれるかもしれない人たちのために、エリンは自身の経験について語るのだという。

『フォールン・エンジェル』で今後どのようなエピソードが語られるのかにも、注目が集まる。

From COSMOPOLITAN UK