10月のおすすめ映画は、"ミステリアスな女"がテーマ。ハイブランドをサラッと着こなすクールで頭脳明晰なロビイストを描いた『女神の見えざる手』、36歳の若さでこの世を去ったスキャンダラスなベストセラー作家を描く『ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で』など、注目の作品はこちら。謎や秘密を纏った女性たちにきっと引き込まれるはず。
『女神の見えざる手』
公開日/10月20日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
ハイブランドを身に纏う、クールで謎めいた女ロビイスト
ストーリー/最大手のロビー会社で働く、ロビイストのエース、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)。銃擁護派団体から、新たな銃規制法案を廃案に持ち込んでほしいと依頼されるが、信念に反する仕事はできないと拒否をするエリザベス。敵陣営である小さなロビー会社へと移籍し、銃規制法案を可決させるロビー活動に専念していく。新たなスタッフとともに奇策ともいえる戦略を進めていくが、巨大な権力を持つ銃擁護派団体や元会社も黙ってはいなかった。彼女の過去のスキャンダルが暴かれ、さらにはスタッフに危険が迫るなど、事態は良からぬ方に進んで…。
見どころポイント/日本では聞きなれない職業「ロビイスト」。政治家の心や世論、そしてマスコミも操作し、世界を変えるほどの政治的な決断に関与するプロフェッショナルな集団のこと。ただでさえ謎めいた職業だけれど、エリザベス・スローンはさらに謎。一流のブランド服に身を包み、頭の回転が早く、プライベートは一切なし。男性への欲望はお金で解決するなんて、あまりにもクールすぎ! ジェシカ・チャステインの見事な演技にクギづけになる♡
監督/ジョン・マッデン
キャスト/ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、ググ・バサ=ロー、ジョン・リスゴー ほか
製作国/フランス、アメリカ
製作年/2016年
配給/キノフィルムズ/木下グループ
『ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で』
公開日/10月21日よりYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
本当の自分は? 36歳でこの世を去ったネリーの実像を描く
ストーリー/高級エスコートガールだったネリー・アルカン(ミレーヌ・マッケイ)。自身の過去をモデルにした小説がフランスの編集者マチューの目に止まり、文壇デビューを飾る。男たちを虜にする妖艶なエスコートガール「シンシア」が描かれた作品に、シンシアがネリー自身なのか、どの部分が事実なのか…? 世間の興味が集中していく。いつしかネリーは人前に出る際、人々が彼女に望むキャラクター、セレブでセクシーアイコンの「マリリン」を演じるようになっていく。自らが生み出したいくつも分身たちに、本当の自分を蝕まれていって…。
見どころポイント/ネリー・アルカンは実在の人物で、フランス文壇に彗星の如く現れ、わずか36歳の若さで亡くなったベストセラー作家。本作は『ある夜のセックスのこと モントリオール、27時』のアンヌ・エモンが監督。ネリーの作品世界に惚れ込んだとあって、監督自らが2年の歳月をかけて脚本を完成させているのだとか。愛、孤独、性といった繊細な感情が緻密に描かれ、謎めいたネリーというひとりの女性に夢中になってしまう。
監督・脚本/アンヌ・エモン
キャスト/ミレーヌ・マッケイ、ミカエル・グアン、ミリア・コルベイ=ゴーブロー
製作国/カナダ、フランス
製作年/2016年
配給/パルコ
『アトミック・ブロンド』
公開日/10月20日(金)より全国ロードショー
凄腕女エージェントの迫力のバトルシーンに夢中!
ストーリー/1989年秋のベルリン。イギリスの諜報員が殺され、極秘のスパイ・リストが強奪される大事件が発生。凄腕の女性エージェントであるローレン(シャーリーズ・セロン)は、MI6からリストの奪回を命じられ単身現地に潜入するものの、ソ連が放った刺客に襲われ、さらには協力者であるはずの諜報員も不審な行動をとるのだった。それでもミッションを遂行しようと活動するローレンだったが、何者かの罠によって絶体絶命のピンチに陥ってしまう。果たして彼女を欺く黒幕は一体誰なのか、国際情勢を揺るがすほどのリストはどこへ消えたのか…。
見どころポイント/ミステリアスで美しい女エージェントなんて、同性でも惚れ惚れしてしまう♡ ローレンを演じるのは、徹底した役作りで知られるシャーリーズ・セロン。この作品のためにハードなトレーニングを行い撮影に挑んだのだとか。筋肉トレーニングやレスリングを1日4時間もしていたというから驚き。殺し屋たちとのバトルシーンは手に汗握るほどの迫力とスリリングさ、そしてセクシーな魅力も解き放って、一瞬足りとも目が離せない!
監督/デヴィッド・リーチ
キャスト/シャーリーズ・セロン、ジェームズ・マカヴォイ、エディ・マーサン、ジョン・グッドマン、トビー・ジョーンズ、ジェームズ・フォークナー、ソフィア・ブテラ、ビル・スカルスガルド、サム・ハーグレイブ、ティル・シュヴァイガー
製作国/アメリカ
製作年/2017年
配給/KADOKAWA
『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』
公開日/10月14日(土)より Bunkamura ル・シネマほか全国順次公開
近代建築の巨匠の裏には、謎の女デザイナーあり!?
ストーリー/1920年代。のちに近代建築の巨匠として名を馳せるル・コルビュジエ(ヴァンサン・ペレーズ)は、気鋭の家具デザイナーとして活躍していたアイリーン・グレイ(オーラ・ブラディ)と出会う。彼女は恋人である建築家兼評論家のジャン・バドヴィッチ(フランチェスコ・シャンナ)とコンビを組み、建築デビュー作である海辺のヴィラ<E.1027>を手掛けていた。それは、ル・コルビュジエが提唱してきた「近代建築の5原則」を具現化し、完成度の高い傑作でもあった。アイリーンに惹かれ絶賛をしていたル・コルビュジエだったが、その思いはいつしか嫉妬へと変貌して…。
見どころポイント/アイリーン・グレイという女性を知っていますか? ル・コルビュジエが生涯で唯一、その才能を羨んだと言われる女性なのだそう。彼女の別荘でモダニズム建築史上に残る傑作<E.1027>は長らくの間、ル・コルビュジエの作とされてきたけれど、実はアイリーンが手がけたもの。この話を知ると名だたる建築家と謎めいた女性デザイナーの関係がますます知りたくなってくるもの。2人の人生に美しく迫るこの作品、見逃さないで。
監督・脚本/メアリー・マクガキアン
キャスト/オーラ・ブラディ、ヴァンサン・ペレーズ、ドミニク・ピノン、アラニス・モリセット
製作国/ベルギー、アイルランド
製作年/2015年
配給/トランスフォーマー
『婚約者の友人』
公開日/10月21日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
モノクロとカラーで綴る極上のミステリー。謎の男を追う女
ストーリー/1919年、戦争の傷跡に苦しむドイツ。婚約者のフランツをフランスとの戦いで亡くしてしまったアンナ(パウラ・ベーア)もまた、悲しみの日々を送っていた。そんなある日、フランツの墓を訪れると見知らぬ男が泣いているのだ。話を聞けば、男はアドリアン(ピエール・ニネ)という名で、戦前にパリでフランツと知り合ったという。アンナは彼とフランツの友情に感動し心癒されるのだったが、彼女がアドリアンに"婚約者の友人"以上の思いを抱いたとき、アドリアン自ら"正体"を告白する。しかしそれは、謎の幕開けに過ぎなかった…。
見どころポイント/『スイミング・プール』のフランソワ・オゾン監督が贈る、上質でエレガントなミステリーがついに日本でも公開。ヒロインを演じるのは、オーディションで選ばれたパウラ・ベーア。本作でヴェネチア国際映画祭新人俳優賞に輝くほどの実力で、その演技力に引き込まれていく。多くの謎を残したまま姿を消してしまったアドリアン。彼を探すためにフランスへと旅立ち、ひとつひとつ嘘と謎を見破っていくアンナから目が離せない!
監督・脚本/フランソワ・オゾン
キャスト/ピエール・ニネ、パウラ・ベーア
製作国/フランス、ドイツ
製作年/2016年
配給/ロングライド