「子宮外妊娠」という言葉を耳にしたことはあるけれど、「詳しくは分からない」「どんな症状なのか知らない」という人も多いはず。

コスモポリタン イギリス版が産婦人科専門医であるIVIクリニックのサンタマリア医師に取材し、「子宮外妊娠」について解説。原因や症状について、基礎知識を分かりやすく説明しているので、万が一に備えて知っておくと役立つかも。

1.「子宮外妊娠」とは、文字通り子宮の外側に妊娠してしまうこと

「子宮外妊娠(異所性妊娠)」とは本来着床すべき子宮腔の内側ではなく、外側に着床して妊娠することを指し、母子共にさまざまな影響を受けるそう。サンタマリア医師は「子宮外妊娠の場合、そのほとんどが卵管で発生しますが、卵巣や腹腔、または子宮内であっても子宮頸部や子宮壁に着床することによって発生することもあります」と解説。

2.決して珍しくない症状なので、怖がらずに適切な対処を

NHS(英国国営医療サービス)によると妊娠全体数の180190の確率で発生するのだとか。しかし初期症状が、腹痛など他の体調不良でもよく見られる症状なこともあり、発症に気づかない女性も多いのだそう。

3.自分では発症に気づかないことがある

イギリスのリアリティTVタレントであるシャーロット・クロスビーは子宮外妊娠による流産を告白。彼女は子宮外妊娠の初期症状を生理痛による不快感"だと思っていたそう。

4.経験したことのない種類の痛みを感じる場合も

「生理がなくなるなどの妊娠による典型的な症状だけでなく、子宮外妊娠の場合は腹痛や膣からの出血、肩の痛み(腕から肩にかけて痛みが走るなど、通常の肩痛とは異なるパターン)といった症状がみられる場合があります」とサンタマリア医師。こういった症状は妊娠412週に現れることが多いとのこと。

5.過去にかかった感染症や炎症が原因の可能性も

子宮外妊娠を発症する原因は不明な場合も多いそう。しかし過去にかかった感染症や炎症などの"よくある病気"が原因で起こる"卵管の運動機能不全"によって発症することも多いと、専門家は指摘しているのだとか。

6.ホルモンが原因の場合も

サンタマリア医師によると「子宮内膜症、ホルモンバランスの乱れ、腹部の手術などが子宮外妊娠の原因になることも」。

7.子宮外妊娠の場合、妊娠継続&出産は不可能

子宮外妊娠の場合、その妊娠による出産は残念ながら不可能だけど、自然に胎児が流産したり組織に吸収されたりする場合があるので、病院での慎重な経過観察が必要なのだとか。

8.手術が必要な場合も

子宮外妊娠の治療は手術だけでなく、「メトトレキサート」(抗がん剤の1種。妊娠組織を消失させる)による薬物治療も一般的なのだとか。しかし薬物治療の効果がなく妊娠が継続したり、卵管破裂による出血が発生した場合は、手術となる可能性も。「こういったケースは生命の危険につながることもあるため、すぐに手術での摘出が必要」とサンタマリア医師。

9.次の妊娠に影響がない場合も

「妊娠初期で子宮外妊娠に気づき、手術以外の方法で治療した場合の多くは、後の妊娠に影響しないことが多いです。しかし卵管異常が子宮外妊娠の原因の場合は、次の妊娠に影響することも」とサンタマリア医師は指摘。

10.子宮外妊娠の発生部位によって、治療難易度が異なる

サンタマリア医師は「子宮外妊娠の手術による治療は、通常の場合原因となった卵管や卵巣を摘出するものです。しかし稀にですが、子宮内の子宮頸部や子宮壁への着床が原因で子宮摘出をする場合は、以後の妊娠は不可能になります」と説明。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN US