自分の人生は、自分でしか生きられないし、どう楽しんでいけるかは、毎日の選択と気持ち次第。どんな生き方だって、自分で選んできている人は、いつだって魅力的に見えるし、自然と心惹かれるもの。コスモポリタン日本版では、人生を謳歌しているさまざまな女性の生き方を紹介していきます。

【私の生き方】好きを仕事にすることで潜在能力が200%発揮する

Francesca Dell'Oro(フランチェスカ・デローロ)」クリエイティブディレクター フランチェスカ・デローロさん

イタリアを拠点にニッチ香水(香料や芸術性にこだわって創られた香水)ブランド「Francesca dell'oro」を創設し、クリエイティブ・ディレクターとして創作活動をするフランチェスカ・デローロさん。毎日がインスピレーションとアイデアでいっぱい! という彼女の躍動的な生き方に迫りました。

―香水ブランドを創作したきっかけは?

"香りが好きだった母の影響で、香水の仕事をしたいとずっと思っていた"

母が植物などの香りが好きな女性で、彼女と一緒にいることで香りの世界に興味を持つようになりました。学生時代も、趣味で香水を創っていて、いつか香水に関わる仕事をしたいという潜在的意識というか本能のようなものはずっとありましたね。

しかし、ファッションにも興味があったので、その後はミラノの大学でPRマーケティングを勉強し、いくつかのファッションブランドでインターンシップの経験を積んだ後、自分のブティックを開きました。そのブティックの片隅で、旅をしたときに外国で見つけてきたレアな香水を販売するコーナーを設置したんです。再び香水の世界を深く知りたいと思うようになり、香りについて勉強ができる教育機関を調べ、香水に関するレッスンを受講しはじめました。その後、自分の香水ブランドを創設しようと思ってから、実現するまでは6年くらいかかりましたね。今でも、香りに関する講座に通って勉強を続けています。私にとって、1つのことを継続して学び続けることは、日常生活で好奇心や「気付き」が増して、新しいアイデアを思いつくきっかけになるんです。

―自身の香水ブランドを創設したときに、必要だったことは?

自分の信じた道は「やり遂げる!」という強い決意と、周囲の人の応援
【私の生き方】好きを仕事にすることで潜在能力が200%発揮するpinterest

夢を実現するには、年齢、時期、運のタイミングが重要だと感じました。でも、強いモチベーションや情熱さえあれば、遅くても早くても、なりたいモノには必ず近づけます! 私は2つのことに恵まれていました。1つ目は、自分の信じた道を「やり抜く!」という決心が人一倍強い自分の性格。2つ目は安心感を与えてくれる夫、家族、友だちなどの支えがあったことです。そして正直なところ、この仕事を始めるにはお金もたくさん必要でした。クレイジーな発想を大切にしながらも、頭の片隅では夢を実現する現実的な計画をたてるのも重要だと思います。

―とても楽しそうに仕事をされている姿が印象的ですが、その秘訣を教えてください。

仕事ではなく、自分のプロジェクトとして捉えることで、リミットがなくなり潜在能力が発揮される

「情熱」を重視して仕事をしています。そうすると、自分の中にある潜在能力が発揮されて、仕事という観念ではなく、自分のプロジェクトを成し遂げることが楽しくて仕方なくなるんです。例えば、新作を定期的に出さないといけないとプレッシャーをかけず、自分が突き動かされるような創作欲が生まれたときのみ、新しい香水を創作しています。1つの香水を創るのは、試作の連続でかなりの忍耐力が必要だからこそ、純粋な感情でないとできません。自分自身の中に、こんなに忍耐があったんだ、と毎回驚くほどです(笑)

また、創作することを通して、日常の中の「美しい瞬間」を敏感に感じるようになりました。周囲の小さなことへの「気付き」を意識していたら、感受性が豊かになって、アイデアもたくさん生まれてきます。些細なことなんですが、例えば、ノートに何かを書いているとき、紙の匂い、ペンの動く音、ボールペンのインクのにじみ、手を動かして疲れる感覚など、少しアナログな行動のなかに、心をドキドキさせてくれる要素が溢れているんです!

そして、1番大切にしていることは、同じ努力をずっと続けていくこと。初めに抱いていたプランがクオリティが下がることなく現実化できているか、その都度思い返して確認をしています。

―とても躍動的ですが、その原動力の源は?

異文化で1年間過ごした経験が、人生の礎になっている
【私の生き方】好きを仕事にすることで潜在能力が200%発揮する

20代のときに、ロンドンのホテルで1年間働いていました。ミラノでの生活からリフレッシュしたく、違う雰囲気の都市に行きたかったんです。初めて外国で過ごした経験は、私を大きく変えてくれました。イタリアとは全く違う気候、街の雰囲気、人々の考え方の中に身を置いてみて「私は、違う文化や人からの刺激が必要な人間だ」ということを確信しました。たったの1年間でしたが、この経験はずっと私の礎として、今でも私を支えてくれています。その後イタリアに戻って、20代後半で結婚し、今は息子ができてと、生活は変わりましたが、向上し続けないと落ち着かない性質なのは変わっていません。

―好きなことを仕事にしたい、と思っている人たちにメッセージをお願いします。

完璧に準備ができるまで待つのではなく、今すぐにでも飛びこんで!

自分自身が純粋に好きで一生懸命向き合える道があれば、完璧に準備ができるまで待つのではなく、今すぐにでも飛びこんでください! 人生でどんなことをしてみたいか、ということはぼんやりとでも見えているはずです。その道を歩む中で、方向性が変わることもあると思いますが、モチベーションを保ち続けるための明確なゴールが必要です。

そして、私の場合はもともとの性格が、ゴールにたどり着くことを楽しめるタイプだったので良かったのだと思います。まずは、自分の長所を見直してみてくださいね。そして、どんなときでも仕事の手は抜かない一貫性と、自分が仕事にどのように臨むかというプロ意識が、その後の人生で、大きなご褒美となって返ってくると思います!


「本当に情熱のある道に進むと、自分の中で眠っている能力が無意識に200%発揮される!」というフランチェスカさん。趣味など自分の好きなことを一歩ずつ深めていくことが、いつまでもポジティブな生き方でいることに繋がっていくのかもしれません。

【フランチェスカさんから学んだ毎日をイキイキと過ごすヒント】

・周囲の物事を敏感に意識すると、感受性が豊かになる

・本当に好きなことを仕事にすると、自分の中の能力が最大限に発揮される

・仕事と捉えず、自分のプロジェクトと考えることで、リミットなく働くことができる