【私の生き方】「イスラム教徒のデート事情」を綴った小説家の生き方

​ロンドンでイスラム教徒の自分らしく生きる女性が感じていることとは…?

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自分の人生は、自分でしか生きられないし、どう楽しんでいけるかは、毎日の選択と気持ち次第。どんな生き方だって、自分で選んできている人は、いつだって魅力的に見えるし、自然と心惹かれるもの。コスモポリタン日本版では、人生を謳歌しているさまざまな女性の生き方を紹介していきます。

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作家 アイシャ・マリックさん

ロンドンに住むイスラム教徒の女子のデート事情を、日記のように綴った小説「Sofia Khan is NOT Obliged」をヨーロッパの現地誌でも取り上げられ話題になった作家のアイシャ・マリックさん。自身もイスラム教徒としてロンドンで生活している中で感じること、また、専業作家としての生き方について迫りました。

―どのような経緯で、作家になったのですか。

"自分が人生で1番したい、本を書くということを優先して、キャリアを築いてきた"

文章を書くことが昔から大好きで、はじめは、出版業界を知りたいと思い、ロンドンの大手出版社のPenguin Booksで広報部アシスタントとして2年間働いていたの。だけど、フルタイムで働きながら、本当の目的である文章を書き続けることは、とても難しかった。それで、作家のコンサルタントをする会社で、自分の時間がもてるアルバイトとして5年半働きながら、時間を見つけては本を書いていたわ。そして、今は専業作家として、執筆活動に専念しているの。

―なぜ、「イスラム教徒の女性の恋愛事情」を書こうと…?

"ロンドンで生活するイスラム教徒の女性の恋愛事情を通して、イスラムとヨーロッパの文化の共存を描きたかったの"

以前は、特にこれ!というものはなく、ただ、書くこと自体が好きだったんだけど、それだけでは、5年経っても、なかなか1冊になるページ数にたどり着かなかった。そこで、「自分がどんなことに情熱があって、何を心から伝えたいか」について考え直したの。そこで、「ロンドンに住むイスラム女性のデート事情」はイスラムとヨーロッパの2つの文化が交わるところがおもしろいし、恋愛だけじゃなく、語りたいことがたくさんある、と思ってテーマに据えたの。それに30歳前後で、恋に奮闘している私の友人とのガールズトークをベースにしたおもしろい話題がたくさんあったから。これがきっかけになって、今回出版した本を書き始めたの。

―本を書くというのは、難しい作業だと思いますが、執筆はスムーズに進みましたか?

人生の中で、最も苦労したことの1つだと思うわ! パソコンの前で、何も書けないときもあったけど、それでも毎日書く時間を設けて続けることが大切。そうすると、アイデアが急に沸いたり、書いている文章と自分の気持ちが調和したり、書き続けないと出会えない嬉しくなる瞬間が来るから。

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本を書き終えても、編集して、出版社に会って、読んだ人の感想を聞いて…と、すべてのステップが、大変なことの連続。

書き終えるまでに約2年かかったけど、疲れが溜まると2~3週間休みをとるようにしていたの。息抜きをすることは、良い仕事をするのに必要だと感じたわ! でも苦労の甲斐あってか、今回の本は今までで1番良い出来になったの。

―ロンドンに住むイスラム女性を描くことで、何か社会へ伝えたいことはありましたか。

"イスラム教の伝統的な面と、感情を持って生活を送る女の子の生活を織り交ぜて語りたかった"

テレビで流れているテロなどの、ネガティブなイスラム教のイメージを変えたかった。イメージを変えるために、1日5回お祈りするといったイスラム教の伝統的な習慣の面 と、恋や友だち、仕事など、たくさんの感情を持って生活を送る普通の女の子の生活を、織り交ぜて語りたかったの。

本を読むことで、登場人物に共感することができるけど、特にそれが異文化の内容だと、本は文化の橋渡しの役割になると思う。例えば、私が日本が舞台の小説を読むと、日本人や日本文化に対して親身になることができるわ。

結局、出身国、宗教、性別で判断されるべきものでなく、どういう人か、ということで考慮されるべきだと思うんだけど、それを伝えたかったの。

―ロンドンに住むイスラム教徒の女性として、日常で感じることはありますか?

私の両親はパキスタンからの移民なんだけど、ロンドンは、世界中でも珍しい、本当の意味での多文化な街だと思う。地下鉄でロック・スターのような格好をしてる人がいたって不思議ではないくらい(笑)、みんなが、自分らしく生きれる場所だわ。

おかしなことに、私にとって、イスラム教の教えに忠実で生きることができる場所は、敬虔なイスラム教の国より、ロンドンなの。とあるイスラム教の国では、その国に生まれたことで、信仰の自由はなく、イスラム教を信仰しなければいけないところもある。だけど、それは本当のイスラムの教えではないと思うの。自由に信仰を選べて、暖かく、誠実な心で、人に親切にする、いうことがイスラム教の教えなんだけど、私にとっては、ロンドンが、そういう心を持って生活を送れるところなの。1つの場所に、こんなにたくさんの人種がいて、みんなが自分らしく生きれる場所って、本当に素晴らしいと思う!

―イスラム教徒のデートと、欧米人のデートの違いを教えてください。

イスラム教徒のデートについて、よく説明に使うのは「18世紀のデート」という言葉。セックスは結婚前にはしない、お酒は飲まないなど色々と決まりがあるけど、ロンドンで育ったイスラム教徒は特に、欧米の映画やテレビを見て育っているから、この2つの文化の間で、恋愛観のバランスを取るのが難しいの。

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あとは、カップルの間での「時間」が省略されることが大きいと思うわ。欧米だと、「長期間の付き合い」が主流だけど、イスラム教徒のデートの場合の多くは、初めから「結婚」を考えているから、付き合ってから6カ月程度で結婚するということも、よく起こること。だから、初デートから「この人が将来の結婚相手候補」という考えのプレッシャーもあるの。

―イスラム教を信仰しながら、デートの本を書かれたのは革新的だと思いますが、家族や知人からの目は気になりませんでしたか?

"周りの目を気にすると、先に進めないから、気にしないようにしたわ!"

私の場合は、イスラム教の家族や親戚との関係だけが生活ではなく、ロンドンの社会の中で生きてるので、目が気にになるということはなかったわ。真実を書いてるわけだし、デートを語る本で、セックスなどの話は避けて通れないもの。家族や親戚が読むことを考えて、「これは言っていいかしら」「書いたら問題になりそう」…と、周りの目を気にしだすと先に進めないから、気にしないようにしたの。

―本を書いた後の反応は?

イスラム教徒からは、自発的で明るい女性の主人公を描いたことに、みんな好印象を抱いてくれているわ。欧米人の読者のなかには、以前はイスラム教に対してニュースなどで見るネガティブな印象を持っていた人もいるけど、イスラム教の文化を知りながら、楽しんで読めた!という声が多い。私にとっても、そういった反響が次の作品への原動力になっているの!

―私生活では、モロッコ、モンゴル、ウガンダなどでボランティアの経験もあるそうですね。

"電気も水もない生活では、都会での複雑な悩みがデトックスされるの!"

本を書いていると、パソコンと向かい合って、自分の世界の中に入ってしまいがちだから、時々立ち止まって、違う文化の中に自分を飛び込ませるようにしていたの。だから、私の場合、ボランティアというよりも、自分のためだったわ!

初めは、モンゴルの小さな村の農場で、世界中から集まったボランティア参加者達と、2週間、畑仕事をしていたの。人生の中でも最高の経験だった!

電気も水道水もない田舎で、テントを張ってみんなで寝ていたんだけど、夜中に起きてトイレに行こうと思うと、真っ暗な闇の中、寝ている牛を踏んで怒らせたことも…(笑)

毎日考えることは「どうやって今日はシャワーを浴びよう」「どうすれば洗濯ができるだろう」という、生きる上での基本的なことばかりだったから、都会での生活でごちゃごちゃになっていた考えがデトックスできたわ! また、世界中から来た他のボランティアたちも、自分の人生を生きようとしていて、みんなで何もない田舎で生活するのは、幸せな時間だった。太陽の下で10時間読書したり、真っ暗なキッチンでみんなで語り明かしたり、本当に楽しかった。

一方、ウガンダでは学校で英語を教えていたんだけど、美しい国で感動したわ。緑がいっぱいで風景も美しく、人もとっても親切!

こういうシンプルな環境での見知らぬ人達との共同生活は、社会での地位や、出身国などは関係なく、結局、「みんなで助け合う」ということが人生において大切と教えてもらったから、とても自分のためになったわ。

今は、「書くこと」に集中する時だと思うから、今回の作品の2~3作品目を書いているの。毎日書き続けて、おもしろい作品を作っていきたいわ!


自身が人生で1番したいことに意欲的に取り組み、人との出会いや幸せな時間を過ごすことを大切にしているアイシャさん。周りの目を気にせず、自分の思いを大切にして伝えること、前進できることが、彼女の人生をより豊かにしているように感じました。

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