自分の人生は、自分でしか生きられないし、どう楽しんでいけるかは、毎日の選択と気持ち次第。どんな生き方だって、自分で選んできている人は、いつだって魅力的に見えるし、自然と心惹かれるもの。コスモポリタン日本版では、人生を謳歌しているさまざまな女性の生き方を紹介していきます。

ちゃんみな ラッパー/シンガー

日本語、韓国語、英語が堪能なトリリンガルラッパー/シンガーのちゃんみな。幼少よりピアノやバレエ、ダンス、歌を始め、高校2年生のときに制作した楽曲で一気に注目を集めると、今の時代を生きる苦悩やまっすぐな気持ちを表現した歌詞がミレニアル世代に愛される存在に。

実は彼女、今年10月に20歳を迎えたばかり。作詞作曲だけでなくトラック制作、ダンスの振り付けなどセルフプロデュースで行うなどアーティストとしての進化を続ける中、メディア出演時にも垣間見られるパワフルで前向き、包み隠さないその素のキャラクターに惹きつけられる人も多いはず。そのパワーの源はどこにあるのか――素顔に迫ります。

――音楽を始めたきっかけは?

1歳半の頃、テレビを見ていて、お母さんに「歌手になっていい?」って聞いたのが始まりです。そこからピアノを習い、小学校2年でヒップホップダンスを習い、ずーっと続いています。音楽で生きていこうという気持ちは一度もブレていません。

――ご自身にとってのアイドルは誰ですか?

小学校の時はBIGBANGにハマっていました。誰か推しとかじゃなく、楽曲が好きで。「こういうのがやりたい!」と確信したのは『HARU HARU』という曲です。アメリカでは、アヴリル・ラヴィーンやブリトニー・スピアーズとかが好きでした。

――曲づくりはどんなふうに?

恋愛を含めて全部、自分が経験したことを曲にしています。女性の場合、恋愛が仕事の邪魔になる人もいるかもしれませんが、アーティストの場合はどんな恋愛でも創作のネタになりますから。

――恋愛はどんなタイプですか? 一目惚れして自分から、みたいなタイプに見えますが。

一目惚れは全然しないんです。イケメンは中身がつまらないと感じることが多くて、カッコイイと思ってもそこから進展しなくて。ほとんどが友達から恋人というパターンですね。全然意識していなかった普通の友達が、何かの瞬間に、心配してくれたり気にかけてくれたりしているのに気づくと、「私のことを友達以上に思っているのかな」なんて気になり始めて。自分から狙いを定めて…というタイプではないですね。

――ご自身の恋愛から生まれた曲にはどんなものがありますか?

「Best Boy Friend」という曲ですね。お互いに好きなのに友達のように振舞うふたりに、正直になっちゃいなよ、っていう。その時は相手が結構シャイなタイプだったので、「友達やめようよ」と、私から言いました。男の子がシャイなのって、ほんとに困りますよね。

ちゃんみなpinterest
Cédric Diradourian

――辛い時に支えになるものは恋愛ですか?

恋愛がダメになっても、仕事で成功したら、きっともっといい恋愛が待ってるから

恋愛と仕事。でもどちらがより大事か?と聞かれれば仕事です。もしその時の恋愛がダメになっても、仕事で成功したら、きっともっといい恋愛が待ってるから。恋愛は人生に必須だけど、常に誰かを好きでいないといられない、というワケじゃないし。何よりも音楽で生きていくことが大事なので、それが上手くいなかくなるような恋愛はちょっと――とか言いながら、恋愛をすると相手のわがままをつい聞いちゃうタイプなんですよ(笑)。仕事に遅刻させたがる男っているじゃないですか、まだ行かなくていいじゃん、とか言って。そういう男をなかなか振り切れない(笑)。でも相手があんまり調子に乗り始めると、普通にキレます。いいかげんにして、私忙しいんだから、って。

――メジャーデビュー以前はどういう活動してらっしゃったんですか

自分で曲を作って、レコーディングして、ミュージックビデオ撮って、ネットにアップして。路上ライブしたり、お金を払っていろんなライブに出させてもらったり、オーディションを受けたり。なんか自信だけはあったんですよね、「絶対に歌手になれる」っていう

――そういう自信を持てる理由は何だと思いますか?

なんでしょうね。でも、私は両親が40歳近くになって初めて生まれた一人っ子で、すごく愛されて育ったというのはあるかもしれません。「どの女性もみんな美しいんだよ」とずっと言われてきたし、私もそう信じています。どんな見た目の人でも、可愛くて、美しくて、すごい!という部分は絶対にあります。

――素敵なご両親ですね。

古い考えを持った世代でめっちゃ厳しかったんですが、両親のことは大好きでしたね。すごく変な話ですが、小さい頃は「パパとママが死んじゃったらどうしよう」っていつも思っていたんです――今も全然生きているんですが(笑)。子供の頃に学校でいじめにあっていた時も、両親には言いませんでした。心配をかけたくなくて。

――辛くなかったですか?

「これが一生続く」と思ったら、たぶん言ってたと思う。すぐ終わると思っていたし、いじめられている時でも、晩御飯が美味しければ「幸せ」と思えていましたし。いじめる理由がない人になってやる!という気持ちもあって、音楽活動をする上ですごく力になっていたと思います。

――ご自身をプロデュースする上で、大事にしていることは何ですか?


何かを守りたいと思っていたら、戦うことなんてできない

常に裸でいることです。何かを守りたいと思っていたら、戦うことなんてできない。いいプライドは持っていたいけれど、戦っていく上で邪魔になるようなものは、いつでも捨てられます。

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Cédric Diradourian

――メジャーデビューのきっかけは?

当時は韓国と日本を行き来していたんですが、韓国で音楽活動をしていくつもりだったんです。でも韓国はラッパーも多いし、二番煎じにみられちゃうかもしれない、私はものまねをしたいわけじゃないとも思っていて。普段の自分なら、韓国!と決めたらすぐに行ったはずなんですが、その時はなんとなく「一回考えよう」と。そうするうちに日本でやろうという気持ちになってきたんです。それで手始めに「高校生ラップ選手権」というイベントに出ました。それまでフリースタイル(即興)のラップを日本語でやったことがなかったので、挑戦してみようと。

絶対無理!と思うようなことに挑戦することでしか、自分の可能性って広がらない

韓国でのデビューを捨てて日本でというのは、私としてはすべてを捨てて、というくらいのすごい一大決心でした。日本の音楽については全然知らなかったし、すごく怖かった。でも、絶対無理!と思うようなことに挑戦することでしか、自分の可能性って広がらないじゃないですか。この年齢ならどんだけ失敗してもやり直しがきくし、

――実際に日本でデビューしてみていかがですか?

韓国だと、アーティストが作詞作曲もできて、歌って踊れて、ラップもできてが当たり前なんですが、日本だとそういう人ってあんまりいないんですよね。だから韓国を目指してやっていたことが強みになっているし、自信にもつながっています。でも「日本で簡単にイケる」と思ったことは一度もありません。大変だけど全力で走ってみようと思っています。

――自作の歌詞は、恋愛を含めて実体験をつづったものですが、それを通じて伝えたいものは何でしょうか?

韓国語では「정신이 들어가 있다(ジョンシンイドゥロガイッタ)」という言い方をするんですが、私が自分の体験で感じたことや得たことが曲の魂となって感じてもらえたら嬉しいですね。新曲『PAIN IS BEAUTY』では「戦ってみせて」という言葉が、特にファンに届くといいなと思っているんです。私と同世代の若い子たちって「どうせできない」と思って戦うことを諦めてしまう人が多い気がして、すごく悲しい。だって時代とか歴史って若い子たちが作っていくものなんだから。「出る杭」を打ちすぎる世の中もよくないけれど、「打たれないように…」と生きるのではなく、打たれることを恐れないでほしいなとも思うんですよね。

――ファンからもらう力はどんなものでしょうか?

それはもう馬鹿デカいです。一度「あなたは私のパワースポットです」って言ってもらったことがあるんですが、私の存在で元気になり、喜んでくれている人がいるってことが幸せ過ぎて。デビューしたばかりの頃は批判的なことを言われることも多くて、応援の声を素直に受け取ることができなかった。町で声をかけられても「別に私のこと本当に好きなわけじゃなくて、ただ顔を知ってるだけでしょ」って思っちゃってたんです。でもワンマンライブを重ねて、みんなとひとつになる時間がどんどん増えていくうちに、愛されているんだなと実感するようになって――思い出しただけで幸せで泣きそうになるくらい。

――愛されていることって、なかなか気づけないものなんですよね。

だから気づいて欲しいんです、愛されていることに。そして自分を愛してほしい。誰だって美しさを持ってることに気づいてほしいし、それをみんなに伝えたい。この4月にアメリカで見た『アイ・フィール・プリティ』っていう映画が12月に日本でも公開されるんですが、ものすごく感動しました。「自分はきれい」と信じることで女の子がどれだけ強くなれるかが描かれている映画で、全女子に絶対に見てほしい。私が言いたいことって、本当にそういうことなんです。

最新曲『PAIN IS BEAUTY』

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ちゃんみな - PAIN IS BEAUTY (Official Music Video)
ちゃんみな - PAIN IS BEAUTY (Official Music Video) thumnail
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