結婚式からわずか2日後に、臓器移植を必要とする夫の元妻に腎臓を提供する――そんな勇気ある決断をしたある女性について、<Denver7>や<Good Morning America>などの現地メディアが報じています。

彼女の名は、デビー・ニール=ストリックランドさん(56歳)。昨年11月、米フロリダ州にて、10年にわたり交際してきたジム・メルテさんと、めでたく結婚式を挙げました。

facebookView full post on Facebook
▲ジムさんとデビーさん。

ジムさんは20年ほど前に、元妻のミレインさん(59歳)と離婚しましたが、2人の間には息子と娘がおり、離婚後も協力しながら子供を育ててきたそうです。しかしミレインさんは30年以上前から腎臓病を患っており、ここ3年で病状が急速に悪化していました。

そして、昨年にはついに、移植手術を受けなければ命が危うい状況に…。最初はミレインさんの兄弟や息子がドナーとして手を挙げましたが、残念ながら条件が合致せず、唯一適合した娘のサマンサさんは出産を控えていたため、臓器提供はできないという結果になったのです。

▲ミレインさんと2人の子供たち。

こうした状況を受け、デビーさんが臓器提供を申し出たところ、見事に条件が合致し、彼女はドナーになる決意を固めることに。

サマンサさんが妊娠中だった赤ちゃんは、ジムさんとミレインさんにとって初の孫。すでに2人の孫を持つデビーさんには、次のような想いがあったそう。

「ミレインは夫の子供たちの母親ですし、彼らは初孫を迎えようとしていました。そんな大事なときには、家族みんなが揃っていないと。私はジムをとても愛しているので、(祖父母になる喜びを)ミレインと一緒に味わってほしかったのです」

また、デビーさんにはドナーになるもう1つの理由がありました。彼女には、肺の移植手術が間に合わず身内を亡くした経験があり、自分の腎臓がミレインさんに適合すると知ったとき、「これは神の思し召しだ」と感じたそうです。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Man’s New Bride Donates Her Kidney to His Ex-Wife
Man’s New Bride Donates Her Kidney to His Ex-Wife thumnail
Watch onWatch on YouTube

数カ月にわたる検査をクリアし、手術日はジムさんとデビーさんの結婚式の2日後に設定されました。デビーさんは当初、式を延期することを考えましたが、周囲の後押しもあり、予定通り決行することに。

そしてウェディングドレスを着た48時間後、今度は患者用のガウンを着て、病院で移植手術に臨んだのです。

ミレインさんの術後の回復は順調で、半年が経過した今「新しく生まれ変わったみたい!」とのこと。また、念願だった孫も抱くことができました。

ミレインさんはデビーさんへの感謝の気持ちを、このように語っています。

「彼女は命の恩人です。私はずっとおばあちゃんになる日を夢見てきたし、その際には孫たちの傍に居たいと願っていました。デビーのおかげで、その願いが叶ったのです」

元々良好な関係だったデビーさんとミレインさんですが、この手術を通じて絆がぐっと深まり、今ではお互いを「Kidney sisters(腎臓で繋がった姉妹)」と呼んでいるそう。また、子供や孫を交えた、家族ぐるみの交流も続いているとのこと。

結婚や離婚という垣根を超え、愛と思いやりで結ばれた大家族――どうか彼らに、今後もたくさんの幸せが訪れますように。