207cmという高身長を武器に、ブラジルでモデルとして活動しているエリザーネ・シルバさん(26歳)。現在は愛する夫と息子と共に幸せな毎日を送っていますが、子供時代は身長のせいで周囲からいじめられ、つらい日々を過ごしてきたそうです。

そんな彼女がありのままの自分を受け入れ、前を向けるようになるまでの道のりを、<METRO>などが報じています。

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家族の中で最も背が高くなり…

1995年生まれのエリザーネさんが、自分に違和感を覚えはじめたのは10歳の頃。当時すでに身長は175cmに達しており、クラスの中だけでなく、家族の中でも突出して背が高かったのだとか。

「幼くして、家族の中で最も背が高いというのは、とてもショックなことでした」と、当時を振り返るエリザーネさん。

両親はごく平均的な身長のため、遺伝とは考えづらい――。理由がわからないまま背は急速に伸び続け、やがて彼女は激しい骨の痛みや頭痛に襲われるように。心配した家族と共に病院を訪れるも、原因究明のためには定期的な検査が必要と言われ、家族にはその費用が捻出できなかったので、断念せざるを得なかったそう。

▲ 母親のアナ・マリア・ラモスさんと。

巨人症であることが明らかに

悩み続けるエリザーネさんに、ようやく希望の光が見えたのは、2010年のこと。彼女の話を聞きつけたブラジルの国営放送が、「番組に出演してくれたら、検査費用を局側が負担する」と提案してきたのです。

そして検査を受けた結果、エリザーネさんの脳下垂体には良性の腫瘍があり、それによって成長ホルモンが過剰分泌される、“巨人症”と呼ばれる病気であることが明らかに。

「テレビに出演するのは恥ずかしかったけれど、やっと原因がわかり、(適切な治療によって)痛みが消えたのは何より喜ばしいことでした」

私生活での苦悩

しかし、私生活ではその後も苦難が続きました。学校では長年、周囲の生徒たちから身長のことでからかわれ、やがて心のバランスを崩した彼女は家に閉じこもるようになり、ついには学校を辞めるという決断に至ります。

「勉強を続けたかったので、(学校を辞めるのは)人生で最もつらい選択でした。でも、あの環境下では、もう身が持たないと思ったんです」

当時、エリザーネさんは17歳。両親は学校を辞めることを反対しませんでしたが、その後の人生をどう生きるべきか分からなくなってしまったのだとか。

運命の人との出会い

そんな彼女に、ある日大きな転機が訪れます。2011年、現在の夫であるフランシナルド・カルヴァーリョさん(31歳)と出会い、瞬時に恋に落ちたのです。

フランシナルドさんの身長は163cmで、エリザーネさんとの身長差は実に44cm! でも、そのことはお互い全く気にしていないそう。

「彼に出会った瞬間、ビビっとくるものを感じました。身長なんて気にも留めませんでしたね。彼の方は、私の身長や病気について興味を持ったみたいですが、意地悪なことを言ったり、見た目で私を判断するようなことはしませんでした。だから、すぐに彼を好きになったんです。私を人間として扱ってくれた、初めての人でしたから」

こうして2人は、2015年に結婚。その後、息子のアンジェロ君(3歳)も誕生しました。長年身長のことで悩み、傷ついてきたエリザーネさんですが、家族を持ったことで、少しずつ“ありのままの自分”を愛せるようになったそうです。

「自分の身長が、個性的だと思えるようになりました。私のような人間は周りにいないから、むしろ特別なんじゃないかって」

現在、妻として、母として、また、成功を夢見るモデルとして、充実した日々を送っているエリザーネさん。コンプレックスを武器に変え、力強く生きる彼女は、最後にこんなメッセージを送っています。

「誰かの悪意ある言葉に、あなたの人生を邪魔させないようにしましょう。あなたの見た目や愛する対象は、彼らがジャッジするものではありません。自分自身に忠実でいれば、幸せに生きることができますよ」