さまざまな議論を呼んだ4年間の任期中、史上初めて2回弾劾された大統領となり、ツイッターの使用を禁じられ、連邦議会議事堂で起きた暴動を扇動したと非難されたドナルド・トランプ前大統領。ここへきて、新たなニュースが伝えられている。

『CNN』によれば、トランプ氏はホワイトハウスを離れる前に、メラニア夫人とともにひそかに新型コロナウイルスのワクチンを接種していたという。もちろん、この事実についても、これが今まで報じられていなかったことについても、誰もが大喜びしているわけでない。

前大統領は任期中、新型コロナウイルス感染症問題の重大さを小さく見せかけようとし、そのことで繰り返し批判されてきた。家庭用の漂白剤が治療に使えないか調べるよう科学者たちに提案し、その直後に自ら感染して入院するという言動でも知られている。

トランプ前大統領は2月28日(現地時間)、フロリダ州で行われた「保守政治行動会議(CPAC)」に出席。4年後の大統領選に出馬する可能性があることをほのめかすとともに、「注射はまったく痛くない」「だからみんな、接種を受けた方がいいぞ!」などと発言。ワクチン接種について、以前とは明らかに異なる態度を見せていた。

前大統領は任期中、ソーシャルディスタンスを取ることやマスクを着用することを奨励するための十分な対策を講じなかったことでも非難されていた。

「ワクチンを接種するかどうかわからない」と答えている人が最も多いのは、共和党支持の白人であることも伝えられている。

donald trump returns to florida ahead of joe biden's inauguration ドナルド・トランプ メラニア ワクチン 新型コロナウイルス感染症
Noam Galai//Getty Images

また、多くの人がトランプ夫妻に腹を立てているもうひとつの理由は、ワクチンの接種を公表しなかったこと。

ジョー・バイデン大統領をはじめその他のリーダーたちは、「より多くの人に接種を促したい」「ワクチンに対する恐怖心の払拭につなげたい」などの思いから、自身が接種を受ける様子を公開していた。

そしてご想像のとおり、ワクチン接種を巡るトランプ夫妻のこの“ワクチンゲート”問題については、ツイッター上に批判のコメントが相次いでいる。

環境活動家のエリン・ブロコビッチ氏(そう、映画になったあのエリン!)は、「トランプはワクチン接種を受けたことを、みんなに知られたくなかった。ワクチンは安全だと知らせたくないのよ。彼にとってはみんなの命より、自分の外面の方が大事なのね」とツイート。

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また、弁護士で政治記者のジャッド・レガム氏は、すでに感染した前大統領が「自分には免疫がある」と断言しておきながら、ワクチン接種を希望するのは「矛盾している」と述べている(一度感染した人が再感染するのか、そしてほかの人にも感染させるのかについては、まだ調査中)。

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トランプ前大統領はこうした批判に対して、今のところ何もコメントしていない。

Photos: Getty Images, Courtesy of Erin Brockovich, Judd Legum via Twitter From COSMOPOLITAN UK