子役からデビューし、2001年公開の映画『キューティ・ブロンド』でトップスターに躍り出た俳優のリース・ウィザースプーン(47歳)。そんな彼女は米<ハーパーズ バザー>の最新のインタビューで、『悪魔の恋人』(1996年公開)での性的なシーンを経験して「自分が守られていない」と感じたことについて明らかにしました。

同作では、当時19歳だったリースが高校生のニコール役を演じています。ニコールは友人に連れられて訪れたクラブで俳優のマーク・ウォールバーグ演じる好青年デヴィッドと知り合い、お互いに好意を寄せるように。やがてデヴィッドは本性を現し、彼女を我が物とするため、殺人にまでも手を染めるようになるというストーリー。

作中には過激な性的シーンがいくつかあり、中でも遊園地のジェットコースターでニコールがオーガズムを感じる場面についてリースは「良い思い出ではない」と語りました。

「私にはどうにもできないことでした。脚本には書かれていなかったので、監督がその場で自分で考えて、わたしにやれるかどうか聞いたのだと思います。当時は、したくないと伝えました」
mark wahlberg holding reese witherspoon in publicity portrait for the film fear, 1996 photo by universalgetty images
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映画『悪魔の恋人』

このとき、腰から下が映るシーンについては代役を起用することをお願いしたというリース。この経験により、エンターテインメント業界での自分の扱われ方について早くから知ることができたと明らかにしました。

「あの経験がトラウマになったというわけではありません。ただ、今の私を形成するものにはなりました。映画制作に多くの人が関わるなかで、自分の立ち位置を理解できたんです。これは、変化を生む人になりたい、男性の視点だけでなく女性の視点からも物語を伝えるリーダーになりたい、と思わせた出来事の一つだと思います」
los angeles, california april 13 reese witherspoon attends the apple tv the last thing he told me premiere at regency bruin theatre on april 13, 2023 in los angeles, california photo by leon bennettgetty images
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その後リースは女性をエンパワーすることを掲げ、2016年に制作会社「ハロー・サンシャイン」を設立(2021年に売却済み)。『ビッグ・リトル・ライズ』や『ザ・モーニング・ショー』など数々のヒット作を生み出しました。

同誌のインタビューでは、同会社がもつ目的について次のようにコメントしています。

「男性の声や視点がメディアの大半を占めている、という現状に目をつけて『ハロー・サンシャイン』を立ち上げました。女性が自分の言葉で自分の物語を語る機会を作り、より多くの人が経験することについて深い見方ができるようになると思ったんです」
「私の母や祖母がアーティストらから受け取る表現は、当時すごく限定的だったはずです。今は女性が成功するための、新しい時代が来ていると感じます。女性たちが必要とするエネルギーになれているのがうれしいです」

22歳のときに初めて娘を授かり、現在は3人の子どもを育てるリース。長女のエイヴァは先日、23歳を迎えました。娘たちについて問われたリースは、「娘は、誰を見本とするのでしょう。私は娘に尊敬される女性でありたいです。そのためにはなんだって頑張れます」と語りました。