Netflixのドラマ『ザ・クラウン』のファンにとっては、残念なニュース…。7年をかけて60話を制作・公開してきたこのドラマシリーズは、12月14日に配信が開始されたシーズン6のパート2が最終章となる。

エリザベス2世女王と家族の生涯を物語として描き、配信を開始した2016年以降、多くの視聴者を魅了してきたこのドラマは、エリザベス王女の結婚から始まり、マーガレット王女の離婚、皇太子妃となるダイアナの登場など、およそ60年の間にイギリス王室に起きた主要な出来事をドラマとして、スクリーンのなかで再現してきた。

だが、シーズン6で終了するということは、近年のイギリス王室に起きたことは、描かれないということ。それは、なぜなのだろうか?

『ザ・クラウン』について明らかになっていることを、改めて振り返ってみよう――。

なぜシーズン6で終了?

『ザ・クラウン』のクリエイター、ピーター・モーガン氏は2020年、当初はシーズン6までとされていたこの物語について、「シーズン5で終了することにした」と発表。「そこで終わりにするのが、最適のタイミングだと判断した」と説明した。

three actors playing the queen
Netflix
ドラマに登場した3人の「エリザベス女王」

だが、モーガン氏はその年のうちに、この発言を撤回。「この時代に起きたことをより正確に描くためには、もう1シーズンが必要であることに気づいた」として、やはりシーズン6を最終章とする考えを明らかにした。

ただ、その内容についてはこのとき、次のように述べていた。

「シリーズ6のストーリーが、現在の私たちが生きる時代に近づくことはありません。それは、明確にお伝えしておきます――同じひとつの時代について、より詳細に描けるようにするというだけのことです」

いずれにしても、シーズン7を制作する可能性はないとする理由は、どこにあるのだろうか?

このドラマの制作を開始した当初から、モーガン氏は一貫して、「20年ルール」について語っている。

「私の頭の中には、『20年ルール』のようなものがあるのです。何かの出来事について、その役割、位置付け、重要性を理解するのに十分な時間と距離は、20年だと考えています」

「たったいま、間違いなく非常に重要なことに思える問題が、あっという間に忘れ去られることも多くあります。いっぽう、いつまでも消え去ることがなく、歴史的にも非常に強い関連性が保たれていくこともあります」

the crown season 6 part 2 review
Netflix
シーズン6に登場するウィリアム王子(右)とヘンリー王子

ちなみに、ヘンリー王子とメーガン妃を『ザ・クラウン』のストーリーに登場させるつもりがあるかどうかについて、モーガン氏は2020年、『ハリウッド・レポーター』誌に次のように語っている。

「メーガン妃とヘンリー王子はいまだ旅の途中にあり、それがどのような旅なのか、どのように終わるのか、まだわかりません…少なくとも20年以上前に起きた出来事の方が、安心して(脚本を)書くことができます」

残念ながら、物語のなかで“ヘンリー王子とメーガン妃”のロイヤルウエディングを見ることは、できない。

ただ、このドラマについてはいくつかの朗報もある(!)。モーガン氏は『ヴァラエティ』誌のインタビューで、スピンオフや前日譚となるシリーズを制作する可能性に言及している。即位する前のエリザベス王女を取り上げる新たなドラマが、見られることになるのかもしれない。

『ザ・クラウン』について、今後さらなるニュースがもたらされることを祈りたい!

From COSMOPOLITAN UK