ボディポジティブな運動が続き、以前と比べる多様な体型が受け入れられはじめている昨今。その一方で、未だ映画界では体型に関するステレオタイプが蔓延していることを、人気司会者で俳優のジェームズ・コーデン(41歳)が批判

1990年代から俳優として活躍し、話題作にも出演してきたジェームズ。中でも、イギリスの演劇から始まりブロードウェイ公演まで行った『ヒストリーボーイズ』は多くの共演者の出世作となったにも関わらず、ジェームズはあまり充実した配役を得ることができなかったという。

The New Yorker>の取材に対して当時を振り返ったジェームズによると、その原因は体型にあったと考えているんだそう。

「僕は、陽気な裁判官や、ヒュー・グラントにテレビを配達するような役に使われました。他の惑星から来た人がテレビを見ることがあったら、きっと『太っている人はセックスしないんだ』って勘違いすると思う。『大きい人は恋に落ちないし、恋愛をしている人の良き友人でいる。太い人はあまり賢くないけれど、楽しい人。そして、ルックスが良い人ほどの価値はない』と思われるね」

また、イギリスで俳優を始めた頃に、彼が演じるキャラクターの部屋にジャンクフードのポスターが貼られたことがあり、ジェームズはそのポスターが剥がされるまで演技はしないと訴えたという。

「太っている人への嫌がらせだと思いましたよ。セットデザイナーに、『ホットドッグやハンバーガーの写真を撮って、わざわざ壁に飾る人なんて一度も出会ったことがない』と言ったのを覚えているよ」

過去には、「肥満を辱めてきた時代を復活させるべき」と面白おかしく発言した著名人に対して、「そもそも今もその差別は続いているよ」と反論していたこともあるジェームズ。

「太っている人はバカで怠け者である、という誤解が広まっています。そして、飛行機やSNSなどで、太っていることを思い出させられるんだ。僕たちだって、体によくないことは知っている。これまでの人生、ずっと体重管理に努めているんだ。それでも、うまくいかないこともあるんです」

「『辱める行為』は、人々をうつ病にもさせる。うつ病が、自分を傷つける行為を及ぼすこともある。その結果が、必要以上に食べるという行為に繋がるかもしれない」

「肥満の人を辱めるということは、ただのイジメなんです」

他にも、遺伝や貧困など、自分ではどうにもできない原因が肥満に繋がることもあるというデータを示し、「もし辱めることで痩せるなら、学校に太った子は1人もいなくなるし、僕は今頃腹筋が割れているはずだ」とも語っている。