7月15日(日本時間)にイタリア・ヴェネチアで「サンローラン」が2022年春夏メンズコレクションを発表。その裏で、ある韓国人モデルにドラマのような奇跡が起こっていたことが明らかに。

「サンローラン」のランウェイは、モデルなら誰もが一度は歩きたいと願う憧れのステージ。クリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロは、こだわりが強いことでも知られていて、モデルになるまでに様々な難関が待ち受けているそう。

そんな狭き門をくぐり抜け、韓国人メンズモデルとして初めて「サンローラン」のランウェイを歩いたチェ・ヒョンジュン。さぞかし華やかな経歴の持ち主かと思いきや、なんと4カ月前にモデル事務所に入ったばかりの新人だということが発覚し、大きな話題に!

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一夜にして注目の的となったチェ・ヒョンジュンは、最近ゲスト出演した韓国のバラエティ番組『ユ・クイズ ON THE BLOCK』(9月15日放送回)でその経緯を告白。

知人のブランドのモデルとして撮影をした経験はあったものの、専門的な知識やキャリアは全くなかったという彼。韓国のモデル事務所と契約して間もなく、新人モデルを探していた某ブランドの目にとまり、ミーティングのためフランス・ニースへ。

しかし、残念ながらそのブランドのオーディションには落ちてしまったそう。帰国の準備をしていたところ、韓国の事務所の代表から「せっかくだからパリに行って現地のエージェントを探してみなさい」と言われ、パリに行くことに。

韓国の事務所がフランスのモデルエージェント数社にメールを送ったものの、返事はなし。「もう帰国しないと」と諦めながらも、事務所の代表の後押しもあり、最後の手段としてアポイントなしで訪問をすることに!

「韓国の事務所の代表がずっと望んでいたものの、誰も今まで契約できなかったパリの大手のエージェントがありました。『住所を教えるから、その意気込みで突撃してみなさい』と言われ、タクシーは高いので地図を見ながら歩いてエージェントまで行きました」

「ミーティングをしたい」と門を叩くも、もちろん入れてはもらえなかったそう。そんな時、彼の前を一人の女性が通り過ぎたのだとか。

「帰ろうとした時に、僕の前を通り過ぎたカーリーヘアの女性と目が合いました。後から分かったのですが、その方はエージェントの総括責任者でした。彼女はしばらくの間、僕をじっと見てから『契約しよう』とおっしゃったんです」

▲当日の1枚。

翌日、契約書にサインをするために再びエージェントを訪れたチェ・ヒョンジュン。すると、彼にさらなる奇跡が!

「総括責任者の方が『昨日、サンローランにプロフィールを送ったら、あなたのことを気に入ったみたい。一度会いに行く?』と。午前中にエージェントと契約を交わしたその足で、午後にはサンローランの本社に行くことになったんです」

本社では4人のデザイナーが待っていて、ウォーキングを披露することに。

「ウォーキングを習ったことがなかったので、家の前を散歩するような気持ちで歩きました。そうしたら『どこで習ったの?上手だね』と反応がよく、『もう一度会いに来て』と連絡が来ました」

実はそれが1次オーディションだったようで、すぐに2次オーディションに進むことに。次も通過するためには、大勢のモデルたちの中で目立たなければいけないとチェ・ヒョンジュンは考えたそう。

「NIKEのTシャツとハーフパンツに、スニーカーを履いて、あえてラフな格好で行きました。みんなおしゃれに着飾っているのに僕だけ犬の散歩に行くような服装だったので、会場にいる全員が僕を見ていました。統括デザイナーもため息をついていましたね」
「ウォーキングを見せたら『帰っていい』と言われました。落ちたと思っていたのですが、翌日にフィッティングの連絡がきて、ショーで歩くことになったんです」

最後に「名前を聞くだけで誰もが分かるモデルになりたい」と明かし、モデルの仕事は我を忘れるほど楽しいと語った彼。運命的なタイミングはもちろんのこと、史上初の快挙を達成できたのは彼の天性のセンスや度胸があってこそのこと!

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