2023年のMETガラが開催される、5月の第一月曜日(現地時間5月1日)が間近に迫っている。ファッション界最大の祭典であるMETガラには、人気セレブが豪華絢爛な衣装を身にまとってニューヨークのメトロポリタン美術館に集結する。

著名ブランドのドレス(ケイティ・ペリーの場合はシャンデリア風の衣装)に身を包むことができるなどの理由から、多くのセレブがMETガラのゲストリストに入ることを切望している。

しかし、METガラのチケットはあえりえないほど高額で、毎年値上がりしているため、出席するのにも膨大な費用がかかる。その費用を誰が負担しているのかを以下でチェックしていこう(ヒント:セレブ本人ではない)。

METガラのチケットは一般人でも購入できる?

答えはノー。METガラは完全招待制で、米版『ヴォーグ』誌の編集長アナ・ウィンターがゲストリストを管理している。デザイナーやブランドが費用を負担してテーブルを貸し切ったとしても、そのテーブルに誰を招待するかは最終的にアナが決定するそう。

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アナ・ウィンター、2019年のMETガラにて

METガラのチケット代はいくら?

今年のチケットは1枚5万ドル(約660万円)と報じられている。ちなみにテーブルごと貸し切りたい場合は、30万ドル(約4000万円)かかるそう。しかし、このチケットには、いち早く美術館の展示を見ることができる権利や、ガラで振舞われるカクテル代、ディナー代、最もエクスクルーシブなパーティに参加する権利など、多くの特典が含まれている。

2023年のMETガラのチケットは過去最高額で、同美術館の常連寄付者の一部が参加を見送るという事態を引き起こしたほど。

ある関係者はゴシップサイト『ページ・シックス』の取材に対し、以下のように語った。「彼ら(常連寄付者)はすでにたくさんの寄付をしているのに、この(チケットの)金額は高すぎます」。

一方で、別の関係者は「参加しないと決めた人の後ろには、参加を切望する20人もの人が待っています。しかし、その人たちが実際に招待されるかどうかはアナ次第です」と話している。

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Kevin Mazur/MG19//Getty Images
2019年のMETガラ

セレブはMETガラのチケット代を支払っている?

以前は自らチケット代を支払ったセレブもいたもよう。『ページ・シックス』は2012年、ケイト・アプトンがMETガラに出席するために2万5000ドル(約330万円)を支払い、『ヴォーグ』誌のオフィスでアナと面会した際にその小切手を渡したと報じている(その後、当該記事は削除された)。

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Kevin Mazur/MG21//Getty Images
2021年のMETガラにて

通常は、デザイナーやブランドがテーブルを貸し切って、そのゲストとして(アナが承諾した)セレブを招待するパターンがほとんど。しかし、『ページ・シックス』によると、故カール・ラガーフェルドの功績を称えるという2023年のテーマを支持できないという理由から、今年はテーブルの貸し切りを見送るデザイナーもいるそう。

ある関係者はこのことについて、「シャネルのテーマはあまりにもアイコニックです。他のブランドも独自のアイデンティティを持っていますので、今回それをどう表現すべきか苦慮していると思います」と述べている。

衣装代は誰が負担する?

セレブはデザイナーと直接相談し、その年のテーマに沿ってルックを考案する(または過去のアーカイブからチョイスする)。そのためセレブ自らがクチュールのために大金をはたいているわけではない。つまり、彼らはタダで豪華な衣装を身につけているということ。

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George Pimentel//Getty Images
プリヤンカー・チョープラー、2017年のMETガラにて

招待客は全員レッドカーペットを歩くことができる?

セレブであっても、お金持ちの寄付者であっても、METガラのチケットを持っていれば誰でもレッドカーペットを歩くことができる。しかし、一流スターたちが思い思いの表現をしている横で、少々気まずい思いをすることもあるそう。

METガラに出席したことのある、LAでヴィンテージショップを経営するキャメロン・シルバーさんは2017年、『ページ・シックス』に次のように語っている。

「(招待客は)誰もがレッドカーペットを歩きますが、あまり有名でない人は誰も注目していないため、静まり返ったなかを歩かなくてはなりません。著名セレブではない人にとってこれはとても屈辱的な瞬間です」

「あの階段を駆け上がっていく人をたくさん見てきましたが、彼らは素晴らしい衣装を身につけているのに、(パパラッチが注目するほど)認知されていないのです。これには自尊心をひどく傷つけられます」。

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Arturo Holmes/MG22//Getty Images
ケンダル・ジェンナー、2022年のMETガラにて

というわけで、我々はスウェットに着替えて自宅のソファでピザでも食べながら、METガラに登場するルックを評価するしかなさそう。

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