次々と新たなマッチングアプリが誕生する中、オンラインでの出会いを楽しんでいる人も多いはず。フリーランスライターのアシュリー・コリンズさんも、その一人。彼女が特別だったのは、マッチングアプリでの出会いを後押ししてくれた助っ人が「お母さん」だったこと。アシュリーさん自身が綴るエッセイから、母娘の絆を感じる体験談をお届けします。

まさか自分の恋愛模様を母と共有するようになるなんて、初めは思ってもいませんでした。

物心ついた頃から二人で暮らしていた私と母はとても仲が良く、ドラマ『ギルモア・ガールズ』に出てくる親子のような何でも話せる関係でした。それでも恋バナだけは例外で、恥ずかしさもあり、なかなか打ち明けられないお年頃も経てきました。

ところが20代になった今は、すっかり自分の恋愛事情を母に打ち明けられるように。デートが上手くいかなかったり、傷ついている私にそっと寄り添ってくれる母は、今まで以上に頼れる存在です。

お母さんは、マッチング界の先輩!?

母がマッチングサイトを初めて利用したのは、今から10年以上前のこと。当時独身だった母は、じわじわと人気が出始めたマッチングサイトにプロフィールを登録。過去に離婚経験のある母のような独身女性にとっては、マッチングサイトなどの助けがないとなかなか生涯を共にしてくれる人とは出会いづらい時代だったそう。

ついに母は、オンラインでマッチした男性とデートへ行くことが決定! 男性との待ち合わせ場所まで、車で見送ったのをおぼろげに覚えています。

ところが数時間後、見るからにがっかりとした様子で母が帰宅…。どうやらプロフィール写真と実物が別人のように違ったらしく、それにがっかりしたうえに、デートもロマンチックにはならなかったそう。それ以来、オンラインでの出会いが怖くなってしまったのか、母がマッチングサイトを利用することはありませんでした。

勇気を出して再スタートをきった母

2010年になり、私は大学への進学にともなって実家を出ることに。一人になった母は、再びマッチングアプリを始めることを決意! 勇気を出した母を、私は電話越しで何度も応援したり、実家に帰ったりしてサポートしました。失恋して傷ついているときは話を聞き、励ましました。デートで着ていく服に悩んでいるときは、助言をすることも!

当時学生だった私も、その頃ついにマッチングアプリをダウンロード! そこで出会った男性とのデートが決まったときは、私より経験値の高い母に、毎回相手の写真を送って意見を求めました。その度にいつも「頑張って! でも気をつけてね」と背中を押してくれました。

今度は私が出会う番!

2012年に世界最大級のマッチングアプリTinderがリリースされて数年後、アプリの利用者が増えるにつれて、私は真剣な出会いを求めるように。20代半ばに突入した私は、ジャーナリストとして活動しキャリアは充実していたものの、残念ながら良い出会いには恵まれませんでした…。

友人の中には、オンラインで出会った人と婚約をする人も増えてきて、なんと私の母もついにオンラインを介して運命の人と出会い、2015年に結ばれることに!

Online Dating with Mom
Courtesy of Ashley Collins

なかなか出会えない、運命の人

周りの幸せなニュースが増える一方で私は上手くいかず、そばで支えてくれた母の存在がとても恋しくなりました。

大学を卒業してからは、Bumble、Hinge、Matchなどの人気マッチングアプリを試すように。良い出会いがなければ、別のアプリをひっきりなしにダウンロードする生活が続きました。一体、何人とデートへ行ったことか…。失恋する度にとても傷つきましたが、その分強くなった自分に自信を持てるようになりました。

もちろん、辛いことばかりではありません。アプリを通して、自分の住んでいる町を超えた出会いもたくさんありました。どれもがかけがえのない思い出となり、マッチングアプリのすごさを実感する日々でした。

でも、やっぱり、寂しくなることもあります。孤独を感じる夜にはアプリを開き、実際に会うことはないであろう男性たちを無心でスワイプ。恋愛に発展するわけでもない会話を、むやみやたらに続けることも。どんなに連絡を取ろうとしてもスルーされ続け、フェードアウトされたことはもちろん、本命と出会うまでの「繋ぎ」として扱われたこともあります。

親友のように支えてくれた母

そんなことがあっても前向きでいられたのは、母の揺るぎないサポートがあったから。以前私が母にしたように、母もマッチングアプリで奮闘する私を支えてくれたんです。泣きたいときは肩を貸してくれたり、励ましてくれたり、デート服を選んでくれたり、相手のプロフィールも一緒にチェックしてくれました。

オンラインでの出会いは良いことも悪いこともありますが、同じような経験をして理解してくれる母の存在が私の中でどんどん大きくなり、感謝の想いでいっぱいです。そして、どんなに傷ついても自ら行動して素敵な恋をつかみとった母を、心から尊敬しています。

マッチングアプリでの恋愛を通して、年の離れた母とこんな風に心が通じ合えるようになるとは想像もつきませんでした。今では母のことを親としてだけではなく、一人の女性として尊敬しています。彼女の勇気ある行動と諦めない気持ちを見習って、私も挑戦し続けようと思います!

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

※この翻訳は抄訳です。

Translation:YUUMI IKEUCHI

Good Housekeeping