<Netflix>で人気を博している、作家自身の体験を綴ったノンフィクションを原作としたアメリカのドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 塀の中の彼女たち』

女性刑務所内での模様を描いた内容で、ほぼ女性しかいない環境の中、様々なドラマが繰り広げられるわけだが、中でも重要な要素のひとつとなっているのが"同性愛"。主人公パイパーは元恋人の麻薬密売の片棒を担いだ罪で刑務所に収監されるのだが、刑務所でその元恋人に再会する、というストーリーだ。

このシリーズの主要脚本家であるローレン・モレリ(写真左)は、なんと脚本を書いているうちに、自分の本当のセクシュアリティに気づいたのだという。

彼女には2年間連れ添った夫がいたが、結婚5カ月目に撮影が始まり、主人公たちの恋愛模様を描いたシーンを執筆するうち、自身がレズビアンであることをはっきりと自覚したのだとか。

「彼女たちを見ていたら、まるで自分の欠けていたピースが突然見つかったような、これまで気づかなかった欲望に触れたような、自分の未来がきらめくような感じがしたの」と話すローレン。彼女は自身の心に従い、夫と離婚。現在は出演者の1人、サミラ・ワイリーと恋人関係にあるという。

このカミングアウトとほぼ同時に、ローレンは自身のセクシュアリティと体験について綴ったエッセイをネット上で発表。主人公2人による最初のラブシーンの撮影を目のあたりにしたことが、自分にとっていかに大きな出来事だったかを正直に語っている。

「2012年、撮影が始まってからそれほど経たないうちに、私は同性愛者であることに気づいた。それから私は様々な経験をしたわ。女性と恋に落ち、スクリーンの中で自分の人生が描かれてゆくのを見たの」

「そのラブシーンの撮影を見ていたら、プロデューサーの1人(ちなみに彼女もレズビアンなのだけど)が私の肩をポンと叩いて、グッと親指を立てながら"イイじゃない"って無言のメッセージをくれたの。ほんの些細なやりとりだったけど、そのとき私は、この世界を正直に生きてゆくための、最初の一歩を踏み出せた気がした」

事実は小説よりも奇なり…という言葉があるが、彼女は自身が手掛けた物語によって自分の真実に気付かされたのだ。生きてゆくこととは、日々自分を発見してゆくことなのかもしれない。そういう意味で、彼女とこの仕事との出会いは、まさに"運命"だったともいえるだろう。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: Captain & Me, Inc.

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