柔術家とモデルの二足のわらじを履く東あずささんが、興味がありつつもこれまで未体験だったスポーツに挑戦！ アスリートならではの視点でテニス、バレエ、サップヨガの魅力を解説してくれました。
テニス
テニスは柔術と同じく、肉体だけではなく駆け引きが重要とされる頭を使うスポーツだと聞いていたので、床の上で活かせる戦術や思考法が学べるかもと思い興味があったんです。今回は、国内外の大会に数多く出場されていた元テニスプレーヤーの方に、初心者の私にもとても分りやすくレッスンしていただきました。
私は柔術で最後まで攻め切ることがとても苦手で、その結果、勝利を逃してしまうことが多くあります。柔術の守備的なプレイスタイルの選手は0か100でプレイするのではなく、その局面ごとに相手の出方を見極めながら自分が優勢になるように勝負をします。まだ1年しか柔術経験がない私はその見極めが器用に行えず、同じ土俵で勝負をしてしまうと徐々に劣勢に立たされてしまい負けてしまうのです。
そこで教えていただいたのが「どうフィニッシュさせるか、まずはゴールを設定して練習する」という、逆算からのテニス練習法。初めにどのようなプレーで点を決めるのかを考え、点を取るために何をするべきか、何を伸ばすべきなのかといったプロセスを明確にしていきます。攻撃的な選手はどう1点入れるかゴールを設定し、そのプロセスになるテクニックの精度を上げていきます。守備的な選手はどんな選手にも対応できるだけのフットワーク・反応力・体力・カバーリング力など、プレーの引き出しをより多く増やすことが重要。これはまさに柔術でも強い選手が意識して行っていることであり、今回のレッスンで身をもってそれを認識することができました。改めて自分のスタイルを見直して、柔術の試合で勝てるように活かしていきたいと思います。
バレエ
柔術は攻撃的で無骨なスポーツですが、それとは真逆のエレガントで芸術性の高い動きをするバレエにも惹かれていました。日本バレエ界の第一人者である伊藤友季子先生の指導のもと、念願叶って初めてバレエレッスンを体験！ そして、想像していた以上に身体を上手く動かすことができずに大苦戦（笑）。柔術は潜在意識の中で反射的に体を使うので、身体能力でカバーできる割合が高いのですが、バレエはその反対で顕在意識が重要。一連の動きの中で脳から体に適切な指示を出しながらコントロールしなければいけません。足の捌き方やステップなど、頭では分っているのに、その通りに体で表現をすることができなくて、すごく難しかったです！
ただ、つま先から指先まで神経を研ぎ澄ませ、寸分狂わない体の動作と動きの再現を高めることが必要とされる点は柔術と同じだと感じました。自分の思い描く動きを体現するために必要不可欠な感覚ですね。繊細な体幹操作、それに伴う呼吸のタイミング、自分にとって心地よいリズム感。バレエを通じて、そういった感覚を研ぎ澄ませた先にあるものに触れることができた気がします。それと、昨日よりエレガントな自分にも出会うことができました（笑）。
サップヨガ
自分自身と向き合うため、精神面で得るものがあるスポーツをやってみたいと思い、サップヨガに注目していたんです。そして先日、グアムに行った際に初めて挑戦することができました！ 波の音や鳥の鳴き声など自然を感じながらできるサップヨガの後は、心が洗われるような気持ちに。穏やかな精神状態を保つことで、自己との向き合い方や集中力を高めるマインドづくりの重要さに気付かされました。
そして、この「心を整える」という部分が柔術と繋がっていると感じました。サップヨガでは呼吸法や一点集中法など、さまざまなやり方で心を整えていきます。柔術でも試合直前や試合中劣勢に立たされた時など、精神的なコントロールをして心を整えなければいけない瞬間が多くあります。その局面に置かれた自分の精神をコントロールする術を、サップヨガを通じて学べるとのではないかと思いました。心をコントールして恐怖心やためらいを打ち消す、勝負の世界において大切なポイントですね。
