オーガニックコスメ、オーガニックフード・・・オーガニック市場が瞬く間に急成長し、私たちにもすっかり定着してきた現在。

多くの人が環境と身体に優しいオーガニック製品を買い求めることに慣れてきているかと思います。ところで私たちは何のためにオーガニック製品を買っているのでしょう?
そんなことを考えるきっかけとなったのがNYの大手オーガニックスーパーでの光景。スーパーに入ると、泥もなくピカピカでサイズの揃った野菜たちが大量に並んでいます。同じように生産され、ここに並ぶことのなかった野菜たちは、製品水準をクリアできていないということで破棄されているそうです。それってオーガニックとは呼べない気が…。

そんな中、新しい文化が発信されているのもNYならでは。今回は、3つの気になるトレンドをピックアップし、紹介します。オーガニック商品の消費に変わる、ポストオーガニックトレンドとは?

1. 観葉植物がブーム!?

最近広まっている若者たちの観葉植物ブーム。NYのローカルマーケット(現地の商品を現地の人たちの間で売買する、広場で開催されるマーケット)では、野菜と一緒に植物が売られています。そこでは若者が植物を買っている姿が目立ち、実際に部屋の中で植物を育て始めたという人も少なくありません。私の友達には、部屋で植物を育てすぎてジャングルのようになっているなんていう、ファッション業界人もいました。野菜のように、「買って食べて終わり」なのではなく、長い時間を共にし、自分で愛情をかけて育てるということに需要があるようです。

2.ビールだって自分で作れる!

同じくローカルマーケットで目についたのが「MAKE SOME BEER」というキャッチコピーを掲げ、手作りビアキットを売っているブルックリン発のお店「Brooklyn Brew Shop」。生産者のエリカとステファンは、2009年からこのプロジェクトを始め、世界中に手作りビールの面白さを届けてきました。公式サイトにもあるように、彼らの目的は「行程をシンプルにすることで、誰しもが醸造できるようになること」。自分たちで、ビールができる行程を知り、味の変化から作る喜びまでの過程を楽しめる製品。買ってただ飲むのものより、自分で出来上がりを想像しながら作ったビールのほうが繊細な味わいを感じることができますよね。

3. 「3.1 Phillip Lim 2016SSコレクション」も!?

3.1 Phillip Lim 2016春夏コレクションpinterest
Getty Images

NYブランド、3.1 Phillip Lim(スリーワン フィリップ リム)が発表した2016SSコレクションは同ブランドの10周年コンセプトとして「Stop and smell the flowers」(立ち止まって花の香りを感じてみよう)そして今この瞬間に感謝しようというメッセージのもと、繊細な植物をモチーフにしたアイテムが発表されました。忙しい時は、いつだって心洗われる瞬間をくれる自然。デザイナーであるフィリップは「自然から人生が始まり、終わる」と述べています。

 さて、こんな新しい動きから見えて来るのはオーガニックブームが「商品を買って安全を手に入れる」ということから「自然な時間の流れを感じる、そして楽しむ」という方向に変化しているということ。慌ただしい毎日で、物事を疑ってかかり生産過程の透明性を求めてオーガニック製品を買って消費して・・・それって私たちの求めていたオーガニックライフと言えるのでしょうか?
NYから発信されたトレンドたちが、そんな疑問に明るく答えてくれているのかもしれません。

※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がCOSMOPOLITANに還元されることがあります。