年々盛り上がりを見せている、日本国内で開催される芸術祭の数々。『ヨコハマトリエンナーレ』や『瀬戸内国際芸術祭』、『越後妻有アートトリエンナーレ』などを筆頭に、国外からも注目を集めているなか、今年も新たな芸術祭が誕生し、ますます加熱中。
ここでは、そんな新顔からおなじみのものまで、今年行っておきたい芸術祭をピックアップ。アート以外にも、食や音楽、科学など多岐にわたって楽しめるものもあるので、夏から秋のおでかけプランに加えてみてはいかが?
From:Harper's BAZAAR.com
北アルプス国際芸術祭2017 -信濃大町 食とアートの廻廊-
長野県の北西部、松本平の北に位置する大町市。北アルプスの雪解け水と澄んだ空気に恵まれているが、消滅可能性都市にリストアップされるほど、過疎高齢化が深刻化しているこの地。
『北アルプス国際芸術祭2017 -信濃大町 食とアートの廻廊-』は、『越後妻有アートトリエンナーレ』や『瀬戸内国際芸術祭』でもディレクターを務めた北川フラム氏を総合ディレクターに迎え、この地固有の生活文化を表現する"食"と、地域の魅力を再発見する"アート"の力により、北アルプス山麓の地域資源を世界へ発信することを目指して開催される。初開催となる今年のメインテーマは「水、木、土、空。」。豊かな自然の中でアートや食を満喫してみて。「ミナ ペルホネン」の皆川明氏がモチーフをデザインした公式グッズも要注目。
北アルプス国際芸術祭2017 -信濃大町 食とアートの廻廊-食とアートの廻廊-
参加アーティスト:目、大岩オスカール、布施知子ほか
会期:~7月30日(日) 無休
会場:長野県大町市一帯
開場時間:10:00~17:00
料金:一般 2,500円、高校生 1,500円、小・中学生 500円
問い合わせ先:北アルプス国際芸術祭実行委員会 事務局 tel.0261-23-5500
リボーンアートフェスティバル 2017
宮城県の石巻市・松島湾にて開催される『Reborn-Art Festival 2017』は、"アート""音楽""食"を楽しむことのできる新しい祭典として要注目。
国内外の現代アーティストたちの作り上げた作品が地元民の協力のもと展示され、さまざまなスタイルの音楽イベントが開催され、さらには、東北のシェフや国内外の有名シェフたちによる地元の食材を使った食事を味わうことができるという欲張りなイベントだ。
生まれ変わりつつある東北でこそ、他では出会うことのない人や価値観に巡り会うことができるこの祭典。東北だけでなく、あなた自身の"Reborn"を目指して訪れてみては?
参加アーティスト:ブルース・ナウマン、カールステン・ニコライ、Chim↑Pomほか
会期:2017年7月22日(土)~9月10日(日)
会場:宮城県石巻市(牡鹿半島、市内中心部)、
提携会場:松島湾(塩竈市、東松島市、松島町)、女川町
開場時間・料金:芸術祭公式サイト参照
問い合わせ先:info@reborn-art-fes.jp
ヨコハマトリエンナーレ2017 「島と星座とガラパゴス」
イタリア語で"3年に一度"を意味する「トリエンナーレ」の名のとおり、3年ごとに開催される国際的なアートの祭典。今年で第6回目の開催となる。
今回のテーマ"島""星座""ガラパゴス"は、接続や孤立、想像力や創造力、独自性や多様性などを表すキーワード。グローバル化が急速に進む一方で、紛争や難民・移民問題、英国のEU離脱、ポピュリズムの台頭などで大きく揺れ動き、先行きの見えないこの複雑な時代に、人間の勇気と想像力や創造力がどのような可能性をもたらすことができるのかを、多くの人々とともに考え、開国、開港の地・横浜から新たな視点を発信する。
世界トップクラスのアーティストたちが多彩な作品を展示する貴重な機会なので、必ず足を運んでおきたい。
参加アーティスト:アイ・ウェイウェイ、マウリツィオ・カテラン、畠山直哉ほか
会期:2017年8月4日(金)~11月5日(日)
会場:横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館、横浜市開港記念会館地下ほか
休場日:第2・4木曜日(8/10、8/24、9/14、9/28、10/12、10/26)
開場時間/10:00~18:00(最終入場 17:30) ※10/27(金)~10/29(日)、11/2(木)~11/4(土)は20:30まで開場(最終入場 20:00)
料金(8/3までの前売り料金):一般 1500円、大学・専門学校生 900円、高校生 500円、中学生以下 無料
問い合わせ先:ハローダイヤル tel.03-5777-8600(8:00~22:00)
種子島宇宙芸術祭
2017年の夏からスタートする、宇宙をテーマにした新たな芸術祭。種子島の全島を舞台に、さまざまな作品やアートプロジェクト、イベントが繰り広げられる。テーマは「自然と科学と芸術の融合」。美術館がないこの島では、大自然が展示の場になる。しかも、「宇宙の島」と呼ばれるだけあり、日本における宇宙開発の最前線で、最先端科学技術の集積する場所ともいえるこの島で、宇宙技術を取り入れたアートの新しい取組みを紹介。
「芸術祭をきっかけに、宇宙をもっと身近に感じる体験をしてもらいたい」という願いが込められているこの祭典。宇宙と向き合って創作する現代のアーティストには何が可能なのかを、アーティストや科学者、エンジニア、そして島の人々とともに明らかにしよう。
参加アーティスト:木村崇人、ミラーボーラー、椿昇ほか
会期:2017年8月5日(土)~11月12日(日) ※会期中は無休、ただし施設により休館日が異なるため、芸術祭公式サイトにて要確認
会場:種子島全島
開場時間:展示作品によって異なるため芸術祭公式サイトにて要確認
料金:無料、ただしイベントは入場料あり
問い合わせ先:tel.0997-26-0140
札幌国際芸術祭
2014年の第1回に続き、今年で2回目の開催。
前回は坂本龍一氏だったゲストディレクターに、今回は『あまちゃん』の音楽で知られる音楽家の大友良英氏を抜擢。ディレクター就任の依頼が舞い込んできた際に大友氏が感じた「芸術祭ってなんだ?」という問いをテーマに、さまざまなアーティストたちの作品とパフォーマンスが多彩に展開される。
会場は札幌市内の各所に点在しているので、爽やかな気候の中、街巡りも楽しみつつアートに触れられる。ひととおり鑑賞したあとには、「芸術祭とは?」という問いに対する自分なりの答えが導き出されているかもしれない。
参加アーティスト:クリスチャン・マークレー、毛利悠子、石川直樹ほか
会期:2017年8月6日(日)~ 10月1日(日)
会場:札幌市内一帯
休場日・開場時間:会場により異なるため芸術祭公式サイトにて要確認
料金(8/5までの前売り料金):一般 1500円、札幌市民・北海道民 1,300円、大学・高校生 700円、中学生以下 無料
問い合わせ先:tel.011-211-2314
奥能登国際芸術祭2017
能登半島の先端に位置し、周囲を日本海に囲まれた農山漁村、奥能登・珠洲。寒流と暖流がぶつかり、大陸からの季節風が海の水蒸気を含んで雨を降らせ、独特の地勢も重なって、東西の植生が共存する豊かな自然に恵まれたこの地は、かつては遣唐使や北前船などの海上交易が盛んだったが、交通体系が陸運に変わったことで立地が逆に弱点となってしまい、過疎化が進行してきた。
最果ての地とされながらも、現存する日本文化の源流が湧き出る場所でもある点に着目し、ここから世界に向けて今までにない芸術祭を発信。伝統的な文化と最先端の美術が共鳴する芸術祭となるだろう。豊かな自然や人、文化と触れ合いたいなら、ぜひここへ。
参加アーティスト:塩田千春、ひびのこづえ、浅葉克己ほか
会期:2017年9月3日(日)~10月22日(日) ※会期中無休
会場:石川県珠洲市全域
開場時間:9:30~17:00
料金:当日券 一般 2,500円、高校生 1,000円、小・中学生 500円
問い合わせ先:奥能登国際芸術祭 実行委員会 事務局総合窓口 tel.0768-82-7720