断られるのが怖くて、頼みごとをできないことってよくあるもの。コスモポリタン アメリカ版では、「頼みごとをしても、思ったより簡単に受け入れてもらえる」という最近の研究を紹介しています。

心理学者のヴァネッサ・K・ボーンズ博士とコーネル大学で働く同僚は10年間にわたり、何百人もの参加者を募って複数の調査を行ってきました。その内容は、1万4千人を超える赤の他人に様々な頼みごと(携帯電話を貸してもらう、嘘をついてもらう、レースのスポンサーになってもらうなど)をするということ。

他人が頼みごとを聞き入れてくれることを参加者が期待したかどうか、また、頼みごとをした結果はどうだったかを記録してきた中で一貫して言えるのは、赤の他人でも、かなりの確率で頼みごとに「Yes」と言うこと、また、頼んだ人の多くが自身の「Yes」と言わせる能力を低く見積もっていることでした。

この結果は、頼みごとが怪しげなものであった場合でも同じでした。ボーンズ博士の調査には、「図書館で借りた本にペンで"漬物"と落書きする」というものもありましたが、問題になる心配をしながらも、64%の人がページに落書きをしたというのです。

調査を経て、ボーンズ博士とその同僚は、「自分以外の誰かを従わせる能力に対して悲観的すぎる人が多い」という結論を出しました。

ではなぜ、言いたいことを言えないのでしょう? 多くの心理学者がその原因と考えているのは、他人に何かを押し付けることへのストレスと、拒否されることや自分では直せない欠点をさらすことへの恐怖だそう。ただ、ボーンズ博士は自身の調査結果を踏まえ、少なくとも、すべてのケースが当てはまるわけではないと、これらが原因ではないと主張します。

博士は『Psychological Science』で「この現象は、頼みごとをした人が、『No』と言われた場合に感じうる不快な気持ちをうまく処理できない結果である」と述べています

言い換えると、私たちは「No」と言うことが、他人にとってどれほど気まずいか気づいていないということです。(これを逆手にとれば上手く活かすこともできるのに!)

「頼みごとを断るということは、本来備わっている社会規範を破り、お互いに気まずい思いをするということであり、相手を不快にするリスクを負います。結果として『No』と言うことで生じる気まずさを避けるために、同意したくない場合でも、多くの人が同意してしまうのです」

さらに、面と向かって「No」と言うことは、メールで「No」ということに比べて、非常に難しいようです。失恋する相手を目にするより「楽」だからという理由で、別れたい相手に携帯メールで断るのと同じです。

No」と言われることは思ったより少ないと調査で証明されてもまだ、「No」と言われる可能性が怖いというそこのアナタ。最初に「No」と言われても、後々上手くいく可能性があるという調査結果も出ているよう。心理学者ロバート・B・チャルディーニによって1970年代に行われた調査によると、最初の頼みごとを断ると、同じ人から別の頼みごとをされたときに「Yes」と言ってしまうことが増えるとのこと。(心理業界では「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」と呼ばれています。)

さあ、どんどん誰かに頼みごとをして、どれだけ助けてもらえるか試してみましょう。(これからも仲良くしたい人には恩返しすることを忘れずに。長期的な関係を築くには、「持ちつ持たれつ」の精神が必要であると説明している調査もありますからね。)

この翻訳は、抄訳です。

Translation:Rubicon solutions

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