日本でも世界でも、職場での「心の病気」への取り組みはまだはじまったばかり。

コスモポリタン アメリカ版では、ある記事に端を発したオーストラリア人女性ライターの「心の病気」に関する告白を紹介しています。

ある人材コンサルタントが執筆した「心の病:病気のフリをしているのは誰?」という記事が<Sydney Morning Herald>に掲載されたとき、オーストラリア人のライター、アナ・スパルゴ=ライアンさんはすぐにセルフィーつきのコメントをFacebookに投稿しました。

「この2枚の写真は3日しか間隔をあけずに撮影されています」、「1枚目の泣いている写真は、心の病気を抱えている私。そして2枚目の笑っている私も、心の病を抱えている私です」とアナさんはつづり、<Sydney Morning Herald>が掲載した記事がどれだけ心の病を抱えた人を傷つけるのかを訴えました。

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「心の病気なんてただの仮病」という考えを支持している心ない"人材コンサルタント"が、どれだけ社会にダメージを与えていることか…。誰だって心の病になる可能性はあるのです。「ただの仮病だよ」、「心の病なんて病気に入らない」、「病気を理由に休みを取って治療を受けるなんて、いいご身分」―― そんな風に非難するのではなく、まずは手を差しのべ、励ますべきではないでしょうか? それが職場でも家庭でも学校でも、どこであっても、です。

アナさんは「全般性不安障害」、「パニック障害」、「大うつ病性障害」、「心的外傷後ストレス障害」と診断されていることを<BuzzFeed>に告白しており、記事の著者に対しきちんと意見しなければと感じたそうです。「心の病を抱える人たちに対する、職場でのサポート方法を考える動きがやっと始まったばかりだというのに、『仮病だと見破るにはどうしたらよいか?』などという考えは時代に逆行するものです

<Sydney Morning Herald>は掲載の4日後に記事を更新。「SNSを通じ、記事へのご意見を多数いただきました。すべては私の未熟かつ無神経な記事に起因しています」、「(記事の内容は)心の病気に苦しむ方々とそのご家族への配慮に欠けるものでした。これは意図したことではなく、むしろ私の意志とは真逆です。真摯にお詫び申し上げます」と書かれた著者コメントを冒頭に追記しています。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

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