多くの女性が社会進出を果たすなか、たびたび問題となるのがセクシュアル・ハラスメント。泣き寝入りをする女性が多い中で、1人の女性アーティストがかつて音楽業界で受けたセクハラをTwitterで告白し、反響を呼んでいる。

コスモポリタン アメリカ版によると、女性アーティストがセクハラ被害を告白したのは、2016年1月のこと。

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「有名音楽パブリシスト(広報担当者)が数年前に私のお尻や髪をなでたってこと、改めて言っておくわ」

この女性、アンバー・コフマンさんは米ロックバンド、「ダーティー・プロジェクターズ」のメンバー。彼女はその後のツイートで、セクハラをした"音楽パブリシスト"は、音楽関係のPRやマネジメントを手がける会社「ライフ・オア・デス」のCEO、ヒースクリフ・ベルーだとも明かした。

Twitterでのコフマンさんの告白はなおも続き

  • 当時のコフマンさんはベルーとは会ったばかり
  • ベルーはコフマンさんの男友達4人の前でセクハラ行為に及んだ
  • 当時のことを考えるだけで、今も怒りがわいてくる

と、次々とツイート。さらに、彼女以外にも多くの女性がベルーからセクハラを受けていたものの、誰もが声をあげることを恐れていたこと、そして「ライフ・オア・デス」の関係者がベルーの横暴ぶりを見て見ぬふりをしていたことも告白した。

コフマンさんの勇気ある行動に対し、他のユーザーもすぐさま反応。PR会社「デンジャー・ヴィレッジ」の音楽パブリシスト、ベス・マルティネスさんもまた、ベルーのセクハラの被害者だと名乗り出たのだ。

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「@Amber_Coffman さん、ベルーは車で私を家に送るとき、私のシャツの中に手を入れてきたの。私は何度もやめるように言ったわ」

マルティネスさんはさらに

  • ベルーは翌日"謝罪し"、自分たちの共通の友人には言うなと口止めした
  • ベルーや彼の仲間が何度か、自分の飲み物に睡眠薬を入れた(そしておそらくセクハラを受けた)
  • 当時の自分はアルコール依存症だったので狙われやすく、自分は恥ずかしさのあまり誰にも言えなかった
  • だけど依存症を克服してから、自分の身に起きたことをちゃんと認識した
  • でもやっぱり誰かに言うことや、何らかの行動に出ることでキャリアに傷がつくと思っておびえていた

と、次々とツイート。そして(ベルーを含む)自分を傷つけた人たちと手を切ることで、人生は格段に良くなり、キャリアも開けたことを打ち明けた。

そしてベルーのセクハラ被害者は、次々と声を上げ始めた。

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「@Amber_Coffman さん、ありがとう。ベルーは2009年に私のお尻をつかんで、ソファに押し倒したわ。そして自分のパンツのジッパーを下ろして、私の手を奴のアソコに押し付けたのよ」

(ロックバンド「ティアリスト」や「フォーマー・ゴースツ」のメンバー、ヤスミン・キトルズさん)

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「@Amber_Coffman さん、真実を語ってくれてありがとう。ヒースクリフ・ベルーはクソッタレで、誰かがやっと声を上げてくれたことを嬉しく思っているわ」

(インディロックバンド、「ベスト・コースト」のメンバー、ベサニー・コセンティーノさん)

コスモポリタン アメリカ版ではメール経由でベルーにコメントを求めたものの、彼から返事が来ることは無かったという。一方で、「ライフ・オア・デス」からは、ベルーが会社を去ったというメールが届いたそう。以下はメールの本文。

「ライフ・オア・デス」は、現在ツイートされているような行為を一切容認しない姿勢です。私たちは一連の告発を重く受け止めています。私たちの会社を担うメンバーは男性も女性も、Twitterでいわれているような行為を許すことも、受け入れることもしません。「ライフ・オア・デス」には男性3名と女性3名がおり、彼らは(音楽をはじめとした)芸術活動のプロモーションや素晴らしいクライアントのサポートに力を入れております。Twitterでいわれているような振る舞いはこれまでも、そしてこれからも、会社の運営において容認されるものではありません。弊社に対するヒースクリフ・ベルーの貢献やクリエイティブな視点には感謝しています。そして彼が「ライフ・オア・デス」のCEOを辞することにも、です。

一方、ベルーのセクハラに対する告発がなされた2016年1月下旬の時点で、以下のバンドが「ライフ・オア・デス」との関係を断ち切った模様。

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「DllVが『ライフ・オア・デス』と一緒に仕事をすることは、もうない」

ベルーからのセクハラを告白したマルティネスさんは、音楽雑誌『The Fader』に次のような声明を発表。そこには、単にベルーを非難するのではなく、女性がもっと強くなってほしいとの思いが込められている。

「音楽業界、そしてあらゆる業界にいる若い女性にとって、大事なことだと思ったの。不本意に受ける性的な目線は、決して自分のせいではないし、正しいことでもない

「私たちはみんな、キャリアアップができなくなるかもと怖がって、自分が望まないこと(=セクハラ)を受け入れる必要なんてない。今回のことは、"他人の弱みにつけこむセクハラ野郎の問題"だけにはとどまらないわ。これは、社会で女性がいかに扱われているかの表れなの。女性たちの被害が明らかになったことはとても喜ばしいこと。だって私たちは長いこと、日常的に受けるセクハラに対して声を上げていなかったんだから」

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: Captain & Me, Inc.

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