トランプ大統領政権下において、女性の権利向上やあらゆる差別をなくすことを訴えかける大規模デモ「ウィメンズ・マーチ」。昨年に引き続き、今年も1月20日・21日にアメリカをはじめ世界各地で繰り広げられたこのデモ行進は、多くのセレブリティが参加したことでも注目を集めており、中でも今回はロサンゼルスでのマーチに参加した、ナタリー・ポートマンのスピーチが話題に。

昨年からセクハラ問題で揺れるハリウッドにおいて、セレブ発信で世界に広まっている「#Me Too」や「#Time's Up」といったムーブメント。コスモポリタン アメリカ版によると、ナタリーはこのムーブメントの流れを受け、自身が女優人生の中で直面してきたセクハラ問題について言及したそう。

彼女のセクハラに関する恐怖体験は、13歳だったデビュー当時に始まり、1994年に映画『レオン』が公開されると、ファンからこんなメールが届いたのだとか。

「初めてのファンからのメールを喜んで開いたんです。でもそこに書かれていたのは、私をレイプするというその男の妄想についてでした

さらに、18歳になる直前にはこんな経験も。

「私の18歳の誕生日を祝うカウントダウンを放送していた地元のラジオ番組は、私が法的にセックスしても許される年齢に達するのだということをほのめかしていました。映画評論家は、作品レビューの中で私の胸が『大きくなってきた』とコメントしていました」

常に"性的対象"としての視線にさらされていたことにより、以前はキスシーンなどをはじめとする、性的な描写を含む作品は断り続けていたというナタリー。

「私は常に、自分がいかに勤勉で、真面目な人間かを強調してきました。服装も、清楚な印象のものを選んできました。お堅く、保守的で、冗談の通じない、厳粛な人間だというイメージをあえて作り上げてきたのです。こうすれば私の体は守られ、私の声を周囲に聞いてもらえると思ったから。『私は身の安全と、尊厳に値する人間』。そのメッセージを世間に聞いてもらうためには、肌の露出を控え、自己表現を抑え、仕事の幅を絞る必要性があると思ったんです」

最後に、このように締めくくったナタリー。

「私の自己表現に対して世間から返ってきた反応――それは私の体に対するコメントや、恐怖心を煽るような言葉の数々でした。この性的テロリズムとも言える環境の中では、私は自分の姿勢を変えざるを得なかったのです

アカデミー賞主演女優賞にも輝き、誰もが羨む成功を手に入れたかに見えるナタリー。でもこういった悲しい経験をしなければ、彼女はもっと違った、より自分らしい輝き方ができていたのかも…。

1人の女優、そして1人の女性の人生にこれほどの影響を与えるセクハラ問題。すべての女性が脅かされることなく、活き活きと自己表現ができる世の中へ――現在広まり続ける力強いムーブメントが、どうかそんな未来へと繋がりますように。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:伊藤 由佳里

COSMOPOLITAN US