厳格なイスラム教国家で、これまで世界で唯一「女性の運転を禁じる国」だったサウジアラビア王国。昨年9月には、今年の6月から女性の運転が解禁されることが発表され、その新方針に世界中が称賛を送ったばかり。そんなサウジアラビアで、新たに嬉しいニュースが! それは、これまで禁止されてきた女性たちのスタジアム観戦の許可。

ムハンマド・ビン・サルマンが皇太子に昇格した昨年の6月から国の改革が本格的に開始しているサウジアラビアで、歴史上初めて女性がスポーツ競技場へ入場したのは今月12日のこと。記念すべき日に行われたのは、地元サッカーチーム同士の試合。

「アバヤ」と言われる黒い伝統衣装を身に纏った女性たちは、アバヤの上からオレンジのベストを身につけた女性スタッフに専用ゲートを通され、特別な「ファミリー席」から試合観戦。イスラム法を厳格に適用している文化を尊重するため、家族連れの人や女性グループが着席した「ファミリー席」と「男性席」との間にはガラスのパネルが立てられ、交流はできないようになっていたよう。

これから娘とサッカー観戦するという父親は「娘たちはまだスタジアムの中に入れることを信じられないようです」と感慨深げにコメント。また、男兄弟がスポーツ観戦から家に帰ってくる度に強い憤りを感じていたと言う女の子も。

「兄弟はスタジアムで観戦しているのに、私はいつもテレビで試合を応援してました。その度に、『なぜ私は一緒に行くことができないの?』と何度も考えてきたんです。でも、そんな悩みともお別れです。今日は幸せと喜びでいっぱいの1日です」

嬉しいニュースが舞い込む一方で、未だ女性の教育や旅行などには父親や夫などの許可が必要とされており、「20世紀に一歩近づいた」などとアメリカのニュース番組に揶揄されているサウジアラビア。今後、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼国防省のもとでどのような変化を遂げるのか、見守りたい。