白人警官による2つの黒人殺害事件

今月相次いで起きた白人警官による黒人殺害事件。

路上でCD販売していたルイジアナ州バトンルージュのアルトン・スターリングさんは、身動きできない状態になったところで警官に複数回発砲され、殺害された。

ミネソタ州のフィランド・カスティールさんは、車のテールライトが故障しているという理由で警官に停車を求められた。警官の指示に従って対応するフィランドさんに向かって警官は一方的に何度も発砲。フィランドさんは帰らぬ人となってしまった。

いずれの事件も動画が残っており、カスティールさんに関しては事件直後から恋人がライブ配信をしていた。

「アメリカに住む黒人が殺される23の理由」

長年問題になっている警官や一般人による黒人差別をなくすべく、アリシア・キーズ、ビヨンセ、ピンク、ゾーイ・クラヴィッツ、ボノ、リアーナなどの著名人が集まり公共CMを作成。アリシア・キーズは様々な問題に取り組む非営利団体「We Are Here」の創設者で、この動画作成の発起人。

タイトルは「アメリカに住む黒人が殺される23の理由」。このCMで取り上げられている事件は、黒人差別者たちに前触れなく殺害された事件や、ちょっとした交通違反や警官との口論が発端となった殺害事件。警官の身に危険が及んだわけでもなく、どの事件も正当な理由があっての発砲と言えるものではない。中には被害者は何もしておらず、ただ普通に生活していただけの人もいた。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
23 Ways You Could Be Killed If You Are Black in America
23 Ways You Could Be Killed If You Are Black in America thumnail
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2006

結婚前パーティの日、ショーン・ベルさんは会場の外で車を停車して車内で座っていたところを、警官に職務質問をされ発砲、殺害された。

2009

オスカー・グラントさんは電車に乗っていただけで警官に取り押さえられ、手錠をかけられ地面にうつ伏せにされて銃で撃たれて死亡した。グラントさんは銃も持っておらず、無抵抗だった。

2014

タバコ販売で脱税していると疑われ、窒息死するまで警官に地面に押さえつけられたエリック・ガーナーさん。

2015

・車前面のナンバープレートがなかったことで警官と口論になった末、殺害されたサミュエル・ドゥボースさん。

・ブレーキランプが故障していただけで、丸腰だったのに警官に殺害されたウォルター・スコットさん。

・教会でバイブル・スタディを行っていたところ参加者の1人に殺害された9名

2016年

帰宅途中、警官に撃たれ殺害されたグレッグ・ガンさん。

動画の最後には「アメリカで黒人だということ。ただ普通に生活していただけ」というメッセージが。

黒人と白人が同じ場所にいたとき、黒人のみが警官に犯罪者扱いされたという恐ろしい体験談を身近な人から聞いたことがある。"人種的分析"という名の人種差別はもう終わりにしなければならない。アリシア・キーズが言う通り、「変革の時期は今」なのだ。