特定の食品を摂取することによって、身体にさまざまな症状を引き起こすことで知られる"食物アレルギー"。しかし「食べる」という行為以外でも、症状の引き金となることが…。

コスモポリタン アメリカ版によると、20歳のミリアム・デュクレ=ルメイさんは、2012年にボーイフレンドとキスをした後に亡くなったそう。彼は彼女と会う前にピーナッツ・バター・サンドイッチを食べていて、彼女がピーナッツ・アレルギーだということを知らず(あるいはそれほど重症とは思わず)、彼女もそのときエピペン(アナフィキラシー/急性アレルギー反応を一時的に緩和する補助薬)を所持していなかったと、カナダのニュース専門チャンネル<CTV>が報道。彼女の母親はこれ以上同じような被害者を出さないために、このいきさつの公表に踏み切ったのだとか。

また、カナダのラジオ局<CJAD>によると、デュクレ=ルメイさんとボーイフレンドはその夜パーティに出かけており、その際に必要な薬や、医療識別ブレスレット(服用している薬や症状等が書かれた医師への伝達用腕輪)を持参していなかったもよう。キスの後、彼女は呼吸困難になり、喘息用の吸入器を使ったものの効果がなかったため、ボーイフレンドにピーナッツを食べたかと尋ね、彼が食べたと答えると、「救急車を呼んで」と訴えたのだそう。

彼は救急車が到着するまでにCPR(心肺蘇生のための救命処置)を施し、到着した救急隊員はエピネフリン(アドレナリン)で蘇生を試みたものの回復せず、病院に向かう途中でデュクレ=ルメイさんは心肺停止状態に陥り、無酸素脳症(脳の酸欠状態)に。その後人工呼吸器を外され、死亡が確認されたとのこと。

モントリオール小児病院の小児アレルギーおよび免疫学科長であるクリスティーン・マカスカー医師が<CTV>に語ったところによると、15歳から30歳は最も深刻なアレルギー反応が起こりうるリスクの高い年齢なのだとか。だからこそ、アレルギー症状のある人は「"ダサいから"などという理由で、エピペンの携帯を怠ってはいけません」と訴えるマカスカー医師。「患者さんたちは"なんかおかしいな"から"これはまずい"と感じるまでがどれほど短時間なのかを、きちんと認識していません」。

アメリカのニュースチャンネル<FOXニュース>の情報では、当時デュクレ=ルメイさんは周囲に、アレルギーが軽くなったと話していたそう。しかしマカスカー医師は、「そのようなことが当てはまるのは、アレルギー患者の5人に1人程度です」と指摘。多くのメディアではこうした状況のとき「歯を磨くことでアレルギー反応を抑えられる」と報道しているそうだけど、決してこのようなことが起こらないようにするための唯一の方法は、ピーナッツを食べたら、キスをするまでに長時間置くことなのだとか。

1030代のみなさんは、特に深刻なアレルギー症状の出るリスクの高い年齢。正しい知識を持って、このようなことが二度と起こらないようにしたいものです。

※この翻訳は抄訳です。

Translation:mayuko akimoto

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