コスモポリタン イギリス版によると、あるイギリス人女性が中絶をしたことにより有罪とみなされ、懲役3カ月(執行猶予つき)の判決を受けたという。

宗教的な背景により、中絶に関して女性の権利が尊重されない、古風かつ時代遅れな法律を維持する北アイルランド。女性はベルファスト在住21歳で、与えられた執行猶予は2年だという。つまり、2年間裁判所の提示する条件(12項目にも上るともいわれている)に従えば、刑務所行きを免れるということになる。

被告人(とされている女性)は、不本意な妊娠の中絶のため、違法ドラッグをネット上で購入した罪に問われているという。アイルランドの法律によると、妊娠何週目であっても、中絶は違法とされているのが現状。彼女は中絶が合法化されている隣国のイギリスに渡り、中絶を安全に受けたかったが、そのための経済的余裕がなかったという。

女性は当時まだ妊娠1012週目で、これはイギリスなら中絶可能期間とされる1214週の範囲内。

北アイルランドの法律がいかに時代遅れかを補足すると、現在の法律は1901年まで即位していたヴィクトリア女王により制定されたものだという。つまり、115年前の話ということになる。

北アイルランドでは、"この女性は中絶を受ける必要がある"と国民健康保健局が認めるのは、"精神的、または身体的健康状態への、深刻かつ長期的なリスクを伴う可能性が高い妊娠の場合"に限られている。言い換えると、健康状態への深刻なリスクがない限り、女性は自分の体に対して選択権がないということ。

妊娠に伴う状況が考慮されないのはなぜなのか。強引にさせられた妊娠だったら? 子どもを育てられるような経済状況じゃなかったら? 新たな命への責任を負うための心の準備ができていなかったら? 中絶を希望する理由は数多くあり、本来なら尊重、許容されるべきであるはず。

法律が彼女にもらした悲惨な体験は、想像を絶するものだったと思われる。中絶当時、彼女は19歳。その若さで不本意に妊娠し、きっととてつもなく途方に暮れ、インターネットに頼るしかなかったのではないだろうか。そして自らリスキーな中絶を行ったものの、共同生活をしていたハウスメイトが血で汚れた布と胎児の亡骸らしきものをゴミ箱で発見し、警察に通報されてしまったのだという。

母親になるためには十分な覚悟や準備期間が必要であり、そのタイミングを自分で決めることは、すべての女性に与えられるべき当然の権利。1日も早く、この法律が見直させることを祈るばかり。

この翻訳は、抄訳です。

Translation:名和友梨香

COSMOPOLITAN UK