飲み会が続いたり、ストレス発散のためにドカ食いしたり、食べすぎる理由はさまざま。その後お腹がパンパンに張って「く、苦しい…!」と唸っても、時すでに遅し。

そんなときに役立つ、「胃もたれ・お腹のハリの対処法」を、専門家がコスモポリタン アメリカ版に伝授。もしものときはぜひ参考にして。

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【食後5分】食べ過ぎた直後にまずやること

「お腹いっぱい! もうひと口も食べられない」と言ったはずなのに、誘惑に負けて食べ続け「気持ちが悪い」「吐き気がする」と感じるレベルにまで到達してしまったとき…。そうなったら、まずは箸やフォークを置いてテーブルから離れることからスタート。この段階ですでに胃には相当の負担が掛かっているはず。

胃のムカつきが本格的になる前に、ズボンやスカートのホックをはずし、お腹周りを"締めつけ"から解放して。ニューヨーク大学ランゴーン医療センターで臨床准教授を務める、胃腸科専門医のリサ・ガンジュー医師は「体を締めつけたままの状態では胃や腸など消化をつかさどる臓器にストレスを与えるため、より気分が悪くなってしまうのです」と説明。

気分が悪くなると「水を飲んだ方がいいのでは」と思う人もいるはず。でも水を飲むと満腹感が増す可能性もあるので、特に水分を摂る必要はないのだそう。でももしどうしても喉が渇いたという場合は、消化器系をリラックスさせる効果があると言われているペパーミントなどのハーブティを、ゆっくりひと口ずつ飲むのがオススメとのこと。

食道括約筋を優しく刺激し、胃の中にたまった空気をゲップとして体外に出す働きもあるのだとか。ただし、熱すぎる、または冷たすぎる飲み物や、一気に大量の水分を摂ることは現時点では避けた方がよさそう。

【食後15分】体を垂直に保つのがポイント

お腹が苦しいと「できればソファーで横になりたい」と思ってしまうかもしれないけれど、まだできるだけ立ったまま、体を垂直に保つのが良さそう。横になると胃に圧力が掛かるため、胃酸が食道に入り、不快感や胃もたれがひどくなってしまう可能性があるのだとか。

この時点で腹部に痛みを感じる場合、腸内のガスを抑え、膨満感を改善するタイプの整腸剤を服用することも1つの方法。しかし下剤の使用は控えるべき、とガンジュー医師は指摘。「安全に消化のスピードが上がる方法はありません。消化に掛かる時間は個人差があり、また油っぽいものやスパイスを多く含んだ食事の後は、通常より長く掛かる場合もあります。自然に消化するのを待ちましょう」とのこと。

【食後30分】少し体を動かしてみる

まだ満腹感はそのままだけど、お腹のハリや気分はやや緩和し、少しぐらいなら動けそうな場合。「歩くことで消化管がほどよく刺激され、食べ物が腸へと下りていく助けになることも。じっと座っているだけでは、消化管の働きは鈍くなってしまいます」とガンジュー医師。

「お腹をさするのも効果的です。赤ちゃんをなでるようにお腹をさすりましょう。自分自身がリラックスすることで、消化管もリラックスし、スムーズに働いてくれるのです」

【食後1~2時間後】軽いストレッチやヨガのポーズで胃腸をリラックス

食べ過ぎると眠くなってしまいがちですが、このタイミングで眠りに落ちるのは、消化不良の原因となりうるため避けましょう!

この段階では、軽いストレッチや呼吸法を用いて、胃腸をリラックスさせるのがオススメ。ヨガでは休憩のポーズとして知られる「チャイルドポーズ」や、仰向けになって両膝を両手で抱くようなポーズをとり、そのまま深呼吸をすることで、胃腸などの消化器のストレッチになるそう。

ここで注意するべきなのが、頭が腹部よりも低い位置にくるようなストレッチポーズは、胃酸の逆流を引き起こすことがあるため避けるべきとのこと。

【食後2~3時間後】食べたものが消化状態へ

この段階では、食べたものがほとんど消化した状態となり、胃酸の逆流の心配がなくなるので、横になって休んでもセーフ。しかし、不快感があるのであれば体を起こし、もう少し座ったままリラックスしましょう。

「お腹をさするのも効果的です。赤ちゃんをなでるようにお腹をさすりましょう。自分自身がリラックスすることで、消化管もリラックスし、スムーズに働いてくれるのです」(ガンジュー医師)

【食後4~6時間後】食べ過ぎたからと言って、次の食事を抜かないことが重要!

食後4~6時間経つと、「回復してきた」と実感し、気分もずっと良くなっているはず。食べ過ぎたのがランチだった場合、小腹が空いてくるころだけど、出来るだけ軽めのディナーを心掛けて。「すでに昼食でカロリーを摂りすぎているのですから、夕食で調整しましょう」とガンジュー医師。食べ過ぎた後の食事は、野菜たっぷり、カロリー控えめがベストのよう。

また重要なのが、前の食事で食べ過ぎたからと言って次の食事をスキップしてしまうと、不規則な食生活のキッカケとなってしまうことも。ジョンソンさんによると、少量でもいいので、通常通りのスケジュールで食事をするのが大切なのだとか。

【翌日】ヘルシーな朝食を

すっかり回復した翌日。昨日を反省して朝ごはんは抜きで…と考える人もいるかもしれないけれど、機能性医学を研究するクリーブランド医療センター長のマーク・ハイマン医師は「プロテインや良質な脂肪などの栄養素を適度に含んだ、健康的な朝食をしっかりと食べること」と解説。

「パンツやスカートがキツく感じている場合でも、食事を抜かない方がいいのです。代謝を活性化させるためにはヘルシーかつ適度な食事は必要です。加えて運動することも大切です」とハイマン医師。極端なカロリー制限は、爆発的な食欲の呼び水となり、食べ過ぎを繰り返してしまう可能性もあるので要注意なんだとか。

お腹のハリや胃痛を避けたいのなら、そもそも食べ過ぎないようにすることが大切。でももし食べ過ぎてしまった場合は、上記アドバイスに従って慌てずに回復を待ってみて。


※本記事は、Hearst Magazinesが所有するメディアの記事を翻訳したものです。元記事に関連する文化的背景や文脈を踏まえたうえで、補足を含む編集や構成の変更等を行う場合があります。
Translation: 宮田華子
COSMOPOLITAN US