「お手洗いの便座よりも○○の方がバイ菌だらけ!」なんて話をよく耳にするけど、アリゾナ大学微生物学教授のチャールズ・ゲルバ博士は、まさにその道のプロ。私たちの日常にひそむ微生物(いわゆるバイ菌)の研究と著書の出版に人生をささげ、アメリカでも名高いエキスパートとして知られる彼は、友人や同僚らに"バイ菌博士"と呼ばれているんだとか。

長年にわたってトイレスプレーやキッチンスポンジにひそむバイ菌を研究したり、それらがどのように蔓延するのかなどを調査している博士。そんな彼に、自分の自宅をどんなふうに掃除しているのか、コスモポリタン アメリカ版が聞いてきました!

1.お手洗いやお風呂場よりも、キッチンを念入りに

博士いわく、多くの人がお手洗いの汚れや掃除にばかり気を取られ、キッチンに目を向けることを忘れがちなんだとか。例えばキッチンスポンジは"悪の根源"。便器よりもバイ菌がたくさん付着している可能性があるため、博士は1カ月に1回交換するようにしているそう。

「まな板も危険リストの上位に入ります。調査を通しても、まな板の掃除は見落とされがちだということが立証されています。野菜用と肉用のまな板の使い分けはマスト。冷蔵庫の取っ手やタオルかけ、流しの蛇口なども使用率が高い分、汚れが集中しやすい場所です」

2.冷蔵庫の下は要注意

「水滴が垂れて、汚れが溜まり、まずカビが生え始める場所がここ。冷蔵庫の最下段に入っているものはそれだけ菌がつきやすいということなので、要注意です」とのこと。

3.テーブルの上にお財布を置くのはNG

カウンターやテーブルの上に鞄をポン…この女性がしがちな行動の1つがNGなんだとか。

「多くの鞄には大腸菌が付着しています。それなのに、料理をしたり食べたりする場所にみんな平気で置いちゃうんです!」

4.エコバックは定期的に洗おう

「エコバッグを"洗うように"って表記は、取り扱い説明書に書いておくべきですよ。実は下着よりもバイ菌だらけなのに、それを使う人の半数は一度も洗ったことがないようです。エコではあるかもしれませんが、鞄と同様、バイ菌が繁殖しやすいアイテムですし、何より食品を入れるものであるという点が厄介です」

博士の家庭では洗いやすいエコバッグを使用しているんだとか。また、色違いでいくつも用意し、肉用、野菜用、缶詰用など使い分けているそう。

5.ハンドタオルは週1で洗濯、あるいはペーパータオルを使用する

「昔は朝、顔を洗ったあとタオルで拭いていたんですけど、大腸菌がついていると知った今はもうできません! フェイスタオルやハンドタオルは最低でも週1回は交換すること。お子さんがいる家庭ならさらに頻繁に。今はもっぱらペーパータオルを使いますね…環境に優しくないという人もいますが、何かに感染して下痢になったら、今度はトイレットペーパーの無駄遣いになっちゃいますから!」

6.スプレーよりも除菌シートがおすすめ

「スプレーを使う際は、通常吹きかけてから10分置かないといけません。でもそんな長く待てませんよね。だから私は代わりに、同じだけ効果のある除菌シートを使うようにしています」

ただし、除菌シート1枚だけでキッチン全体を掃除しようとするのは危険なんだとか。1枚で全体を拭いてしまうと、バイ菌を他の箇所に広げてしまいかねないからだそう。「基本的には1枚で1平方メートル分、つまりキッチン全体をきれいにするには3枚は必要になります」

7.ハンドジェルも常備すべし

博士は1日に4~5回はハンドジェルを使うそう。最近の一部調査では、抗菌ジェルや石鹸の類は、水での手洗いと効果がさほど変わらず、最悪の場合、抗生物質に耐性のある菌の増殖を招いてしまうといわれているのだとか。しかし、これを立証するためにはさらなる研究が必要で、特に問題視されているのはトリクロサン(殺菌剤)を含む商品だという説も。その点、ハンドジェルはトリクロサンを含んでおらず、主にアルコールによる除菌が可能とのこと。

「個人的には、単なる手洗いよりも断然効果的だと思います。もちろん、正しい手洗い方法をきちんと理解しておく必要はありますが。時間をかけてしっかり手を洗っても、トイレのドアノブを触ったら(特に公衆トイレはひどい!)すぐにまたバイ菌だらけになっちゃいます。ほとんどの菌は手につくので、ハンドジェルを使うことによって病気になる確率も低くなることが実証されているんですよ」

8.洗濯後も油断は禁物!

博士は洗濯物を干した後にも、ハンドジェルを使うのだとか。

「塗れた洗濯物を干した直後の人の手を測定したら、なんと大腸菌がついていたんです。なぜなら、洗濯物に付着したバイ菌は洗濯ドラムの中に蓄積し、洗濯用洗剤だけでは完全に洗い流さすことができないからです」(完全に洗い流すためには、熱湯や漂白剤が必要とのこと)

9.公園はバイ菌の宝庫だということを忘れずに

「孫には極力公園で遊ばせないようにしています。公園はいわば"ハトの公衆トイレ"のようなもので、大腸菌のついていないサッカーボールなんてありませんからね。小さい子どもたちが来るときはいつもハンドジェルを使って除菌させます。子どもの手には必ずと言っていいくらい大腸菌がついていますから」

この翻訳は、抄訳です。

Translation:名和友梨香

COSMOPOLITAN US