決まったものしか食べられない「選択的摂食障害」とは?

「摂食障害」は、拒食症や過食症だけじゃない!

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ブッフェ式のパーティやホテルの朝食バイキングなど、たくさんの食べ物がずらりと目の前に並べられたとき、あなたはどんな行動に出る? 「あれもこれも食べたい!」とたくさんの種類の料理をお皿に盛る人もいれば、本当に好きなものだけを厳選する人など、食に対する趣向は人それぞれ。しかし世の中には「おいしそう!」と思っても食べられない、健康に対する強い不安や食への嫌悪感から特定の食べ物しか摂取できない…という人たちが。今回はそんな症状について、コスモポリタン イギリス版から紹介。

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選択的摂食障害Selective eating disorder、略称『SED』)とは、目の前にある食べ物を『おいしそう』『食べたい!』と思っていても、食への嫌悪感が勝ってしまうため食べることができない、または口に入れたとしても飲みこむことができない症状を指します」。そう語るのは、公認カウンセリング心理学者であり、臨床催眠療法士、そして食物嫌悪の専門家であるフェリックス・エコノマキスさん。

「特定の食べ物について考えただけでも恐怖を感じ、触ることさえできない人もいれば、触ったり匂いをかいだり少量であれば口に含むことまではできるものの、飲みこむことができないという症状の人もいます。またほとんどのSED患者に『(特定の食べ物について)食べたり匂いを嗅いだりすると吐き気をもよおす』という症状が見られます」

エコノマキスさんによると、子ども時代に経験した食にまつわるトラウマや感覚統合障害(味に対して極度に敏感、強い刺激を感じる)、そして(何らかの形で食が関係している)家庭内問題など、SEDを発症する原因はさまざま。しかし患者に共通する問題は「食べられないものが多い(または食べられるものが少ない)」ということだけでなく、「生活そのものに支障をきたす」ことだと説明。

現在SEDの治療を受けているハンナ・リトルさんは以前、トースト、プレーンビスケット、フライドポテト、卵以外のものを食べることができなかったそう。治療を受けて初めて「自分がいかに"食"に縛られていたのか」を知ったと語る彼女。

「痩せていたのにダイエットを続けていたので、生理不順な上に毎回ひどい痛みがありました。体力がないのでいつも具合が悪く、鉄分を補給する錠剤を服用していました。職場で倒れて気を失ったことがあったのですが、そのとき初めて『何とかしなくては』と思ったんです」

リトルさんの日常生活は、常にSEDと共にあったそう。「友だちと出かけたりする、いわゆる"社交"が本当に苦痛でした。友人と晩御飯を食べるとか、彼氏の家でランチを食べるなんてことは不可能! 毎日同じものしか食べられないことを知られたくなかったので、トイレでランチをすませたこともありました」。

拒食症と過食症以外の"摂食障害"の存在は、あまり知られていないのが現状。「私自身、自分の症状が何なのか分からなかったので、SEDと診断されたときはホッとしました。私の行動と食との関係が理解できたからです」。

正しく診断され治療を受ける現在、彼女は「SEDであることのつらさ、そして症状の複雑さをぜひ多くの人に知ってほしい」とコメント。「人は『ちょっとだけでも食べてみたら?』と簡単に言うけれど、こういった言葉はSED患者にとっては大きな精神的負担であり、パニックを引き起こすこともあるのです。SEDは自分自身が『食べること』の必要性を感じ、『この状況を変えたい』と強く思わない限り、治療を受けても効果がないんです」。

アメリカ精神医学会ではこの症状を「回避・制限性食物摂取障害」と名付けているものの、他の摂食障害の症状と分けて診断するのが難しいとされているよう。「地域にある摂食障害を専門とする医療施設に通っている場合でも、正しい治療を受けていないSED患者が多いと言われています。拒食症または過食症患者として治療を受けるか、体重が極度に減少した際の処置のみを受けている場合が多いのです」とエコノマキスさん。その上で、彼は下記のようにアドバイス。

「自分を責めるのはやめましょう。SEDはあなたを守るため、脳が出している指令です。食べ物に意識を集中することであなた自身がトラウマから逃れるための、いわば"生き抜くための本能"のようなものなのです」

「家族でさえあなたの症状を理解できず、SEDになった原因も分からないことが多いのです。まず家族や親しい人たちにSEDのことをしっかり伝え、同じ症状の人たちが集う自助グループやフォーラムなどに入りましょう。孤独に症状と闘うのではなく、皆と気持ちを分かち合うことで『1人ではない』と安堵を感じる患者は多いのです」

現在も症状と闘っているリトルさん。そんな彼女の心の支えは"家族の存在"。

「今でも気分がすぐれない日は、決まったもの以外を食べることができなくなってしまいます。でもそんなときは子どもたちのことを考えるんです。彼らのためにも回復したい――心からそう思っています」

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN UK

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