SNSにアップされるスタイル抜群の女性たちの写真は、見る側にとってカラダを鍛えるモチベーションに繋がることもある一方で、自分のカラダに対する自信の低下に繋がるケースもあるよう。

今回ご紹介するのは、その"後者"にあたる、ある女性のストーリー。40万人以上のインスタフォロワーを抱えるソフィー・グレイさんは、SNS上では一見完璧に見える写真の裏で、自尊心との壮絶なバトルを繰り広げ、やがて自分なりのある答えに辿りついたのだそう。

そんなソフィーさんの告白を、コスモポリタン アメリカ版からお届けします。

他の女の子たちのアカウントを見ながら劣等感に苛まれていた私と同様に、きっと他の女の子たちも、私のアカウントを見ながら劣等感に苛まれていたのです。

「インスタグラムで見る写真はどれも、キレイな女性がシックスパックや有無を言わさぬ美脚を見せびらかしているように見えて、それを見た私はどうしても不安にならずにはいられませんでした。インスタグラムは最近、"自尊心にポジティブな影響を与えるソーシャルメディアランキング"で最下位だったという調査データもあるようです。当然、私もその影響を受けた1人でした。フィード画面を何時間もスクロールしながら、もっと痩せていれば、もっと髪が長ければ、もっと歯が白ければ、もっと太ももが細ければ…と願ってきました。

でも、他の女の子たちのアカウントを見ながら劣等感に苛まれていた私と同様に、きっと他の女の子たちも、私のアカウントを見ながら劣等感に苛まれていたのです。

私は自身の腹筋セルフィーやワークアウト写真のおかげで、40万人を超えるフォロワーを獲得しました。『#人生の目標』とか、『#パーフェクトボディ』といったコメントを、頻繁にもらっていました。でも実のところ、私こそが他の子たちのフィードを見ながら自身喪失していた張本人だったのです…。

自身の"肉体改造"による達成感はおろか、私には常に溢れんばかりの嫉妬心、落胆、そして恥ずかしさがつきまとっていました。それはきっと、世界中の多くの女性がSNSに感じているのと同様のものだったのでしょう。

私のインスタグラムアカウント@wayofgrayを見たことのある人はお分かりだと思いますが、数カ月前までは、スポーツブラを着けた自分やグリーンスムージーの写真でいっぱいでした。自分は強い、自分は健康的だ、自分は人生を楽しんでいて何もかも順風満帆なのだ、と言わんばかりの写真の数々。少なくとも、周囲にはそう信じ込ませたかったのかもしれません

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「でも、もしあなたが私の彼氏だったら、その同日、まったく別人の私を目撃していたことでしょう。

きっとパニック発作に苛まれる私の隣で、必死に私を落ち着かせようとしていたと思います。または出張帰りに空港の手荷物受取所で大泣きしている私を、周囲の冷たい視線から必死に守ろうとしたかもしれません。もしくは帰りの飛行機への乗り継ぎができなかった私を迎えに来るために、レンタカーに飛び乗って、38時間のドライブに繰り出してくれていたはずです」

およそ8万人もの私のファンが、今日も不安を抱きながら生きているのです。そう、私と同じように。

「『#人生の目標』って誰のことだ、って感じですよね。同じ苦しみを味わったことのある人は、きっと同じ考えに辿り着いたことでしょう。

ある長期出張からの帰り道。またしても数え切れないほどの涙を流し、ウィスコンシン州の片隅でパニック発作に襲われながら、いくつもの自己啓発系ポッドキャストに支えられて、私はある結論に達したのです。

私はもう二度と、SNSにお腹を見せる写真は投稿しない、と。

どうしてかって? それは、ちょっとした算数をしてみただけです。現代では、若者の5人に1人 が不安を抱えて生きていると言われています。私にはインスタグラムだけでも40万人のフォロワーがいる。つまり、そのうちのおよそ8万人のファンたち(私を含め)が、どうしようもない不安に悩まされているということです。ならば、私の"完璧な人生"の描き方は、果たして彼らのためになっていたのだろうか。自分がこんなに苦しんでいるのだから、当然そうではなかったのだと思わずにはいられませんでした。

腹筋セルフィーと共に、私が無意識にみんなに与えていた自己卑下の感情。それに歯止めをかけなければならないと思いました」

"どん底に落ちる"というのがどういうことか、私は知っています。

「『誰かが自分の写真を見て、落ち込んだり自己卑下したりしても、それは自分のせいではなく、相手の問題だ』と誰かが言うのを聞いたことがあります。確かに、その理屈はわかります。そして、私自身も長いことそれを正当化し、同じように考えていました。他人の自意識は、私の責任ではないと。

でも、"どん底に落ちる"というのがどういうことか、私は知っています。自分以外の誰かになりたいと必死で思う気持ちも。鏡に映る自分を見て泣きながら、声にならないような声で『…何やってんの?』とつぶやく瞬間も。パニックに駆られてどこか遠くへ逃げ出したくなる気持ちもすべて、私は知っています。

そして今では、そう感じているのは自分だけではないと分かるようになりました。みんな同じ苦しみを抱えている。私たちは1人じゃない

「完璧な人生や体型を演出することによって、誰かの痛みや不安を助長するようなことはもうしたくないのです。私はむしろ、肯定的な変化をもたらすための力になりたい。不安に駆られている私のフォロワーたちを理解し、彼らに寄り添い、救いの手を差し伸べたい。そうすることにより、自分が経験してきた"困難"は決して無駄ではなかったと思えるのです。

時に、腹筋セルフィーがやる気を起こさせてくれることもあります。でも、それにはそれにふさわしい場所がある。それはもはや私の原動力ではないし、この事実を最高に幸せに思います。

だから、みなさんにも、自分のすべてを受け入れてもらいたいと思うのです。あなたは今、自分についてどう感じていますか?」

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

COSMOPOLITAN US