夏が近づくにつれ、冷たい飲み物、特にビールやカクテルなどのアルコールが美味しく感じられるもの。またこの季節は、友だち同士で旅行やキャンプ、パーティなど、何かと"羽目をはずす"機会も多くなるのでは? 

飲酒の危険性を頭の中では理解していても、賑やかな場では忘れがち――そんな人にぜひ読んでほしい「飲酒で命を落としかけた女子大生の体験談」を<Seventeen>から。楽しいパーティが命取りにならないよう、アルコールの危険性をいつも心に留めておくことが肝心。

どちらが大量にウィスキーを一気飲みできるか、男子と競っていたんです。

事件が起こったのは、楽しい夏休みのある週末のこと。2015725日、ネバダ州最大のカントリーミュージックフェスティバルが開かれたその日、ネバダ大学リノ校に通うハンナ・ロトリッツさん(当時20歳)は友人たちと一緒に、夕刻フェス会場に向かいました。

お目当てだったジョー・ニコルズとジェイク・オーウェンのライブを楽しみながらビールを23杯飲んだというハンナさん。ライブが終わったとき、「少し気分が悪いな」と思う程度に酔いを感じていたそうです。

友だちと少し離れて休もうとキャンピングエリアに行ったものの、そこには別の友だち(主に男子)が集まっており、パーティを繰り広げていました。負けず嫌いのハンナさんは、彼らと同じペースでウィスキーを飲む羽目に。

「男子なんかに負けない!」と思いながら飲んでいたのが午後11時半ごろだったとハンナさんは記憶しています。「どちらが大量にウィスキーを一気飲みできるか、男子と競っていたんです」。

その後に起ったことの記憶はほとんどないという彼女。友人たちの証言によると、ハンナさんはウィスキーをコップ1杯飲みほした後に倒れ、フェスの救急テントに運ばれた後、リノ市内の地域医療センターに搬送されたとのこと。

病院に到着したときの彼女の血中アルコール濃度は、州が制定している法的制限レベルの何と5倍! 急性呼吸器不全を起こしており、医師たちは「すでに脳死状態なのでは?」と思うほどだったそう。

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昏睡状態に陥ったものの、24時間後には目を覚ましたハンナさん。呼吸器が外れてしまうのを防ぐためベッドに両腕が固定され、手首には血液検査をしたことを物語る青黒いあざが残っていました。「目が覚めて最初に見たのは、手を握っているお母さんの姿。"大丈夫よ"と言ってくれました」。

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口をチューブで塞がれていたため話もできず、呼吸器検査をパスするまで装置をはずしてもらえなかったという彼女。1度目の検査では基準に満たず、その後数時間は話すことも動くこともできない状態だったそう。

「医師や看護師には『(搬入された状態から)一命を取り止めたなんて、運がよかった』と言われました」と後日ハンナさんは語っています。「(医師たちに)『アルコールで自殺しようとしたの?』と聞かれたんですが、この質問にショックを受けました。集中治療室のベッドの上で、アルコールの恐ろしさ、そして無責任な行為の愚かさに目を開かされた思いでした」。

退院から約半年後、無事21歳の誕生日を迎えることができたハンナさんは自身のブログに、この九死に一生を得た経験を綴りました。現在は完全に回復した彼女ですが、「自分はただラッキーだっただけ。同じ症状で命を落とす人もたくさんいます」と語っています。ウォッカを15杯飲んだ後、ほぼハンナさんと同じ症状に陥ったある17歳の少女は、蘇生することなく亡くなってしまったそう。

軽率な行為への反省と、命を失わずに済んだことへの感謝が書かれた彼女のブログ記事は、子どもを持つ親から同年代の人たちまでたくさんの人たちに読まれ、瞬く間に広まることに。そしてアルコールの危険性に対する認識を広めるため、その後も多くのメディアが彼女の記事を取り上げています。

「酔ってしまうと、危険性について考えなくなってしまうものです」と語るハンナさん。「あのとき(病院に搬送されず)放置されていたら、今私はここにいなかったかもしれません」。

ぜひハンナさんの体験談から、飲酒の怖さと、お酒との付き合い方を改めて考えてみてください。あなたを守れるのは、あなただけなのだから。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

SEVENTEEN US