子供を産まない選択をしても、産む選択をしても、何かしら言いたがる人が周囲に1人や2人はいるもの。事情は11人違うし、実際にその道を生きていくのは「その人自身」なのに…。

ここではコスモポリタン イギリス版に掲載された、「産まない選択」をした女性ライター、ニコール・ルパーツバーグさんによる記事を紹介。産まない選択をした人だけでなく、産んで育てている人も、現代を生きる同じ女性として彼女の意見に頷く点も多いのでは…?

昔ながらの家族生活が理想だという人たちに分かって欲しいのは、その価値観は全ての人々が共有できるものではない、ということ。

16歳の頃、すでに「将来子供は欲しくない」とわかっていた私。でも、私の発言は周りの人たちにとっては「十代にありがちなこと」で、この子は目の前のことしか見てなくて、遠い未来のことを考えたくないだけなんだ、と思われてた。

「いつか気が変わるわよ」

そう言われるたびに心の中で「変わらないわ」って思ったわ。その通り今も変わってないし、この先も変わらないと思う。

世間には、大人になる過程で定められた"暗黙の筋書き"がある。「家族至上主義者」にとっては、その筋書きから外れた人間は「普通じゃない」とか、時には「逸脱してる」って思われることも。学校に行って、就職して、結婚して、家を買って、家族生活がスタートして、子供を育て上げて、定年を迎えて…。

問題は、そんな「典型的な大人の生き方」そのものが過去のものになりつつあり、新しい世代には無関係になってきているということ。シングル生活が長くなり、安定した昔ながらの仕事が減って、安定性が低いフリーランスの仕事が増え、家を買うことがもはや成功の証ではなく束縛や重圧になってしまい、子供を持つことも結婚することも選択肢にはなく、支払いが高額でペナルティが厳しい年金を払うより、収入は投資に回して40歳で引退し、南米のリゾートに移住するのが夢、という新しい世代。そう、時代は変わったの。

昔ながらの家族生活が理想だという人たちに分かって欲しいのは、その価値観は全ての人々が共有できるものではない、ということ。そして次に子供を産まない選択をした女性たち(なぜかいつだって"女性たち"、なのよね。"男性たち"、ではないの)に会ったときには、おかしなものを見るような目で質問攻めにする代わりに、自分の考えを心の中にしまっておくことも検討してみて。

私が自身の経験上、周りから言われて困ったセリフがこれ。

1.「いつかあなたも考えが変わるわよ」

異国情緒たっぷりのホリデーに行くか、それともレオパード柄の高級パンプスを買うかの判断なら変えたことがあるわ。でも人間1人をこの世に送り出すか否か、みたいな重要な問題について、自分の考えをコロコロ変えることはないわね。

2.「じゃあ、誰があなたの老後の世話をするの?」

老人ホームのスタッフにお願いするつもり。

3.「自分の生きた証を後世に残したいとは思わない?」

思うわよ。でも、自分の遺伝子を残すことばかりが自分の生きた証を後世に残すことじゃないと思うの。

4.「でも、出産は素晴らしい奇跡よ!」

素晴らしいことには違いないと思うけど、人類が地上に現れてから何万年もの間、何億人もの女性たちが経験してきたことだし、すべての人が「奇跡」と感じるとは限らないんじゃないかしら。 

5.「赤ちゃんを自分の腕で抱くまで、本当の愛が何かはわからないと思うわ」

それって、友達や、家族や、恋人に対して失礼な気もするわ。私はちゃんと「愛」を知ってるつもりよ。

6.「子供は人生に喜びをもたらしてくれるのよ」

私の母親はよく「誤解しないで、子供を愛してるわよ、でもね…」と切り出しては不満を口にする人だった。今度は私の番。誤解しないでね、親子間の愛情は本物だと私だって思うわよ。でも人生の喜びって、子どもだけがもたらしてくれるものじゃないと思うの。

7.「子供はあなたの人生を変えるわよ」

もちろん! でもそれって必ずしも「いい方向に」とは限らないのよ。

8.「子供を産む生物学的限界が近づいてくる頃には、子供が欲しくなるものよ」

生物学的限界が近づいているけど、まだ欲しくはならないわね…。

9.「子供はあなたを無条件で愛してくれるのよ」

いいえ、人間を無条件で愛してくれる生き物は犬よ。子供があなたを無条件で愛してくれるのはせいぜい12歳まで。それ以降はお金のかかる思春期のティーンエージャーに早変わり。

10.「どうして欲しくないの?」

時間、お金、体力、自由…理由は星の数ほどあるわ。

※この翻訳は抄訳です。

Translation:山下 英子

COSMOPOLITAN US