近年世界的に広まりを見せている、「性の多様性」に対する認識。でも、世の中にはまだまだ超えるべき壁がたくさんあるのも事実…。

今回お届けするニュースも、その中の1つ。コスモポリタン アメリカ版によると、ニュージャージー州に住む8歳の男の子が、トランスジェンダーであることを理由にカブスカウト(ボーイスカウトの年少版)から除隊されたと、<AP通信>が報じているのだとか。

<The Record>によると、8歳のジョー・マルドナドが昨年10月に、「シコーカス87団」というチームに入団したところ、1カ月後に除隊するように命じられたのだそう。

ジョーは記事の中で、「僕は悲しみよりも怒りを感じました。僕は自分を男の子だとみなしています。もし僕がカブスカウトのメンバーだったら、絶対に誰に対しても入団を拒否したりなんてしません。それが正しいことだから」とコメント。

ジョーは女の子として生まれたものの、過去1年以上にわたって、男の子として生活しているそう。母親のクリスティーさんによると、ジョーは学校でも男の子として扱われており、今回の除隊はほかのメンバーではなく、"彼らの親"たちが苦情を訴えた結果とのこと。

「誰1人として、『ここは君のいるべき場所じゃない』と僕に言ったメンバーはいませんでした」

アメリカのボーイスカウトは同様の問題で長年論議の的となっており、同性愛者のスカウトやリーダーを受け入れるようになったのはごく最近のことのよう。しかし、広報担当のエフィー・デリマルコス氏は今回の件について、トランスジェンダーの子供の場合は「別問題」だという声明を発表。

「私たちのプログラムは、性的指向を理由に参加を拒否することはできません」と話す一方で、「性同一性と性的指向は別問題です」と発言したデリマルコス氏。

ジョーの状況や、トランスジェンダー団員のためのポリシーの有無についてはノーコメントだったものの、彼女の声明によると、カブスカウトのプログラムは「出生証明書に男の子と記載されている子供のみを対象にする」と書かれているという説も。

片や、ボーイスカウト団員たちの公平な権利を支援する組織<Scouts for Equality>のエグゼクティブ・ディレクターを務めるジャスティン・ウィルソン氏は、性同一性障害を理由にスカウトが入団を拒否した事例はこれまで無かったとコメント。

彼によると、南部のある州とニューヨーク州で1人づつ、少なくとも2人のトランスジェンダーの男の子がカブスカウトに入団していることを把握しているらしく、また、通常スカウト側はメンバーが入団するときに出生証明書の提示を依頼していない、とのこと。

ジョーの母親は、ボーイスカウトからジョーの退団に関して電話がかかってくるまで、彼のことを問題視している人がいたことは知らなかったとコメント。

また、ボーイスカウト側は、現状この件についてのコメントを拒否。

ちなみに、ボーイスカウトとは無関係のガールスカウトは、何年にも渡ってトランスジェンダーの子供たちを受け入れているんだとか。

まだ8歳の子供が、このような問題と闘わなければならないなんて…彼らをありのまま受け入れる社会が、1日も早く実現することを願うばかり。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:Rubicon Solutions, Inc

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