海外では、流産や死産、または新生児や乳児の頃に亡くなってしまった赤ちゃんの後に生まれた赤ちゃんのことを「レインボーベビー」と呼ぶそうです。悲しみの中にいるパパとママの元に訪れてくれる赤ちゃんは、嵐が過ぎ去った後の空に架かる虹のような、希望を表す存在だから…という理由から。そんな「レインボーベビー」を題材にカメラを握った女性カメラマンのニュースを、彼女の色鮮やかな写真と共に、コスモポリタン アメリカ版からお届けします。

米ミズーリ州セント・ピーターズ在住のカメラマン、アレックス・ボーレンさんは初めて妊娠したとき、Facebookでいくつかのママさんコミュニティに参加したそうです。すると、そこで耳にしたのは、最愛の赤ちゃんを失った何人もの女性たちの話。「(話を聞くたびに)どんどん怖くなり、不安が募っていきました」と話すアレックスさん。

幸い元気な女の子を出産した彼女でしたが、妊娠期間中に出会った、自分とは違う道のりを歩むことになってしまった数々の女性たちのことが頭から離れなかったといいます。

そんなある日、「レインボーベビー」という言葉を知った彼女は、レインボーベビーの出産を経験した女性たちを集めて、特別な撮影会を開くことを決意。「喪失を乗り越えた6人それぞれの物語を映し出すというイメージでした」と、アレックスさんはモデル選出の際の思いを振り返ります。

選ばれた女性たちはそれぞれ異なる色のドレスを身にまとい、アレックスさんは友人らの協力を得て、写真が特別目を惹く作品になるようにと、カラースモークを使用。そうして出来上がったのが、こちらの写真。

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「撮影の現場は本当に神秘的でした」と話すアレックスさん。「お父さんたちはみんなすぐ側で他の子どもたちの子守りをしたり、スモークを焚く手伝いをしてくれたり、美しい自分の妻たちを応援したりしていました」。

完成品は本当に息を呑むような美しさ。でも何よりも胸を打たれるのが、それぞれのお母さんたちの物語。

赤色のドレスに身を包んだのはヘザー・テラノバさん2度の流産を経て、自衛隊員の夫との間にようやくできた「レインボーベビー」をお腹に宿し、38週目に撮影。

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オレンジ色のドレスの女性はヒラリー・ファンクさん2人の息子さんの間に、妊娠してわずか数週間で流産してしまった子がいたそうです。

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黄色のドレスを身にまとうのはカイラ・マリーさん1年におよぶ妊活の末に流産し、新しい兄弟の誕生を心待ちにしていた5人の子どもたちと共に、大きく落胆したといいます。

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緑色のドレス姿の女性はサラ・マーキヴィーさん19歳のときに想定外の妊娠をし、悲しくも流産してしまった過去を持ちます。

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青色のドレスに身を包むのはアシュリー・ジョーンズ・バーリーさん。妊娠後に発覚した度重なる健康問題により、8年間で6回もの流産を経験したそうです。

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紫色のドレスの女性はハンナ・ペルトネンさん。妊娠35週目で、17時間の陣痛の果てに死産した我が子を腕に抱いたといいます。

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アレックスさんの写真は決して、彼女たちが失った命の尊さを埋めることも、心の悲しみを完全に癒すこともできません。けれど、生まれて来れなかった我が子への喪失感を抱えるすべての女性に向けた、力強いメッセージがそこにはあります。「あなたは独りじゃない。時が経てば、希望の虹がきっと架かるよ」と。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

COSMOPOLITAN US