なぜ女性の服のボタンは左についていて、男性の服のボタンは右についているのか…そんな素朴な疑問の答えに迫った記事を、コスモポリタン アメリカ版から。

以下が19世紀ごろまでさかのぼって発見した、ボタンにまつわるトリビアの数々。中には現代の女性が読むと、ちょっとイラっとする意見も…?

1.「実は授乳のためだった」説

授乳用にデザインされたトップスなんてなかった時代。ほとんどの女性が右利きだったため、赤ちゃんを左手で抱っこしながら利き手でシャツを開けるには、ボタンは左側についている方が便利だったのでは?と言われているらしい

2.「乗馬をする女性のためだった」説

19世紀の女性は乗馬する際、サイドサドルという横座りで乗馬をしていたのだとか。その際身体の右側を前にして座る人が多かったため、ボタンは左側についている方が、前方から風が服に入り込みにくい…という理論

3.「上流階級夫人の服は、メイドが着せていたため」説

上流夫人とメイドpinterest
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もっとも一般的な理由が、かつて西洋では上流夫人の服はメイドが着せており、彼女らがボタンをかけやすいようにボタンを左側につけるようになった、というもの。が、これに対しては異論があるもよう。

実は、17世紀~18世紀ごろ、男性も服は使用人が着せていたらしい。なのに女性の服だけボタンが左側なのはやや矛盾している? その上、女性の服にボタンがついたのは18世紀以降、今のように左に縫い付けるのが定着したのは1860年以降で、「メイドが服を着せる」という文化が始まってから100年以上も経っていたのだとか。そもそも、基本的にワガママだったであろう上流階級の人たちが、使用人のためにボタンをつける位置を変えるだろうか、という疑問も。

4.「一般人が上流階級の服をマネた」説

上流階級の婦人服のボタンが左側についていたのを一般人がマネて、それが定着したという説も。

5.「男性は銃器を使うためにボタンが右側になった」説

今より狩りが一般的だった時代、男性は右手で銃を持つために左手でボタンを外しやすいよう、ボタンを右側につけるようになったという説。

6.「ナポレオンが決めた」説

ナポレオンpinterest
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ナポレオンの時代に、彼の特徴的な「ベストに手を入れる」という権威の象徴のポーズを、女性がおもしろがってマネするのが流行ったらしい。そこで頭にきたナポレオンが、マネできないように女性服のボタンを男性と反対につけるように命令した、という、相当眉唾な説

7.「ジェンダー不平等」説

1894年にハヴロック・エリスという性科学者が書いた『Man and Woman: A Study of Secondary and Teritary Sexual Characters(1894)』によると、女性のボタンが左についているのは「女性が男性より強さ、俊敏さ、正確さに欠けていることからきている」と書かれているのだとか。また、「自分で服を着られないため(3番を参照)、自動車の運転の面でも女性が劣っている」という記述も! もうひとつ別の説では、女性が男性に近い服装をするようになり(シャツ、ズボンなど)、生産者はボタンを逆につけ続けることで混同を防いでいた、というもの。

結論としては、1850年頃にはそれなりに意味があったけど、現在は形式的に残っているだけということらしい。

中には女性のボタンが左側についている=女性差別が残っている象徴では、という説を唱える人もいるようだけど、最近はユニセックスの服を作るブランドも増えてきているし、どちらにしても今となっては、ボタンが左についていることに深い意味はなさそう。

※この翻訳は抄訳です

Translation:山下 英子

COSMOPOLITAN US