自分の人生は自分でしか生きられないし、どう楽しんでいくかは毎日の選択と気持ち次第。どんな生き方だって、自分で選んできている人はいつだって魅力的に見えるし、自然と心惹かれるもの。コスモポリタン日本版では、人生を謳歌しているさまざまな女性の生き方を紹介していきます。

ハワイで活躍するアーティスト、クリス・ゴトー。彼女の絵は、顔が見えないものが多い。女の子がヒトデに顔を覆われていたり、傘をさしながらサーフィンしていたり。遊び心に富んでいるけれど繊細なタッチで描かれた絵は、ハワイのサーフアート界に新しい風を巻き起こしている。クリス・ゴトーとはどんな人なんだろう? 顔が見えない絵を眺めながら、会ってみたくてしょうがなくなった。彼女は、訪れた瞬間、とびきり大きなハグで迎えてくれた。明るくて、たくさん表情の変わる、お茶目な人。そうかと思えば、シャイで真面目な一面を覗かせる。彼女は、絵のイメージそのままだった。

―ハワイでアーティストになるまでは、どんな暮らしを?

鹿児島県で生まれて、9歳まで田んぼの真ん中で遊んでいました。親の仕事で香港に住んだり、ニュージーランドに留学したりした後、18歳の時にハワイへ。アメリカ本土の学校でアートを学ぼうかと思ったこともあったけど、「自由な発想を活かせそうなハワイで試してみたら」と言われて、独学で絵を描いてきたの。絵が売れるようになってからも現実味があまりなくて、他の仕事もしていました。つい最近、アーティストとしての人生と向き合っていこうと思って専念し始めたばかり!

【私の生き方】クリス・ゴトー(ハワイ・28歳)pinterest

―子どもの頃から、絵を描く仕事を夢見ていたの?

漫画家になりたかったの。いつからって? 生まれた時からずっとだと思う(笑)大好きだった「わかったさんのおやつシリーズ」を写したり「星のカービー」を描いたりしてました。海外で暮らし始めても、日本でトーンとか買って帰って、ひたすら漫画を描いていたかな。漫画を描いてきたことで、デッサンの基礎が自然に身についたんだと思っています。

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―実際、アーティストってどんな仕事ですか?

向上心、持続心、自制心を持って、自分と向き合っていく仕事かな。10時間くらい椅子に座りっぱなしで、絵を描いていることもあります。ひとりでアトリエにこもることが多いけど、人の声がすると落ち着くから、見慣れたDVDをずっと流しているの(笑)。とにかく書き続ける。ほんと毎日、地道に積み重ねていくことが大事だと思っています。

―絵のアイディアは、どんな風に浮かんでくるのでしょう?

プレッシャーがないと、アイディアって浮かんでこないの。デッドラインに対する脅迫感が、クリエイティビティを発散させてくれると思うんです。イメージソースになりやすいのは、人間観察をしていて気付いた変な人とかおもしろいこと。記憶の中にあるものを探る感じかな。

―これまで描いてきた絵で、気に入っているものを教えてください

風船と赤ちゃんの絵かな。赤ちゃんは下を向いていて、背中に付いている風船に気づいていない。自分が持っていないものを気にしてばかりで、持っているものに気づいていないの。あれが欲しいこれが欲しいじゃなくて、自分がすでに持っている魅力に気づこう、見つめ直そうっていう絵なんです。

【私の生き方】クリス・ゴトー(ハワイ・28歳)pinterest

―これからやってみたいこと、考えていることはありますか?

もしアーティストとしてもっと有名になることができたら、10年後くらいに大学へ進んで、新たに技術を学んでみたいんです。今より自由に絵を描く時間ができたとき、私は何を描くんだろうって考えると、わくわくするの。絵が自分とともに成長してくれるといいな、と思っています。

―夢や希望をかなえるコツって、何でしょうか?

自分の気持ちを無視して取り組んだことって、うまくいかないことが多いと思うの。正直でいることが大切だと思っています。自分にも、周りの人にも、そして作品に対して、正直に向き合っていきたい!

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作品は「Green room Hawaii」で購入可能