葛藤しているヒマがあったら即行動!プロサッカー選手から学ぶ人生教訓

「HJKヘルシンキ」で背番号10番を背負う、サッカー選手の素顔に迫る!

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Jリーグ「アルビレックス新潟」に所属し、10年にわたり活躍した田中亜土夢選手。新潟出身の選手としてサポーターや地元の人々から愛されていた彼が、プロ10年目に決断したのが"海外リーグへの移籍"。初の日本人選手としてフィンランドに渡り、現地の強豪クラブ「HJKヘルシンキ」で10番をつけてプレーすること、早くもシーズン3年目。2年連続ベストイレブンに選出されるなど、新天地でもブレない彼の強さの秘訣は、幼い頃からの「挑戦することが常」という姿勢にあった。

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―サッカー選手になるまでの道のりは?

僕には2人の兄がいるんですが、彼らの影響でサッカーを始めました。当時はまだJリーグが始まったばかりで、新潟にはプロチームはなかったんです。今でこそ、新潟の高校やアルビレックス新潟ユースからプロ入りする人が増えましたが、僕が高校の進路を決める頃には新潟からプロ入りする人は少なかったと思います。そこで、「県外の強豪校に入って活躍すれば、スカウトされるチャンスがあるはず」と思った僕は、中学3年生の時に前橋育英高校に入学すべく両親を説得したんです。

サッカーの道に進みたいという決意は堅かったので、当時両親に応援してもらえたことをとても感謝しています。やはり、家族のサポートがないと難しいですから…。あの時の決断がなければ、今の自分はいないですね。まさに人生のターニングポイントでした。

―プロになることを強く意識したキッカケを教えてください。

ちょうどその頃、「サンフレッチェ広島」のユースセレクションも受けに行ったんです。でも、最終選考で落ちてしまって。その結果を受けて、どうすればプロになれるのかを真剣に考えました。小さい頃から、「リフティングを○○回できたら家に入れる」って自己ルールを設定して練習したりしてたので、目標が決まってしまえば、自分でそのプロセスを考えて達成するという癖がついていたんだと思います。今でもリフティングは得意ですし(笑)、目標を決めて達成するまでやり抜く性分も変わりません。

―プロ10年目にして、海外に挑戦した理由は何ですか?

年齢の問題があるので、サッカー人生には限りがあります。ホームである新潟で10年にわたってプレーをしてきて、もちろんものすごく恩は感じていたのですが、同時に長くはないであろうサッカー人生の寿命を考えると「挑戦したい」という思いが強くなって。環境を変えることが刺激になるのはもちろん、引退後のキャリアを考えても海外のチームでプレーした経験は絶対にプラスになると思い、決断しました。もちろんリスクはありましたが、絶対にオファーはもらえるという自信があったし、不安よりもワクワクする気持ちの方が大きかったですね。そのためにも、準備やトレーニングは万端にしていきました。

―「HJKヘルシンキでの2年間について教えてください。

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充実した2年間でした。最初の1年は、自分のプレーを見せることでチームに受け入れてもらうという気持ちが強かったですね。プレー以外でも特技の「けん玉」や「折り紙」をみんなの前でやってみたりして、チームに溶け込む努力をしました(笑)。けん玉は、あまりウケなかったんですけどね…。移籍当時を振り返ってみても、新しい環境に身を置いていることが楽しくて仕方なくて、辛かったことなんて思い出せないくらいです。

公用語はフィンランド語ですが、チーム内でのコミュニケーションは英語が主ですね。英語が得意なわけではないんですが、サッカー用語は万国共通なので困ることは少ないです。昔から環境には順応しやすいタイプなので、語学も現地で勉強した方が早いかなと思って飛び込みました。

今ではすっかりチームに馴染んで、仲間たちと一軒家を借りて飲むこともあります。海外って人間関係がフランクなイメージがあると思うんですが、フィンランドは上下関係がきっちりしていて。ベテランを敬うところは、日本と似ているなと思います。練習もみんなすごく真面目に取り組むんですよ。

―サッカーをプレーする上で、フィンランドはどんな国?

日本と比べると、フィンランドではサッカーのサポーターがまだ少ないし、試合観戦のスタイルも割とドライ。試合直前に来て、終わったらサクっと帰るのが彼らの楽しみ方なんです。日本やドイツのような、サポーターの熱い声援を感じられる機会は少ないですね。やっぱり応援の声で、選手の気持ちが盛り上がるところはあるので、ちょっと寂しいです。

チーム内でのことを言えば、僕は外国人選手である以上は「助っ人選手」として結果を残すことを求められているので、成果に対するシビアさは日本にいた時よりも強いですね。でも今は、そのプレッシャーさえも楽しんでます。移籍してからトップ下のポジションを任されているんですが、その変化もモチベーションのひとつとなって、新潟時代よりもゴール数が増えました。

―毎日、どんなスケジュールで練習しているんですか?

チームの1日は、試合分析やチームの方針を決めるミーティングから始まります。そして11:00からチームの練習が始まり、2時間で終了します。そこからは個人の自由。個人トレーニングするもよし、趣味の時間にあてるもよし、なんです。意外ですか? サッカー選手って意外に時間があるんですよ(笑)。

―サッカー以外の時間の過ごし方は?

犬の散歩かな。フィンランドは今マイナス20度で、しかも飼っているのがミニチュアピンシャーという短毛種なので、なかなか外に出られないですが(笑)。でも、犬も環境に順応するんですよね。最近では外で遊ぶので、すごいなと思います。

あとは、やっぱり体を動かすことが好きで、ボルダリングやゴーカートをやってます。フィンランドではF1人気の影響で、本格的なゴーカートが流行っています。小さな頃から変わらずに、外遊びが好きで一輪車、スケボー、竹馬などで遊んでいたので、そこでバランス感覚も養われたかな、と。

―人生のモットーは?

「挑戦」ですね。"葛藤しているヒマがあったら即行動"派です。新たな可能性を求めて、違う環境に飛び込んでいくのが僕にとっては自然なことなんです。だからこれからも、挑戦し続けていくと思います。それと「何事も楽しめる」のが強みですね。どこに所属していても「絶対に中心で活躍する」という強い気持ちを持って、前向きにプレーしています。

―今後の展望を教えてください。

移籍3年目なので、次のステップに進むことも視野に入れています。できれば、まだ日本人が所属したことのないチームに入ってみたいですね。引退するまでに色々な国に行って、サッカーをしたい。セカンドキャリアを考えていくうえでも、様々なサッカーを肌で感じておくことはプラスになると思うので。将来的には、お世話になった新潟に海外で培った経験を持ち帰りたいという思いもありますし、様々な面で日本と海外を繋いでいける存在になれればと思っています。

―最後に、海外に挑戦したいコスモポリタン読者に一言お願いします!

行動すること! 自分ひとりで達成するのが難しければ、協力してくれる人や応援してくれる人を見つけて下さい。行動を起こさないと始まらないし、強い気持ちがあれば何事も成せると思います。

Jリーグからフィンランドへ。常に先を見据え、さらなる挑戦を求め続ける田中亜土夢選手。「どこでも楽しくやれる」という前向きな順応性と、落ち着いた語り口の中に感じさせるストイックな姿勢が印象的でした。今シーズンのさらなる活躍を日本から応援しています!

Top photo taken by Gueorgui Tcherednitchenko

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