アメリカはデラウェア在住の女流画家・写真家のローラ・イー・プリチェットさん。彼女が撮る、光や風、空間を巧みに取り入れた美しい写真の数々がSNSで人気を呼び、インスタグラムのフォロワー数は23万人超え。「フォーブス」が薦めるフォローすべき10人のインスタグラマーにも選出されるなど、その実力は折り紙つき。

そんな彼女が"日本の美"を感じるべく、三越伊勢丹グループによる「#_this is japan」プロジェクトの一員として初来日! はじめての日本で撮りおさめた作品と共に、彼女の魅力を紐解く――。

―まずは、自身の活動をどう表現する?

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私は画家であり、フォトグラファーでもあるわ。2つが良い意味でリンクしていて、影響し合っているから、どちらに重心を置いているというわけでもないの。写真を撮った後に、理想通りの画づくりができなかった時には、帰ってスタジオでペイントすることも多いのよ(笑)。若い頃は「どちらかに絞らなきゃ」とか、「どっちが自分に向いてるのかな」なんて揺れ動いている時期もあったけど、今は持ちつ持たれつ。完全にイーブンね。

―インスピレーションの源は?

季節の移ろいから影響を受けることが多いと思う。たとえば私が挑戦しているプロジェクトのひとつ「風の彫刻」も、そのひとつ。私の住んでいるデラウェアは秋風が強くて、このテーマにはぴったりなの。

―好きな被写体は?

やはり自然かしら。庭が大好きだから、今朝は6時に起きて新宿御苑を散歩したのよ。自然と都会の調和が素晴らしかったわ。あとは葉っぱとか布とか、動きというエネルギーを作り出せるものも写真に撮りたくなっちゃう!

―お気に入りの撮影スポットは?

よく「撮影しに出かけてるの?」と聞かれるんだけど、たいてい家の裏庭なのよ(笑)。良い塩梅に自然が感じられる素敵な場所なんだけど、実際に行ってみたら誰も「キレイな場所ね」なんて思わないはず。ぬかるんでいるところもあるし…(笑)。でも、切り取りたいところに適切にフォーカスできれば、素敵に写るものなのよ。自分の思う「美」を最大化できるように工夫して撮影するっていうのが肝ね。

抜けがなくて、どうしてもモノが移り込んでしまうような東京みたいな大都市での撮影は、私にとってもチャレンジなの。ワクワクするわ。

―SNSはどう使い分けているの?

インスタグラムの投稿が一番多いわ。タンブラーは、いくつかの写真をひとつにまとめて構成する組写真の見せ方をしたい時に使うかな。個人的に、インスタグラムのコミュニティがすごく心地良くって。そこから実際に友人になることも多いの! 今回、「#_this is japan」に参加できたのも、インスタグラムを通して出会った台湾出身のインスタグラマー、ペイ・ケトロンに声を掛けてもらえたからだし、とても感謝してるわ。

―投稿する時に気をつけていることは?

撮影に関して言えば、構図をすごく気にしているわ。できるだけミニマルな構成になるように、空間を意識しているの。あと正方形のフォーマットだと、撮りたい被写体を中央に置くことが多いわ。それか、完全に端っこに置くとか。中途半端が一番良くないの。

投稿の頻度ということなら、私は本当に自信のあるものしかアップしないわ。ポートフォリオのような存在だからね。それにフィードを埋めるためだけに投稿するのは、単純に自分のスタイルじゃないのよ。

―幸せを感じる瞬間は?

2歳半の娘がいるんだけど、彼女が外の世界に触れて、何か新しいことを経験する姿を見ている時ね。娘を通して私も学ぶことが多いの。例えば、今回一緒に日本に来て、相変わらず彼女に「これ何?」って聞かれるんだけど、私も分からないことが多いのよね。一緒に日本を感じたり学べたりするのは、とても楽しいわ。

仕事に関して言えば、プロジェクトが完成した瞬間が最高の時ね。完成に近づくにつれてテンションがあがっていくんだけど、自分の頭の中にあったものが具現化されて、最終的に自分が納得できるゴールにたどり着けた時の幸福感は大きいわ。

―「日本の美」をどう感じる?

正直なところ、日本に来るまで考えてみたこともなかったの。でも、日本に来て感じたのは、すべてが繊細で手が行き届いているってことかしら。傘がお行儀良く並んでいたり、そういった風景に人間性を感じるわ。私はミニマルなライフスタイルが好きなんだけど、アメリカにはデコレーション好きな人が多いから、私のスタイルは冷たい印象に捉えられてしまいがち。でも、日本では至るところでミニマリズムを感じられて嬉しいわ。


#_this is japan」プロジェクトとは…?

日本の伝統や文化、そして美意識が作りだす価値を再認識し、発信するという取り組みを行ってきた「三越伊勢丹グループ」による新たな試み「#_this is japan」。世界的に活躍する5人の海外インスタグラマーが来日し、彼らが撮り下ろした作品や言葉を通して新しい日本の魅力を感じるというメッセージ性の強いプロジェクト。

今回来日したのは、ローラさんの他に、ペイ・ケトロンや、シモーネ・ブラマンテサム・ホリーンガレス・ポンなど、SNS界隈で世界的な人気を誇るインスタグラマーばかり。是非、ハッシュタグ「#_thisisjapan」で検索してみて! もちろんハッシュタグをつければ、誰でも参加可能♡ すでに投稿された6000枚を超える写真の数々が、新たな「日本の美」への扉を開き、アナタの感性を刺激するはず。