自分の人生は自分でしか生きられないし、どう楽しんでいくかは毎日の選択と気持ち次第。どんな生き方だって、自分で選んできている人はいつだって魅力的に見えるし、自然と心惹かれるもの。コスモポリタン日本版では、人生を謳歌しているさまざまな女性の生き方を紹介していきます。

記念すべき第1回目に登場してくれるのは、カナダのトロント出身、現在28歳のカイリー。彼女との出会いは5年ほど前。カナダの大学を卒業後、マーチャンダイジングとマーケティングの学位を取得するためにNYの名門専門大学、パーソンズ・スクール・オブ・デザインに進学したカイリーは、PRエージェンシーやクチュールデザイナー、スタイリストの元でインターンを経験。出会った時はSOHOのセレクトショップでバイヤーとして勤めていました。その時ちょうどとある雑誌のストリートスナップをしていた私は、彼女の洗練された私服センスとクールビューティな笑顔にノックアウトされ、すぐに撮影をさせてもらいました。話してみると、お父様が日本人であることが分かり、本人は生まれも育ちもカナダなので日本語は話せないけれど、(勝手に)親近感がアップ。以来、数々の撮影に協力してもらってきました。

そんなカイリーが2013年春に満を持してローンチしたのが、ジュエリーブランドのTarin Thomas(タリン・トーマス)。マスキュリンとフェミニン、繊細と大胆、モダンとトラディショナル、それら両極のコントラストが感じられるジュエリーは11点すべて手づくり。取扱店の数も順調に増やしています。

Standing, Outerwear, Bag, Style, Street fashion, Luggage and bags, Snapshot, Baggage, Overcoat, Leather,

―トロントからNYに移り住んだきっかけは?

「パーソンズに進学することになったのがきっかけだけど、トロントに住んでいる頃からNYには買い物をしに良く来ていて、いつかはこの街に住みたいと思っていたの。NYはつねに新しい経験ができる街で、飽きることがないわ。"経験"が一番インスピレーションを与えてくれる。幸いトロントは近いので、家族や昔からの友だちに会いに比較的すぐに帰ることができるし、今はNYが私のホーム。しばらくはここで頑張るつもり!」

―現在の仕事内容について教えて

「ジュエリーブランド、Tarin Thomasのオーナー、デザイナーです。小さなビジネスとしてスタートしたので、ローンチから3年経過した今も、クリエイティブなことからビジネスまですべてを担当しているの。材料調達からブランディング、インスタグラムやフェイスブックなどのソーシャルメディアの管理、マーケティング、展示会でのセールス対応、eコマース、顧客対応まで、全統括しているけど、やっぱり一番好きなパートはデザインと制作ね」

Denim, Fluid, Wrist, Nail, Waist, Street fashion, Pocket, Circle, Liquid bubble, Silver,
値段も手頃(50ドル以下から300ドル前後)で、他ブランドのジュエリーとも合わせやすいシンプルなデザインにNYらしいかっこよさを兼ね備えたTarin Thomasのコレクション。

―どのようにしてゼロからビジネスをスタートさせたの?

Tarin Thomasという名前は私と弟のミドルネームを合わせたものなんだけど、まずは2012年秋にドメインネームを購入。その後弁護士からのアドバイスを元に、比較的安くて簡単に登録ができるLLC(合同会社)を6カ月後に設立したの。かなり少ない資本金でスタートしたので、最初は限られた量のダイアモンドを購入して、約半年をかけて基本の34デザインを完成させたわ。ウェブサイトも弟のヘルプを借りながら立ち上げて、サイトに掲載する写真も自分で撮影した。ゼロからビジネスを始めるのは大変だけど、その分クリエイティブになれたし、タスク達成を実現するための予算管理もきちんとするようになれたと思う」

―他人と自分を比べてしまったことはある?

「他人の人生を羨むのは逆効果で無意味。尊敬したり、ああいう風になりたいと目標にしたりする人たちはたくさんいるので、そういう成功者たちから学べることだけ学んで自分なりの道をつくることがベスト。あとは、自分が持っている才能とネットワークを最大限に活用すること、ポジティブな人たちと一緒にいるようにすることがキーだと思う」

―幸せを感じるのは?

「旅行、アドベンチャー、新しい体験をすることが大好きなので、新たな思い出をつくって世の中に関する知識を増やしている瞬間が本当に幸せ。あと、新しい靴を買った時はいつも最高にハッピー!」

―これまでの人生の中で一番大胆な選択をしたと思うエピソードはある?

「自分の直感を信じるようにしているので、これまでにしてきた選択は"大胆"というよりは"正しかった"と思う。選択困難な状況に陥ったことがない、とまでは言わないけどね。いつだって選択をするのは難しいし、悩む価値があると思うから」

―今ボーイフレンドはいるの?

「付き合って5年半になるアメリカ人のボーイフレンドがいるわ。彼もクリエイティブな世界で働いているんだけど、彼は会社勤めで私は自営業なので、それぞれ違う経験や知識を元に、色んなアイデアを出し合ったり、意見交換したりできる仲」

※カイリーのボーイフレンド、イケメンでノリも良く、面白くて最高♥

―ボーイフレンドとの関係で重要視することってなに?

「彼とは共通の事項、例えば旅行、アドベンチャー、アウトドア、アートに対する情熱をシェアしているのと同時に、それぞれまったく異なる興味もたくさんある。それがお互いを成長させるし、お互いから学ぶことになる。支え合いながら一緒に進化し続けられる関係であることが大切かなって」

今の目標は?

Tarin Thomasを発展させること。ブランドのモットーは"only time will tell"(時間のみぞ知る 目標達成のためには努力と忍耐が必要であるという教え)。今はこの言葉をしっかりと受け止めて、日々尽力するのみ!」

Instagram: @tarin_thomas

Website: www.tarinthomas.com

All photos © Mohammad Balatero