それぞれの幸せの形:「イクメン」という生き方

「常識」よりも「幸せ」を優先して行き着いた生き方とは

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10月のテーマは「幸せ」。とはいえその形は人ぞれぞれ。今回は、これまでの伝統的な家族の形態にこだわらず、自分たちで考え、自分らしい幸せの形を持って生きている、そんな人たちにフォーカスしてみました。

イギリスで子育てをしていると、学校の送り迎えやイベントに、日本では考えられないほど多くの"お父さんたち"の姿を見かけます。その多くはフルタイムで働く妻に代わって子育てをする、いわゆる「イクメン」達なのです。

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なぜイギリスには「イクメン」が多い?

その理由の1つには、女性が一家の大黒柱として働いているケースが多いことが挙げられます。働く女性の3分の1は一家の大黒柱。その中にはシングルマザー達も多く含まれていますが、実はカップルのうち「妻が稼ぎ頭」という家族が33%にも及んでいます2013年)

イギリスでは、法律で定められているため子供が11歳に達するまでは保護者抜きで家にいることは許されていません。16歳になるまでは自宅であっても保護者なしで一晩放置することもNG。何という事はない「学校の送り迎え」は、イギリスの家庭では夫婦の危機に発展するほど深刻な問題なのです。両親ともフルタイムで働く家庭の場合は、学童保育に送るかナニー(子守り)を雇います。それが難しい場合は、夫婦のどちらかが勤務形態を変えパートタイムになるか、自宅勤務可の仕事に転職します。

簡単に思えますが法律を守る以上、イギリスでの子育ても決して簡単ではありません。でもそんな中、伝統的な夫婦のあり方とは違う生き方を模索し、実行している家族も存在します。今回は2人のイクメンにお話を伺いました。

「オフィス」よりも「子供とレゴ」が最高:マーティンさんの場合

マーティンさん

マーティン・ペイジさんは数年前までオフィス勤めのIT技術者でした。20年前に結婚した奥様は元大学の同級生でSF大好き仲間。長男が幼い頃、奥様がキャリアアップのためにフルタイムで働くことにしたのをきかっけに、マーティンさんは仕事をパートタイムに切り替え、子供の世話を主に請け負うことにしたのだそう。

私の長男とペイジさんの長男が同級生で、自宅にお邪魔したことがあります。そこで見せてもらったのがアンティークの剣のコレクション。ペイジさんの趣味は西洋剣術で、市内では教室も開いています。さらに仕事や育児の傍ら以前から構想を温めていた冒険ストーリーを書くという趣味を形にしていきました。

マーティンさんー剣術教室

家でITの仕事を続けていたマーティンさんに転機が訪れたのが数年前。長年の希望がかない出版社と契約し、作家としての生活をスタートさせることに。仕事をしつつイクメンを続けるのは大変そう…と、マーティンさんに尋ねてみました。

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「子育て以前に、オフィスでの仕事が懐かしくないのか、と聞いてくる人もいるけど、その質問をされるたび、僕は心の中で笑ってしまうんだ。だって、僕にとって子供と過ごす方がおもしろいことだから。レゴで自分たちの世界を組み立てたり、プレイモビールで恐竜の世界を作ったり、息子と中世の騎士ごっこをしたりね。子供が小さかった頃は子供を肩に乗せてエディンバラの街を散策したもんだった。今では2人とも学校に行ってるから、子供を送り出して仕事をして、帰ってきたらオヤツをあげて、おしゃべり。そのあとはそれぞれ好きなことに没頭する、そんな風に暮らしてるよ」

アメリアちゃん
お父さんに付き合ってあげている? 娘のアメリアちゃん

ペイジさんの育児で興味深いのが、自分の趣味の世界を子供たちと一緒に楽しんでいること。子供が小さい時には発泡スチロール素材で作ったケガをしない剣を子供たちに与えて、庭で剣術を楽しみ、今では長男のザンダー君は剣術を習っているそう。

ザンダー君
ザンダー君もお父さんの影響で剣術や騎士や本が大好き。

文化遺産保護機関で働いている奥様のカースティさんも、ペイジさんのオタク趣味に理解を示してくれているよう。そんな自身の創作活動について、こう話してくれました。

「本来だったら子ども1人につき、2年は仕事に遅れが出てるんじゃないかと思う。だけど子どもがあれこれ聞いてくるたびに、自分のイマジネーションがふっと広がっていくんだ。親業は、間違いなく僕の創作活動の役に立っているよ」

スーパーお父さんはバンドマン:マリーさんの場合

イクメンという生き方1
マリーさんとアイビーちゃん。お父さんが改造したキャンピングバンで旅行中。

子供の将来のために夢を諦める…それができなくて、結婚も子どもを持つことも諦める人は多いはず。もしくは、子供ができたら夢を諦めてしまう人がほとんど。でも、もし幸せな家族も夢も、両方実現できるとしたら…。

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イギリスのバンド「Aberfeldy(アバフェルディ)」のドラマー兼運送業を営むマリー・ブリッグスさんは、フルタイムで働くオランダ人の奥様に代わってフレキシブルなワークスタイルを生かして2人の娘を育てています。

「アイビー(2人目の女の子)が生まれたのと同じ時期に、妻が大学を修了、『仕事に出たい』と言い出したんだ。当時は僕は高所の建設現場で働く人たちの安全確保をする会社で働いてたんだけど、2人とも外で働いて私立保育園に子供を入れることになったら、保育費だけで1人分の収入がなくなってしまう。それくらい私立保育園が高額だった。だったら僕が退職し、主夫になろうって決めたんだ。むしろ喜んで退職したくらいだよ」

マリーさん一家の住んでいたエディンバラ南部は熱心な教育ママが多いということでも知られる地域。優雅な住宅街を大きな運送用のバンで子供を送り迎えするマリーさんは目立つ存在でした。

マリーさんは父兄として学校運営にも携わり、資金集めのイベントの企画、現地小学校のロッククラブ立ち上げなど、単にイクメンとして娘の教育にだけ力を入れる訳ではなく、学校環境全体へ貢献するという頼りになる存在になっています。

「子供の公立幼稚園の送り迎えや手伝いも楽かったよ。その上、当時はAberfeldyのバンドの活動も今より多かった。忙しくても主夫業とならうまいこと両立できたんだ」

加えて、バンドマンの経験を活かし、楽器専門の運送ビジネスもするなど精力的。さらに娘のアイビーちゃんはクラス1の優等生だと聞くと、一体毎日どうやってスケジュールをこなしているのかと不思議になってしまいます。

子供達が大きくなった今、一家はエディンバラを離れ、近隣のハディントンという街へ。忙しい日々の間に時間があればヨーロッパ各地を旅行して回っているんだそう。

「昨年、古い小型バスを改造してキャンパーバンを作ったんだよ。フランスを縦断してピレネーまで行ってきた、そこでラッキーな事にツール・ド・フランスに出くわしたりしたんだ」

イクメン特集:キャンパーバン
内装はすべてマリーさん作。なんでも作ってしまう器用なお父さん。

子供たちの将来の夢についても話を聞くのが楽しいのだそう。

「今はマリリン(長女)はアマチュア劇団に参加して、地元のFMラジオ局のラジオドラマに出演したりしてるんだ。アイビーは自転車に夢中だね。2人とも音楽は好きで、マリリンはドラム、アイビーはピアノを演奏しているんだよ。でも、2人とも将来は大学に行って、マリリンは建築家に、アイビーは小児科医になるのが夢なんだ。どうなるかはまだわからないけどね!」

マリーさん自身も子育てしながらも、バンド活動は引き続きしていくのだそう。

「今、Aberfeldyは活動を少しスローダウンしてて、Oi Polloiっていうパンクバンドのドラマーもやってるんだ。僕が23年前にもドラムを叩いてたパンクバンドなんだけど、もうすぐドイツで公演があって、その後1週間カナダで公演。今春先には日本に行く話も出てる。別のバンドのアルバム収録にも参加しているんだ」

A photo posted by Liz Tainsh (@liztainsh) on

子供達はのびのびと成長し、マリーさんはますます音楽や仕事にと、活動の幅を広げているようですね。

イクメンが日本を救う?

昨年のイギリスの新聞ガーディアンに、自宅で働き育児を請け負うITの男性が、TV出演の際に女性司会者に「男らしくない」と言われたという記事が掲載され話題になりました。イギリスでも日本ほどではないものの、女性が出産育児の責任を負い、男性はキャリアを持たなければならないというプレッシャーを感じているケースも多いようです。

では、彼らは男らしくないのでしょうか? もちろんそんなことはありません。ほかのイクメンたちの多くは、スポーツ部のコーチやボーイスカウトの指導を快く引き受けてくれ、学校運営についても男性ならでは視点を持ち合わせて改革しようとしてくれています。

日本人の男性からしてみれば、「イクメンになる=男らしくない」という不安があるのではないでしょうか。対して、イギリス人の「男らしさ」「女らしさ」にこだわらずに、その環境を良くしようとする合理的な国民性があり、この特徴がイクメンになる人が多い理由の1つなのかもしれません。

子供は欲しい、でも仕事も続けたい…日本人女性でもここにジレンマを感じる人は多いかもしれません。さらに夫婦にとって子育ては、大切な疎かにできないこと。でもイギリスの家庭を例に、夫婦それぞれの未来にお互いが妥協しない形で解決していくことができれば、さらに絆は深まるはず。

日本でも「イクメン」という存在が広がることで、多くの夫婦がより良い家庭を築いていけるのかもしれないですね。

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