自分の人生は、自分でしか生きられないし、どう楽しんでいけるかは、毎日の選択と気持ち次第。どんな生き方だって、自分で選んできている人は、いつだって魅力的に見えるし、自然と心惹かれるもの。コスモポリタン日本版では、人生を謳歌しているさまざまな女性の生き方を紹介していきます。

モデル/柔術家 東あずささん

ファッションモデルとして活動しながら、柔術家として本格始動した東あずささん。「自分らしいモデル像を模索していた中で出会ったブラジリアン柔術が、自分の道を作ってくれた」という、彼女の今までとこれからをインタビュー。

――モデルとしての活動が始まったきっかけは?

岩手県にいた私を見つけてくれて、モデルとしてのきっかけをくれた

岩手県にいた頃、高校1年生の時に東日本大震災を経験しました。その時、ファッション関係の方たちが救援物資を届けに来てくれたんです。偶然その場に居合わせた私を見かけて、「女優さんとかになったらどう?」と、声を掛けてくださったんです。当時の私は、芸能には興味を持っていたものの、なにもわからない状態だったのですが、その方が今の所属事務所を紹介してくれて、そこからモデルとしての活動がスタートしました。

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SHINSUKE SUGINO

――では、柔術家としての活動を始めたきっかけは?

今の私を作ってくれたのは柔道からの学びが大きい

幼い頃から柔道をしていて、柔道が大好きだったし、オリンピック出場を目指していたぐらい真剣に取り組んでいました。この世界に入るきっかけをくれた方からもそのことを評価してくれていて、「アクション女優になれたらいいね」と話していたんです。

モデルとして仕事を始めたものの、モデル・東あずさとしての自分らしいスタイルというか、個性を見出せずにいました。この業界には、かわいい人も、個性的な人もたくさんいて、その中で上を目指していくには、なにか特徴になるものを持っていたほうがいいなと思っていた時に、「モデルの女の子が真剣に柔術に取り組む」というプロジェクトのお話をいただき、「これしかない!」と直感的に思ったのです。

"職業:モデル"という人はたくさんいるけど、その中で柔道をやっていた人は少ないし、今の私を作ってくれたのは、柔道からの学びが大きい。そんな私が、柔術で有名になれたらすごい!  そんな思いが一気に高まりました。

柔術家としての活動は、家族はもちろんですが、柔道をしていたことを知っている地元の人たちも喜んでくれています。みんなのためにも頑張ってみようと思いました。

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SHINSUKE SUGINO

――ブラジリアン柔術を始めて、変化したことはありますか?

体型、体質も変わってきたけど、なにより、気持ちが前向きになった

8時から朝練をしているので、朝から運動すると代謝がよくなるんです。よりヘルシーな体質になっていると思います。周りからも「姿勢がよくなったね」とか、「痩せたね」と言われることが多くなりました。

ブラジリアン柔術は、体力だけではなく、知力も必要なスポーツ。柔術には投げ技の1本勝ちがなく、黒帯だと1試合が10分に及びます。なので、柔道とはまた違った体力の使い方を考えなくてはいけないし、相手に技を掛けられたときにも瞬時に考えて、技を解いていかないといけません。チェスをしているような、カラダも頭も使う競技なので、考える力も身に付きます。

一番、大きな変化は気持ちの部分です。以前は、モデルとしてのフォーマットにハマるように、華奢で色白なかわいい女の子を目指していました。私は違うタイプだってわかっていたのに、そんな女の子たちがうらやましく思えたんです。でも今は、男性とスパーリングをするような、たくましさのある自分が好きになりました。日焼けしないように日焼け止めを塗っていたけど、今は、ヘルシーでアクティブな女性を目指しているので、日焼けも気にしなくなりましたし、筋肉がついても気にしません。むしろ、筋肉があるほうがいいと思うようになりました。そのほうが私らしいなって!

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――これから、どんな女性になりたいですか?

モデルなのに黒帯の保持者! 新しいモデル像を築きたい

柔術家としての活動を始めたら、モデルは辞めると思われていますが、柔術家とモデルの二足のわらじを目指しています。

試合に出て結果を残すこと。そして、帯の色を変えたいです。そして、柔術家としての顔を持ったモデルとして、スポーツブランドのキャンペーンに参加してスポーツすることをもっと広げたいですし、アクション女優としての活動もやってみたい。子どもたちにスポーツのよさを伝えていきたいです。

以前、私をスカウトしてくれた方から、「男性にモテようと思ってモデルをやっているようでは売れない。自分をとことん追い詰めていかないと、売れないんだよ」と言われたことがあります。だから今、柔術家として活動し始めた私を見て、「あずさの時代がくるよ」って言ってくれるんです。

どんなに大変で、つらいことがあっても、私を支えてくれるみんなのためになら頑張れます。自分のために頑張っていると、すぐ限界がきてしまうけど、周りのみんなのために頑張ることで、結果につながると思うんです。それを実証していきたいです。


モデルで柔術家という、新たな道へ進み始めた東さん。「柔術着が、スポンサーのワッペンでいっぱいになるぐらい、誰よりも強くなります」という言葉には、計り知れない意志の強さを感じました。

【東さんから学んだ仕事をより充実させるためのヒント】・誰にも負けないと自負できる強みを持つ・支えてくれる人がいることが原動力・自分を評価してくれる人の言葉に耳を傾ける・自分だけではなく、みんなのために頑張る

インスタグラム:@azuma.azusa