【私の生き方】ときめきがキャリアを豊かにする

​人形劇が盛んなチェコを中心に、世界中で活躍する人形作家、林さんは何でも感動することが信条!?

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自分の人生は、自分でしか生きられないし、どう楽しんでいけるかは、毎日の選択と気持ち次第。どんな生き方だって、自分で選んできている人は、いつだって魅力的に見えるし、自然と心惹かれるもの。コスモポリタン日本版では、人生を謳歌しているさまざまな女性の生き方を紹介していきます。

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舞台美術家、造形作家林 由未さん

KAAT 神奈川芸術劇場で』で公演された、人形劇『ゴーレム』の人形制作を担当した林由未さん。チェコをはじめとする世界で活躍しているなか、逆輸入の形で日本初となる演劇プロジェクトを成功させた。そんな林さんの今までの歩みとは? 

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-はじめに、人形作家としてのキャリアがはじまったきっかけを教えてください。

祖父の存在が、今の私につながっている

本格的に人形制作を開始したのは、美術大学に入ってからではありますが、子どもの頃から作っていたんです。私と人形をつないだのは、祖父なのですが、手先の器用な人で、私のために操り人形やおもちゃをたくさん作ってくれました。そのおもちゃで遊んでいたことが、人形を好きになるきっかけになったと思います。そして、祖父の人形を作る姿も好きでした。祖父が人形作りの材料として、ボンドや木くず、割りばしなど使っていたのですが、こういった素材が人形に変わっていく過程が、まるで魔法がかかったような感じで、とても感動したことを覚えています。

美術の道へ進むことは、その頃から決めていました。東京造形大学デザイン科へ入学した頃は、具体的なビジョンを持っていませんでしたが、「作家、表現者になりたい!」と決意はしていましたし、作りたいものを作り、表現したい感情に殉じられるのであれば、それは本望と思っているところがあるので、その道に進むことに対して、迷いは一切ありませんでした。

洋服や本、絵など、いろんな表現方法があるなかで、私の表現方法は人形だったんです。

-今までの歩みの中で大変だったことは?

話す癖付けをすれば、言語の壁は乗り越えられる

人形作家としてキャリアを歩むことに迷いはありませんでしたが、不安は常にありました。

作品を作ったからといって、必ずしも評価されるわけではなく、結果が伴わないことも多々あります。だから、ひとつ作品を作ることで自分自身を証明することにつながるのではないかと、ストイックに作り続けていました。20代だった当時は、部屋に引きこもって人形を作っているだけの生活だったのでの狂気じみてたなと(笑)。家族も心配していたと思います。今思えば、不安や迷いを感じる暇を与えないようにしていたんだと思います。

その頃の私は、頑張ることで証明したいというか、根拠なき自信の中でがむしゃらに作っていたというか自分が表現するということに踊らされていましたね。今はもっと、表現することが自然なことになりました。

そして、チェコへの留学時も大変な経験がいろいろありました。中でも、感情表現の壁は高かったですね。

チェコに限らず、日本人が海外へ行った時、自分の意見が言えないことに苦しむ人が多いと思うんです。私もその1人でした。その苦しみは、"言語の違い"から生まれているものだと思っていたんですが、実は、"自分の意見を言うこと"に怖さを感じてるんだってことに気がついたんです。

そのことに気がついたきっかけは、私と同じぐらいチェコ語が話せないフランス人が、チェコ語がネイティブな人たちと、チェコ語で議論をしていたんです。言葉はたどたどしいのに、自分の意見を言う事を恐れずにストレートに想いをぶつけていた、その姿を見た時に、「私は言葉のせいにして、ただ逃げていただけなんだ」と思いました。

そこから、とにかくいろんな人と話そうと思い、日本で暮らしていた時の5割増しぐらいで、話しかけるように心掛けていました。

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あと、日本人としての強みを理解することも大切だと感じました。やはり日本人は、きめ細かいですし、まじめ。そして、頑張り屋! 「物事を見て感じる感性は、生まれた国が違えば、視点も違ってくる。チェコ人ではない感性が強みだ」と、教授に言われたことがあります。もちろん、ハンディキャップを感じることはたくさんありますが、日本人として、違う文化やアイデアを持っていることを強みにすることで、自分が活躍できるシーンが増えることもあります。

-仕事をするうえで心掛けていることは?

恋心に似た感動が、私を動かしている!

自分が表現する一番の理由は、自分が見たいものを見るために制作しています。その気持ちがベースにはありますが、一番大事なのは、相手に伝わること。

自分の伝えたいことが伝わらないとそれは独りよがりになると思うんです。「わからなくてもいい」というスタンスで表現しているのはダメで、アートはコミュニケーションがないとただの自己満足になってしまうから、人形でも、演劇でも、伝える、伝わることを忘れてはいけないと思っています。例えば、現代アートを見た時、理由はよくわからないけど心が揺さぶられる時ってあると思うんです。わかりずらいものでも、心が揺さぶられる、感動を起こした時点で、表現者と観客のコミュニケーションが成立していると思うのです。

いいものを見た時って、気持ちがざわざわしたり、ドキドキしたりすると思うんです。その時の感情の動きを作れるのが鍵だと思っています。その感情の動きは、仕事の原動力にもなっていて、それが見たいがために作っているところもあります。だから、作る側の私も、常にドキドキしていたいと思っています。特に人形は、顔もあって、表情もありますし、手や足があるので、ダイレクトに作り手の思いが映し出されると思っていて、作りやすいモチーフであるからこそ、作り手の気持ちが大切だなと。

私のドキドキの作り方は、恋愛に似ています。ひとつのプロジェクトの中で、自分がドキドキすることを見つけるんです。それは、何を表現するかの核になります。物語でも、コンセプトでも、音楽でも、なんでもいいので、自分の心がときめくものを見つけて、それをモチベーションにしています。仕事だって、ドキドキやときめきを持ってもいいものだと思います。

私は会社勤めをしたことがないからかもしれませんが、髪を巻いて出勤したり、お財布を抱えてランチにでかけたり、そういう女性を見ているだけでドキドキします。きっと、その女性もテンションが上がるから髪を巻いているのだと思うから、何気ない日常を楽しむことがときめきにつながるのでは。

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「極論、おもしろくない人はいない!」という林さん、それは、どんな人に会っても、おもしろい何を見つけているから。嫌だなと思う上司がいたら、「この人は家に帰ったら、奥さんの尻に敷かれているのかな」と妄想を膨らますことも楽しみを見つける方法のひとつ。なにが起こるかわからない人生は、楽しく生きたほうがいい。林さんの生き方から、そんなメッセージを感じた。

【林さんから学んだ仕事をより充実させるためのヒント】

・常に感動することを忘れない

・相手のことを尊重しながら、自分の意見をきちんと伝える

・日々の生活のなかでドキドキを感じる

・他者と自分の文化やアイデアの違いは強みになる

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