専門家が診断!あなたが「モノを捨てられない理由」
思い切って、断捨離しよ!
あなたは自分の部屋に入ったとき、パーッと気持ちが明るくなる? それとも、なんとも言えないドンヨリとした気持ちになる…? もし後者なら、部屋にあるインテリアや小物をもう一度よーく見てみて。掃除の時に捨てきれない"何か"が、あなたの気分に影響を与えているのかも…。ここでは専門家たちが解説する「なかなか捨てられない9つのもの」について、コスモポリタン イギリス版からお届け。
※この翻訳は、抄訳です。
Translation:mayuko akimoto
家宝や贈り物
強い思い入れとともに譲り受けた一家の家宝。でも実はありがたさよりも、無理矢理押しつけられたような不快感を抱いてない? 「私たちが、好きでもないし、楽しんでもいない家宝や贈り物を手放さないのは、罪悪感があるからです」と語るのは、心理学者で作家のスーザン・バーテル博士。「これらはあなたの気を重くさせ、部屋を乱雑にします。好みに合わないものを置いている分、本当は置きたいもののためのスペースがなくなってしまっているからです」。
好きだった本
よほどの本好きでも、本の山を整理するのは苦痛のはず。でも、その理由は…? 「本が強い感情を呼び起こすのは、それがかつて別世界への入り口であり、別の人生や豊かな想像力を味わわせてくれたからです」と語るのは、『フレームの内側:持っているものを大切にする喜び(原題Inside the Flame: The Joy of Treasuring What You Already Have)』の著者であるクリスティーナ・ウォータース博士。「私たちは、人生の大事なときにともに過ごしたものをとっておく傾向があります。子どもの頃に読んだ本には、子ども時代の夢が詰まっているし、恋人にプレゼントされた詩の本には、お互いを想う気持ちが刻印されています。かつて大切にしていた本を手放すのは、人生の一部を失うようなものなのです」。
子ども時代の思い出の品
幼いころお気に入りだった人形やクマのぬいぐるみを捨てることは難しいとしても、それほど大事ではなかった子どもの頃の持ち物や、10代、あるいは大学時代の思い出の品でさえ、お別れするのが苦痛という人もいるのでは? ところが、これらがまた、気分を重くさせているのだとか。「かつての宝物がもはやその力を失っていると認めることは、自分が変わったことを認めること。その認識は、しばしば私たちに、"じゃあ、今の幸せは何?"と問いかけてくるものなのです」と、ウォータースさん。「変化を認めることは、今の自分自身の姿や自分が人生に求めるものを呼び起こします。子ども時代の人形コレクションに、心が躍らなくなったということは、成長しなければならないということです。これは誰にとっても厳しい試練なのです」。
かつて集めたコレクション
もはや情熱を失ったもののコレクションもまた、苦痛のタネ。それは単純にスペースの問題だけでなく、かつての収集熱に関わる問題でもあるのだとか。「コレクションは、人生のある時期やある人物との思い出と関わっており、これらと別れることは特定の記憶や人を捨てることになるという無意識の感情があるのです」と語るのは精神科医でポッド・キャスト<The Power of Different>のホストであるゲイル・ソルツ医師。「おすすめは、自分だけの小さな記憶の記念品を作ること。コレクションを紙に書き留めておいてもいいし、そのうちの1つだけを特別な場所に置いでもいいでしょう。そうすれば、他のコレクションを片づけてしまっても、大切な記憶や誰かのことは忘れていないと思えます」。
未使用の趣味道具
買ったときは、本当に編むつもりだった毛糸の山。でも、何年経っても手つかずのまま…。「放っておかれた、あるいは未使用の趣味道具は、一時的に熱中したことの残滓(ざんし)です。実際に時間と手間をかけて編み上げるより、材料を集める方が簡単ですからね」と語るのは、ミニマリスト向け情報サイト<Miss Minimalist>のブロガーで、『少ない喜び(原題:The Joy of Less)』の著者でもあるフランシーヌ・ジェイさん。「そして、毛糸の山がある限り、ここ数カ月(あるいは何年も!)針に触っていなくても、自分はいつか編むのだと思えるのです」。そうして、しまい込んだ毛糸は罪悪感と不安の強い悪循環を形成するのだとか。「私たちは使わない物にお金を費やしたことを後ろめたく思うものです。だからこそ見えない場所に隠し、まだ諦めたわけじゃない(あるいは、失敗だったわけじゃない)と自分に言い聞かせるのです」とジェイさん。
間違った色
物ではないけれど、色のチョイスもあなたの生活に影響を及ぼすよう。「色が気分に与える心理学的な影響はすでに証明済みです。赤系、オレンジなどの暖色は活発で生き生きとした色ですし、青系や緑系はよりリラックスさせる色、グレーやベージュはニュートラルな色です」と語るのは、ホリスティック・ライフスタイル専門家のローラ・ベンコさん。でも、ベンコさんが強調するのは、流行の色ではなく、自分が本当に好きな色を選ぶべきだということ。「例えば、あなたがどうしようもなく赤が好きだとします。ならば、一般的な常識を無視して、家を赤く塗ればいいんです」。
もし、無難な色だという理由でベージュ系を選んだものの、どうにもその部屋が気に入らないとしたら、自分が大好きな鮮やかな色の小物を置けば、かなり雰囲気が変わるはず。
壊れた物
戸棚を開けるたびに目に入る、壊れたティーカップ。見るたびに割った自分に腹が立つけど、修理もしないまま。もう直すのは無理かもしれないけど、捨てるのは惜しくて…。「私の理論で言うと、それは不足の感覚です」と語るのは、建築家であり、風水コンサルタントで<Holistic Spaces>の創設者であるアンジー・チョーさん。「私たちは満足できない不安、欠乏の心理を抱えています。それは、(現状に)満足できていないということ、あるいは自分に価値がないと感じているということ。それによって、"手放すこと"に不安を覚えるのです」。
また、チョーさんいわく、これは"必要になったときにもう1度同じ物を買わなければいけない"という不安にも結びついているそう。いずれにせよ、問題の品を見るたびに、心理的な負担がかかるというわけ。「欠乏の心理を強めることは、不満な状態を永続化するだけです。壊れた物に囲まれていることも、それに似た状態を作り出します。それに、壊れた物を見るたびに罪悪感が襲ってきて、心が疲弊します」。
書類の山
書類を片付ける際の問題は、内容がおそろしく多岐にわたっていること。給与明細からちょっと前に仕上げた仕事、名刺や旅行のパンフレット等々。「書類の整理は骨の折れる仕事です。壊れた物と同じで、昔の挨拶状などは過去の記憶と結びついているので、手放すのが難しいのです」と語るのは、整理収納のプロで<Organize and Shine>の創設者であるコレット・シャインさん。「書類の山は不安や無力感、恥ずかしさやストレスをもたらします。片づけるのには、時間もかかります」。
おすすめは、ひとかたまりになった書類をいくつかに分けて、少しでも扱いやすくすること。それでもまだ助けが必要なら、友達を呼ぶこと!