多くの女性が一生に一度は考えるはずの、「ママ」になるという選択。でも、そこにあるのは「幸せ」だけじゃないはず。母親、働く女性、妻。多くの役割をこなすのは、きっと想像以上に大変なこと。そこで、そんな苦労を乗り越えながらも、人生を自分らしく謳歌する海外のカリスマ・ママから、リアルな本音を聞きました。
将来子供を産むか考えている人も、ママとして頑張っている人も、3カ国の女性のライフスタイルを参考にしてみて!
フィンランド/エヴェリナ(31)、客室乗務員
【子供の名前/リネアちゃん(8)、リリアンちゃん(6)】
2児の母でありながら、キャビンクルーとして世界を舞台に働くエヴェリナ。夫ともラブラブという彼女の、羨ましいママライフの秘訣とは?
―フィンランドのママへの制度を教えて。
フィンランドでは、約9カ月間の産休・育児休暇が取れるの。それに、出産前に赤ちゃんの服やケア用品が入ったギフトが国から送られてきたり、児童手当もあったりと、政府からのサポートも厚くて住みやすいわ。
エヴェリナの「働くママ」事情
―1日のスケジュールは?
私のシフトは2パターン。ヨーロッパ内や国内へのフライトのときは、早朝6時、もしくは15時頃にはじまり、7~9時間働くというスケジュール。
国際線に搭乗する場合は、1日9~12時間労働。滞在先では1~3日、長くて1週間過ごすことも。
―仕事中に子供はどこに預けてる?
子供たちは保育所や学校に通っていて、それ以外の時間は家族か友達がお世話をしてくれてる。
―子供が生まれてから、キャリアに影響はあった?
私の仕事のスケジュールは不規則だから、娘たちを預けるスケジュールを毎回アレンジしないといけないことぐらい。でも、それ以外は特に仕事への影響はないわ。
エヴェリナが実践する、理想のママ像
―ずっと憧れていた「理想のママ」像は?
子供たちのよき理解者で、愛で包んであげられるママ。そして、娘たちの人生のお手本になりたいとずっと思ってるわ。
―ママになって、自分自身が成長したと思うことは?
すべての人間関係において忍耐強くなったのと、相手のことを理解しようという寛容性が増したこと。
―ママとして一番幸せな瞬間は?
子供たちに嬉しい出来事があったときや、彼女たちが笑顔でいるのを見ているときね。
―子供とどんなふうに時間を過ごしてる?
よく、家族や友達たちも一緒に集まって時間を過ごすわ。みんなでケーキを焼いたり、DVDを観たり、ゲームをしたり…。子供と私だけの時は、女同士でショッピングに行くことが多いわ。
1人の女性として♡ 自分を磨くTIP
―忙しい日常で、どうやって美しさをキープしてるの?
国外のフライト先でスパに行くなど、自分にご褒美を与えてる。
―エナジーチャージする時間の過ごし方は?
仕事上、国外のフライト先で自分の自由時間を持つことができるから、旅先での時間を満喫するわ。でも、一番大切な時間は、大好きな彼とリラックスするひと時。氷点下の冬のフィンランドでお気に入りの場所が、ソファで2人で座ったときの夫の腕の中。ブランケットをかけ、ワイン片手に2人でDVDを観て過ごすの♡
―ズバリ、将来の野望を教えて!
ずっと夢だった客室乗務員の仕事に就くことができたから、今の夢は家族みんなが健康で、愛に満ちた時間をずっと過ごせることね。
ここだけの話…。夫婦のラブ事情♡
―ラブラブな夫婦でいる秘訣は?
仕事上、夫と時間を過ごせることは稀。だからこそ、一緒に過ごせる時間は貴重だから、最高に素敵な時間を過ごせるよう2人で演出するの。
それと大切なのが毎日、どれほど相手を愛しているか伝え合うこと。夫はとてもロマンチックで、よくプレゼントなどサプライズをしてくれるの。だから私はとてもラッキーな女性よ♡
―最近した、ロマンチックデートを教えて。
特別なデートよりも、家で一緒に過ごすのが私たちにとってロマンチックな時間。
休みの日は一緒に料理を作り、アロマの香りがするキャンドルを炊いて食事をするの。仕事上程よい距離があるからか、子供ができてからもラブラブな関係を保てているわ。
辛さも乗り越えて…。ママの本音
―正直、ママとして大変だったことは?
23歳で長女を出産したとき、友達の間で子供がいたのは私だけ。だから子供が小さかった時は、みんなと違うライフスタイルを送っていてとても孤独に感じたことも。
―そんな大変だった時期を乗り越えたコツは?
新しく、ママ友達を作ったこと。子供の相談、子育ての幸せな瞬間、ママの悩みを話せる友達の存在は大切だし、家の中で息を詰まらせるのは、絶対に避けるべき。誰かと外で会うことで良い1日になって、結果的に子供にも優しく接することができると思うわ。
―最後に、輝くママでいるヒントをください!
自分を満たしてあげることも、とても大切。時間をつくって、自分自身を幸せにすることも忘れないでください。
カタール/ダリア(31)、投資銀行家
【子供の名前/フアードくん(1)】
中東の小国、カタールの首都ドーハで投資銀行家として働くキャリアウーマンのダリア。
ファッショニスタとしても知られ、インスタグラムのフォロワー数は5万人以上。才色兼備の彼女が、人生を満喫するための時間管理術とは?
―カタールのママへの制度を教えて。
カタールの産休は約55日と少なめ。一方で、カタールは税金がタダだから、ほとんどの人が住み込みのお手伝いさんを雇うことができるの。彼女たちは、家の掃除や料理、子供のお世話まで幅広くこなしてくれます。
ダリアの「働くママ」事情
―1日のスケジュールは?
6 :00 起床。子供のおむつ替えや歯磨き、ミルクの準備。少し一緒に遊んで、保育所に送る。
8 :00 出勤。クライアントとミーティング、オフィスで海外の同僚と連絡のやり取りなど。
18 :00 帰宅。息子をお風呂に入れ、一緒に遊んでからベッドで本を読んであげる。
―仕事中、子供の預け先はどうしてる?
保育所と、住み込みのお手伝いさん(月に約400ドル)にお世話をしてもらってる。保育所はだいたい朝の7時から14時までで、月額は約800~1000ドルほど。
―子供が生まれてから、キャリアに影響はあった?
以前は夜遅くまで働いていたのですが、17時までには終わらせるようにし、残業があれば家で働くようになりました。働くママになって感じるのは、女性はとても有能ということ。家事や子育てをしながらも、男性と同様に仕事をする。ママとして働くことは、さまざまな能力を発揮している素晴らしい状態だと思います。
ダリアが語る、「ママの醍醐味」
―ずっと憧れていた「理想のママ」像は?
私の母。子供たちが笑顔でいることが、彼女にとっての幸せと心から信じてくれていました。いつも私のことを特別な女の子だと感じさせてくれ、愛情で包んでくれていた。
―ママになって、自分自身が成長したと思うことは?
人間として成熟して、もっと人生に真剣に向き合うようになったわ。以前は分刻みで仕事の予定を立てて、生産性が少しでも上がるように一生懸命頑張ってた。でも、今は日常の中でのちょっとした美しさをゆっくりと味わうようにしてる。子供が1人で遊んでいる姿を眺めて喜びを噛みしめたり、1日の終わりにリラックス時間を満喫したりね。
―休日、子供とどんなふうに時間を過ごしてる?
カタールの週末は金曜日と土曜日。金曜は家族で1日、ビーチでリラックス。一緒にスーパーへ買い物に行ったり、公園やプールへお出かけに行くことも。
平日は仕事で忙しいから、休日はできる限り息子と一緒に過ごして親子の絆を育むようにしてる。
1人の女性として♡ 自分磨きTIP
―忙しい日常で、ダリアさんの美容のルーティンは?
朝のメイクは基本ナチュラルだから時間はかからないわ。洗顔をしたら化粧水で肌を整え、美容液で保湿。そのあと、日焼け止め効果のある下地を薄く塗って、ミネラルパウダー、ブロンザーをプラスして肌を仕上げる。そのあとマスカラ、口紅を塗ったら完成!
―自分の時間はどう過ごしてる?
週に4回ほど、子供が寝た後にジムに通ってる。それと、週末の夜はドレスアップして友達や夫とディナーにでかけるの。あと、旅は私の人生に必要な要素だから、2カ月に一度はたとえ数日でも旅行に行くようにしてるわ。
―ズバリ、将来の野望を教えて!
いつか、自分の会社を起業したい。自営業の夫の働く姿を側で見ていたら、自分も起業したいと思うように! あと、もっと子供が欲しい。
それと、できる限り旅をすること。一度きりの人生で、世界各地の美しい景色や素敵な人々に出会うのはとても大切だと思うから。もう1つの夢がアメリカでのMBAの取得。夫と一緒に将来の計画をよく話し合うんだけど、いつか2人で一緒にMBAを取得しようねって話してるところ。
ここだけの話…。夫婦のラブ事情♡
―ラブラブな夫婦でいる秘訣は?
愛を継続するには正直、多くの努力が必要です。特に赤ちゃんが生まれた直後はすべての変化が目まぐるしく、バランスのとり方に混乱してしまう。でも、1日の終わりにはどんなに疲れていても、夫といろんな話をするようにしています。恋愛関係も子供と同じで、育てていかないといけないものだから。
―子供が生まれたことで夫婦関係に影響はあった?
以前とは違う、成熟した愛になった。私の1日は子供と仕事で精一杯だけど、それでもできる限り、出産前と同様の愛や気遣いを彼に感じてもらえるように愛情表現してる。「母親」だけになってしまうのではなく、「妻」ということも忘れないようにしてる。
―パートナーは子育てを手伝ってくれる?
夫は1日15時間、ほぼ休みなく働いてるの。でも、子供が寝る前の2時間と、朝に仕事を始める前の1時間を子供と一緒に過ごして、親子の絆を深めようとしてくれているわ。
辛さも乗り越えて…。ママの本音
―正直、ママとして大変だったことは?
以前当たり前だった生活からの急な「変化」に対応すること。でも自分が快適な新しい生活習慣を身に着け、子育てを助けてくれるシステムさえ見つけれれば、子供という存在が加わったもっと豊かな人生を愛せるようになると思います。
―そんな大変だった時期を乗り越えたコツは?
家族やお手伝いさんに頼ること。たとえば、以前はミルクを1日3回あげるのに3時間かかっていました。でも、いい母親でいるためには、自分自身が幸せでいないといけない。それは私にとって、仕事をして、自分の時間も持つことを意味しています。はじめは罪悪感を感じていたけど、違うことを考えて息子と一緒に過ごすよりも、自分の自由時間を3時間満喫して、家に帰ったときに彼に集中して遊んであげるほうが大切。子供のせいにしてしまうよりも、子供も自分も幸せになる方法を分析して解決策をたてると、もっと充実した日々が送れるようになります。
―ママライフがもっと素敵になるために、社会に変えてほしいことは?
会社は、ママが家で働くという選択肢を推奨するべき。多くの会社はそれを許可していても、オフィスにいること自体が大切という見えないプレッシャーが根強く残ってる。働くママは役割がたくさんあることを考慮すると、同じオフィスの男性たちと比べるのをやめるべきだと思います。
―最後に、輝くママでいる秘訣は?
小さな人間を育てているということを、親はとても誇りに感じるべきだと思う。この責任が私を幸せにし、前に運んでくれます。
アメリカ/クリステン(49)、ライター、ポッドキャスター
【子供の名前/ジョエルくん(17)、フリーダちゃん(5)】
太平洋を見渡すカリフォルニアの小さなビーチタウンで暮らすクリステン。ブログを執筆する傍ら、「Forbes」や「Wired」などの雑誌にもジャーナリストとして寄稿している。テレワークをしながらカリフォルニアライフを満喫するママの本音とは?
―アメリカでのママへの制度を教えて。
アメリカでの産休は約3カ月。義務教育のキンダーガーテンに入る前の2~4歳の子供が通うプリスクールは私立と公立があるんだけど、現状は公立になかなか入れないことが親たちの悩み。
クリステンの「働くママ」事情
―1日のスケジュールは?
7 :00 起床。長男の朝食とお弁当の用意。
9 :00 娘の朝食の準備。
9 :30 ベビーシッターが到着。仕事を始める前にヨガやダンスのクラスで汗を流す!
12:00 ランチを兼ねて取材先にインタビューすることも。執筆作業など。
―仕事中、子供の預け先はどうしてる?
娘は火曜から金曜まで午後の3時間だけ、プリスクールへ。それ以外は、週に3回ベビーシッター(1時間25ドル)に頼んでいるわ。
その他、17歳の息子に妹のお世話を頼むことも。1時間10ドルで、お小遣い代わりに喜んで引き受けてくれるの。
―子供が生まれてから、キャリアに影響はあった?
仕事のための時間管理を入念にしないといけない。子供がいると時間があっという間に過ぎさって、結局仕事がまったく進んでいないということも…。
クリステンが語る、「ママの醍醐味」
―ずっと憧れていた「理想のママ」像はある?
私の母親。再婚するまでシングルマザーとして一生懸命働きながら子育てをしていた姿は、今でも強く印象に残ってる。それに、家の中はいつも驚くほどピカピカだった! 一方で、母はとても厳しかったから、私は反対にフレキシブルな母親になりたいと思っていた。
―ママになって、自分自身が成長したと思うことは?
キャリアに関しても強い野望を持つようになったわ。子供に誇りに思ってもらえる母親になりたいからね。
―ママとして一番幸せな瞬間は?
娘が家でダンスを披露したり、自分で物語を作って人形遊びをしている様子を見ていると、心が温かくなる。17歳の長男は、学校で起こった面白い出来事を話してくれて一緒に大笑いしたり、彼がバスケの試合をしている姿を観たり、妹と遊んでくれている姿を目にするととても幸せな気持ちになるわ。
―子供とどんなふうに時間を過ごしてる?
娘とは、彼女のお友達の誕生日パーティーや、雨の日は一緒に映画を見に行ったりするわ。17歳の息子とは、YOUTUBEで見つけた面白い動画を報告し合って一緒によく笑うの。
ここだけの話…。夫婦のラブ事情♡
―ラブラブな夫婦でいる秘訣は?
正直、いい関係を保つのはとても大変! それでも、月に何回か夜の街をデートしたり、娘が寝た後に一緒にDVDを観るようにしているわ。
―最近した、ロマンチックデートを教えて。
雰囲気のいいレストランで食事をしたこと。次のデートは、サンフランシスコでクリエイターの講演を聞きに行くなど、もっと刺激的なことをしようと話してるの。
―子供が生まれたことで夫婦関係に影響はあった?
2人で過ごす機会が減ったこと。ディナーに出かけること、映画に行くという普通のことが一大イベントになったわ。
―パートナーは子育てを手伝ってくれる?
週末に料理を作ってくれたり、街で面白いイベントがあれば子供を連れて行ってくれたり、協力的よ。
辛さも乗り越えて…。ママの本音
―正直、ママとして大変だったことは?
母親として、精神的にとてもつらい時期は何度もありました。家庭内の役割にとらわれたような感情や、大好きなダンスやヨガのクラスにも行けずにフラストレーションがたまったこともあります。
―そんな大変だった時期を乗り越えたコツは?
実は今、夫と家事の分担について話し合っているところ。夫婦が話し合うのは、絶対に必要。不満が爆発してしまう前に、分かりあうことが大切だと思ってるわ。
―ママライフがもっと素敵になるために、社会に変えてほしいことは?
女性が主に家事をするという概念を変えること!
―最後に、輝くママでいるヒントをください!
エクササイズをして、健康的な食べ物を食べ、自分の時間も確保するなど自分をケアすることも大切。そうして自分自身が幸せになったら、結果的に子供にとっても「素敵なママ」になれる!