リレー形式でお届けするコスモエディター達の気になったコト&モノ&ヒト&場所。最新トレンドから、エディターたちが個人的に気になっていることまで、幅広くお伝えしていきます。

週末休みで弾丸海外旅行に行こうと思っていた矢先、まさかの飛行機が飛ばないというアクシデントが発生。束の間のバカンスを奪われ、私がするべきことと言えば"ヤケ食い"。でも、せっかくならバカンス気分を取り返したい…。ということで、日本にいながらにして海外旅行気分を(文字通り)味わえる方法を探してみました! 題して「飛行機が飛ばなくても大丈夫!世界の家庭料理を食す週末旅」。

今回私が利用したのは「KitchHike(キッチハイク)」という、料理をつくる人(COOK)と料理を食べる人(HIKER)をつなぐマッチングサイト。料理上手な日本人はもちろん、様々な国籍の人が登録していて、世界中の家庭料理を気軽に堪能できちゃうんです。

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ちなみにフェイスブックと連動させれば、ワンクリックで登録できる上に、信用度もあがるのでオススメ。登録ができたら、まずはプロフィールを。食べる気満々感を出してみました。

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いざ、キッチハイク! すでに日程やメニューが決まっているイベントは「POP UP」にまとめられていて、空いていれば即予約可。POP UPになくても、各COOKとは別途で連絡がとれるので、そこでメニューや日程について個別で調整することもできちゃいます!

今回は、これまで訪れたことのない国であること、この週末に都合がつく方であることを切り口にCOOK探し。すると、優しそうな笑顔の女性が…。「マレーシア? 行ったことないねッッッ。君に決めたァァッー!」。

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真に優しい人にしか作り出せない笑顔です。

ということで訪れたのは、8カ月前から日本に住んでいるビビさん一家。終始穏やかな旦那さんと、おしゃべりが大好きでとにかく元気なアイニーちゃん、そしてちょっぴりシャイなノワくんの4人家族。はじめてのキッチハイクでドキドキしてたけど、全員がキラッキラな笑顔で迎えてくれたので少しホッ。

希望を伝えれば、料理をつくるところから教えてくれるCOOKさんも多いみたい。今日の献立は、マレーシアの伝統的な家庭料理「ナシレマッ」。ココナッツライスを炊くところから見せてもらいました!

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インド米と一緒に、玉ねぎ、生姜、パンダニーフ、ココナッツミルク、レモングラス、フェヌグリークを炊飯器に投入。あとはふつうの要領で炊くだけ!


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30分後、炊けた~!  「お米をつぶさないように優しく優し~くまぜるのよ」とビビさん。

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「時間がかかるし、スパイスが飛んで全身スパイス臭くなっちゃうから、チキンは作っておいたの」と、とっても手際の良いビビさん。

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いざ盛り付け。みんなで食卓を囲んだ方がごはんは美味しいよねってことで、今回は東京生まれ・スリランカ育ちの友人も同行! キッチハイクを通じてビビさんと大の仲良しになったという美人さんも合流して、一気に賑やかに♡

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完成。ビビさんは、マレーシアでフードスタイリストをしていたらしく、料理の腕はもちろん、盛り付けもプロ級。ということでこちらはビビさんによる盛り付け♡ 

国民の半数以上がイスラム教を信仰するマレーシア。食事に使うのは、右手だけ! 左手は「不浄の手」と呼ばれ、左利きの人でも原則は使っちゃいけないんだとか。フォークを用意してくれたのですが、せっかくなので私たちも手で食事してみることに。しかしこれがなかなか難しいっ。片手でチキンの身をほぐすなんて、かなり難易度高め…!


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食べるのは難しいけど、「セダップ」(おいしいの意)が止まらないっ!

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「まずは混ぜて、指に乗せたら親指をスライドして口に押し込むんだよ」。あまりに不慣れな私たちを見かねて、食べ方を優しくレクチャーしてくれるアイニーちゃん。

メインの食事は、「ごちそうさまでした」。しかしここで終わらないのがマレーシア流。むしろ始まりにすぎなかった…!

何がすごいって、その食事量の多さ。次から次へと食事が出てくるので、食べ放題ならぬ"食べさせられ放題"状態。もれなく美味しいので抗えるワケもなく…。聞くと、イフタールというラマダン(断食月)明けをお祝いする特別な食事が終わったばかりだったうえに、マレーシアへの里帰りから帰ってきたばかりで、ちょうど家に食べものがあふれる時期だったみたい!

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「まだ食べれるでしょ~? じゃあスナックタイムいってみよ~!」

「なんだ、毎日こうってわけじゃあないのね!」と思うじゃないですか。違うんです。ビビさん曰く、「マレーシア人は食事を共にすることでコミュニケーションをとってるのよ。よくよく考えたら、わりと1日中食べてることも多いんだよね」とのこと! 証言を元にタイムライン化してみるとこんな感じ。

  • 7:30 朝食
  • 10:00 スナックタイム
  • 12:00 昼食
  • 15:00 スナックタイム
  • 20:00 夕食
  • 22:00 スナックタイム

さらに驚くべきは、その内容。スナックタイムなんて言ってるし、ちょっとつまむ程度でしょ?と、思っているアナタの幻想を打ち砕きましょう。スナックタイムによく出てくるというフードラインナップはこちら。

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まずは、前菜として出してくれたスナックたち。甘くないバナナチップスや、魚の佃煮が挟まれたチップス(これが最高に美味)から、フォーチュンクッキーまで多彩なラインナップ。「マレーシアで買って帰ってきたばかりだから、今の時期は特別よ」とビビさん。

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お次は、パイナップルクッキー。なんと、旦那さんのお母さんお手製なんだとか! ホームメイドとは思えないほどの完成された見た目と本格的な味。すごい。

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コンデンスミルクを加えた、甘くて濃厚なミルクティー「テ・タレ」。この日は、ローズフレーバーでした。美味しいテ・タレをつくるための鍵は、淹れ方にあり。高い位置からコップに注ぎ、ポットに戻してはまた高い位置から注ぐ…これを数回繰り返すことで空気を混ぜ込み、ミルクが泡立つんだって!

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国民的デザート「スリムカ」。上の層はココナッツミルクできたカスタード、そして驚くなかれ、下の層はもち米です。ライスプディングを、もっちり濃厚にしたようなお味。「甘いお米…!?」と、最初は少し抵抗がありましたが、食べてみたらなんてことはなし。よく考えてみたら、日本にもお米感たっぷりな桜餅とかおはぎとかあるもんね。テ・タレに合う!

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お次は「ロジャ」。徹底的に煮詰めた甘い醤油みたいなタレにエビの味噌やスパイスを漬け込んだ、通称「正直、白ごはんにのせて食べたい」ソースに、新鮮なカットフルーツをつけていただきます。これが、うんまいなぁ! ごはんに合わせたいなんて思ってごめんなさい(いやでもご飯にのせたら絶対うまい)。酸味のあるスターフルーツやパイナップルと絶妙なマッチ感!

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とっくに100%を超えた満腹度。でも、ビビさんは既に次のフードに取りかかっている模様。えっ、うどん? 満を持して最後に繰り出されたのが…これだっ!

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ドーン!その名も「ラクサ」。地域によって具材や味が異なる、スパイスの効いた"うどん"です。現地では米麺を使うけど、日本のうどんでも代用可。「こんな主食級をスナックタイムに食べるなんて…」と思うも束の間…。ああっ、夏にぴったりの爽やかさで、お腹いっぱいなはずなのにツルツルッといけてしまう。…もう1杯!

13時にお伺いして、気づけば17時半。その間ずっと食べまくり! こんな幸せなヤケ食いはじめて。なによりこれだけ食べて4500円って良心的すぎる。

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帰り際には、マレーシアに関するパンフレットや、小物入れを「お土産にどうぞ」と。マレーシアの文化を、まさに五感で楽しませてくれたビビさん一家。これまで近いようで遠い国だったマレーシアが、少し身近に感じられるように…!

ビビさん一家のおかげで、がっかりどんよりな休日は一転、最高のバケーションとなったのでした。次は実際にマレーシアに遊びに行ってみたいな~! ビビさんファミリー、Terima kasih (テリマカシ=ありがとう)。