女性だけが「怒ってる?」と言われるジレンマと、その対処法

真剣に仕事してるだけなんですけど…

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ただ真剣に仕事をこなしているだけなのに、男性の同僚や上司から「なんか怒ってる?」「機嫌悪いの?」などと言われた経験、ありませんか?

真剣な女性がなぜ怒っているように見えてしまうのか。『How Emotions are Made: The Secret of the Brain(感情が芽生えるまで:脳の秘密)』の著者であり、心理学者及び神経科学者でもあるリサ・フェルドマン・バレット博士がその答えを解説した記事を、コスモポリタン アメリカ版から紹介します。

これこそ女性が直面する、複雑な感情のダブルスタンダードです。

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「その部屋に入るなり、大きな決断をしなければならないと感じました。重要なビジネス会議で24人の男性科学者に囲まれた私は、唯一の女性でした。どこの集まりへ行っても女性科学者は自分1人というケースは多く、そうなると、私のアイディアは大抵聞き流されるリスクにおかされます。しかし逆に主張し過ぎても、強情だとか自意識過剰だと言われてしまうのが目に見えている。そう、"感情的な女性"という偏見の目で見られてしまうのです。

これこそ女性が直面する、複雑な感情のダブルスタンダードです。自分の思いをクリアにしすぎると、神経質でわがままで、自制の利かない感情的な女だと言われてしまう。そのレッテルを剥がそうとあがくと、それはそれで嫌われたり、冷たくて信用ならない人間として見られたりしてしまう。はたまた真面目、あるいは積極的過ぎると、今度は"怒っている"と勘違いされてしまうこともあります」

科学的分析によると、"感情的な女性"という偏見は根拠のない思い込みです。

「しかし科学的分析によると、"感情的な女性"という偏見(ステレオタイプ)は、まったく根拠のない思い込みだと言われています。確かに一般的には、女性は自分たちの方が男性よりも強く、また頻繁に感情に左右されると感じており、多くの男性もそれに同意するでしょう。しかし、私の心理学研究室でコンピューターを駆使して数百人もの男女の日常的な感情を調べた結果、平均して男女の違いによる区別はできませんでした。

加えて私の研究では、女性が感情的になった場合、周囲は彼女自身に責任があると感じるのですが、一方男性が感情的になった場合、周囲は彼自身ではなく状況に問題を見出すということがわかりました。時として、感情的になった男性は"繊細な人"で、立派なリーダーだと称賛されることもあります。こういったステレオタイプは子どもの頃に始まり、悪気のない大人たちが無意識に男女を区別して見ることから来ると言われています。そして少しずつそのステレオタイプ化された発想は根を張り、次世代へと受け継がれていくのです。

女性は誰もがこの問題と対峙していかなければなりません。残念ながら、こうして生み出される女性へのステレオタイプに対して、科学的な治療薬は存在しません。しかし、せめてその影響が広まることを食い止める働きは私たちにもできるでしょう。以下に紹介するテクニックを試してみてはいかがでしょうか」

1.前もって知らせる

「例の会議で24人の男性科学者の中にポツンと入れられた私は、事前にこのステレオタイプについて、その場にいる人たちに入れ知恵しようと思い立ちました。私は自己紹介をこう始めました。『この会議に参加している唯一の女性として、時に少々強めに自分の意見を主張する場面があるかもしれません。しかし、みなさんも女性とお仕事をされた経験がおありだと思いますので、あまり強くなりすぎないように気をつけますね』と。こうすることにより、その後自分の意見を抑圧されたり横取りされたりするという事態を防ぐことができます」

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2.その場ではっきり指摘する

「このテクニックはある大学事務長とのミーティングで実践したことがあります。私がそのミーティングの進行役であったにも関わらず、その事務長は私に常に背を向けて、他の男性職員に対してばかり返事をしていました。これが何回か続いた末、私は彼に『失礼、ジョン。私はこっちにいますよ』と笑顔で丁重にリマインドしました。しかしこういった言動を取る場合、相手からの反発も十分予期しておかなければなりません。なぜなら、相手の癪に障ったり、不快だと思われたりしてしまうことがあるからです。私のケースでは、ジョンは私を"衝動的"と言い、『頭に浮かんだことを何でも口に出してしまうようですね』と皮肉を込めて言ってきました。私は声を少し低くして、『心配しないでください、ジョン。(一瞬の間)私は今考えていることすべてを口にしているわけではありませんから』と冷静に答え、彼からの返答を余裕の表情で待ちました」

3."男性いじり"を身につける

「男性は常に互いに悪口を言っていじり合います。ユーモアというのは、時に批判的な意見を効果的に、でも間接的に伝えるのに役立ちます。例えば、10年ほど前に私が議会で科学調査の重要性を証言するための準備をしていた時、副議長が電話でアドバイスをくれました。『心理学はマスカラのようだと話したらいいよ。別にどうしても必要なものではないけれど、見る分にはいいものだとね』。彼を批判する代わりに、私はこう返しました。『それは思いつきませんでしたね。マスカラと言いますと、安物のほうですか? あるいはちゃんとした高級なものですか? 色は茶色ですか、黒ですか? あ、防水の方がいいですかね? 口紅はいかがですか? 頬紅は?』。こうして、彼は私の言わんとすることを理解しました」

4.自分の持つ2つの立場をきちんと認識し、使い分ける

「あなたは女性であると同時に、そのキャリアにおけるプロでもあるのです。バカにされそうになった際は、その2つの立場を使い分けることが大切です。例えば、研究室の学生にフィードバックをする時、時に私は『人としては、あなたの状況に同情しますよ。でも指導教官としては、この課題をきちんと完成させることを厳しく求めます』と話します」

私の知る成功を収めた女性はみな、素晴らしいリーダーとして受け入れられる前に、そのキャリアにおいて一度は"怒った雌犬"というレッテルを貼られて来た経験があります。

5.うまい返しをする練習をする

「時に思いも寄らないタイミングでステレオタイプにさらされることもあり、そうなると、後から『ああ言っておけば良かった…』と後悔することもあります。そんなことにならないためにも、日頃から練習しておきましょう! 友人を捕まえて、うまい返しをする練習に付き合ってもらうのです。いつかきっと必要になる時が来ます。ヒラリー・クリントン氏も、2016年のキャンペーン中、立派な抗弁をしていました。例えば国家安全保障会議の最中に笑顔が足りなかったと指摘された際、彼女は『これが真剣に大統領の職を目指す人間の顔ですよ』と応えたんです」

6.良い人間関係を構築しておく

「共に働く同僚や部下たちに感謝の気持ちを示していきましょう。直接お礼を言ったり、コーヒーを淹れてあげたり、あるいはチョコレートを一箱プレゼントするのでも、あなたの持つ権威をソフトに伝えていくことができます。そしていざという時、彼らはあなたというリーダーについて来てくれるでしょう。それに単純に、周りからより好かれるし信頼もされるはず。ただ自分らしく仕事をしているだけなのに、なぜか女性特有のステレオタイプで見られてしまう人にとっては、きっと役立つテクニックです」

7.男性の味方を見つける

「自分がステレオタイプ化されて目の敵にされているのを、きちんと見抜けるまともな同僚の男性は側にいますか? もしいれば、彼と事前に話をして、ミーティングなどにおける不穏な空気の方向修正役を頼みましょう。例えば『先ほどジェーンが言ったように、私もこの契約更新を検討する必要があると思います』と言ってもらうとか。私はこのテクニックを、ある会議で応用したことがあります。同僚男性のボブ(仮名)が私の行った研究結果について言及した際、会議に出席していた人たちはその成果を彼の手柄として捉えていましたが、ボブは私と事前に話し合いをしていたため、その事実をきちんと訂正してくれました」

8.あなた個人のことを言っているわけではない、ということを念頭に置く

「女性は誰しも何らかの形で他の男性(または女性)からステレオタイプ化されてしまいます。時にそれが自分個人に向けられていると感じてしまうこともありますが、決してそうではないことを覚えておいてください。そうすることにより、必要以上に自分を正当化してムキになったり、自己防衛心の強い神経質な女だと勘違いされてしまうことを防げます。

私の知る成功を収めた女性はみな、素晴らしいリーダーとして受け入れられる前に、そのキャリアにおいて一度は"怒った雌犬"というレッテルを貼られて来た経験があります。私が紹介したテクニックは問題自体の根本的解決にはなりませんが、多くの女性の助けにはなっています。是非ご自分で試してみて、また周りの友達や同僚たちにも教えてあげてください。ステレオタイプの問題は一見では分かりにくいものもあるので、同じ経験を持ち、同じ目線で事態を捉え、共に支え合ってくれる仲間がいるのといないのとでは安心感も違うことでしょう」

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

COSMOPOLITAN US

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