日本でも「テラスハウス」などのリアリティ番組が大人気だけど、このブームは世界共通。となると視聴者の中には「リアリティ番組のスタッフをやってみたい」と思う人もいるのでは? 

そこで、リアリティ番組製作にたずさわるプロデューサーが語る「リアリティ番組スタッフの心得11」をコスモポリタン アメリカ版から。視聴者として楽しむだけでは見えてこないテレビ業界の舞台裏。興味のある人は、大変な仕事だと覚悟した上で挑戦したほうがいいかも。

1.「華やかな仕事」だと思ったら大まちがい

テレビでみるリアリティスターたちはキラキラ輝いているけど、カメラの裏側はまったくの別世界。番組スタッフの仕事は広範囲に及び、ゴミ拾いや機材の運搬、お弁当の用意など「何でも屋」が基本。分単位でスケジュールが詰まっているからご飯を食べる時間もなくて「ポテチが昼食」なんてこともザラ。

2.プライベートな時間の確保が難しい

ドキュメンタリースタイルのリアリティ番組スタッフなら特に、生活は撮影スケジュールと一心同体。撮影が延びたら飲み会の約束もドタキャンしなきゃだし、週末に撮影がある日も多いので、友人と予定が合わないことも。

3."臨機応変"に行動することが大切

毎日"今日の段取り"を考えた上で仕事を始めても、必ず予定外のことが起こるのがTVの現場。そんなとき「どうして?」「なんで?」と思う前に、次なる一手を考えてことを進める方が賢明。まさに毎日が"臨機応変"の訓練の場。

4.仕事の話を友人とできない

放送までは番組の内容は口外しないのがルールのため、もし内容が漏れてしまったら多くの人に迷惑を掛けることに…。「最近仕事どお?」と聞かれても、具体的なことは何も言えないのがもどかしい時も。

5.仕事は現場で学ぶものだと思い知る

専門学校や大学で映像制作を学んでからテレビ業界に入る人は多いけど、それでも現場に出ると分からないことだらけ! でも「みんな忙しそう…」「こんなコト聞いたらバカみたい?」と質問するのをためらうと、せっかくの知る機会を逃すことに。尻込みせず、分からないことはどんどん質問するのがベター。知ったかぶりで失敗するより、一時の恥を忍んで聞いてしまう方が、良い結果につながるはず。

6.人の話をよく聞く

リアリティ番組を担当する上で、たくさんの人に会い、話を聞き、意見をくみ取ることも大切な仕事。相手に心を開いてもらうためにフレンドリーに接すること、そしてよい聞き手になることが重要ポイント。

7.気持ちを切り替える方法を見つける

誰かの人生に立ち会う仕事だからこそ、喜びを分かち合えることもあると同時に、人生最悪の瞬間に居合わる場合も。仕事が終わっても気持ちを引きずってしまいがちだけど、気持ちを切り替える方法を探していくことも大切。落ち込んだときは家に直帰せずフィットネスジムで汗を流したり、おいしいコーヒーのお店に立ち寄ったりなど、自分なりの方法で"セルフプロテクト"するのを覚えること。

8.体力勝負

撮影は肉体労働。移動も多く、1日で2万歩も歩いたり、朝から晩まで椅子に座る暇がないことも。とにかく体が資本なので健康管理には気を付けること。

9.急な出張に対応できる準備を

「明日から1カ月出張して」「今日、地方で撮影」そんなことも日常茶飯事。いつでも出張できるように身の回りのものをコンパクトにまとめておいて、家をいつ留守にしても大丈夫な状態にしておくと、より仕事に集中できるはず。

10.お金の管理はキッチリと

テレビの世界はフリーランスで働いている人が多い業界。フリーランスの場合、シーズンごとや1話ずつの契約など仕事の依頼はさまざまだけど、毎月定額のお給料が支払われる会社員とは違うので、安定しない時期も。11つの仕事を丁寧にこなして次の仕事につなげることはもちろんだけど、日ごろからお金の管理もキッチリとしておくことが大事。

11.人間関係が基本

よい番組づくりは被写体との人間関係が構築できてこそ。「6」と同様、その人の信頼を勝ちえてこそ、本音で語ってもらえるはず。たとえひと時であっても、誰かの人生に立ち会うことの重みを理解し、真摯に向きあう姿勢を常に忘れないことが結果に繋げるカギ。

この翻訳は、抄訳です。

Translation: 宮田華子

COSMOPOLITAN US